和食に料理酒は欠かせません。
煮物に使ったり、魚の臭みを取ったり、お手製の味噌漬け、粕漬を作る時など活躍の場は様々です。私は結構どんな時にも入れてしまいます。料理にコクが出て深い味になるように思うからです。
そんな料理酒の健康面から見た善し悪しはどこで見分けるのか、今回は探っていこうと思います。
塩と添加物入りが多い料理酒
料理酒はお酒なのでもともと高い保存性を持っています。なので保存料のような添加物は必要ありません。
さて、どこにでも売られているような料理酒を見てみます。
原材料名 醸造調味料(米・米こうじ・食塩・ブドウ果汁)、たんぱく加水分解物、食塩、水あめ、酒精、酸味料
料理酒は一般的には塩を添加しているものが多いです。入れられている塩は約2%ほどで、海水の塩分量が3%ですから2%というと塩辛くてとても飲めたものではありません。
料理酒に塩が添加されるのには理由があります。酒税法の関係です。
料理酒の代わりに清酒を使えば香りも味も風味ももっと美味しくなるのですが、清酒には1リットル当たり120円の酒税がかかってきます。
清酒(飲む酒) | 合成清酒 | 加塩料理酒(不可飲処置) | |
酒税(1ℓ当たり) | 120円 | 100円 | 0円 |
塩 | 不使用 | 不使用 | 使用 |
化学調味料 | 不使用 | 使用 | 使用または不使用 |
これに塩を加えることでお酒としては飲めないようにすることにより、酒税を1円もかけずに低価格の料理酒として販売することが出来るのです。これを不可飲処置と言います。
そういう訳で低価格を実現するためにも、多くの料理酒に塩が入れられているのです。
この塩分濃度はかなりのものですから、入れすぎると塩分過多になってしまうので注意が必要です。使う際にはこれを計算に入れて他の調味料を組み合わせないといけません。
他にも、一応食品扱いですが食品添加物に限りなく近いたんぱく加水分解物や、一括表示で何種類添加物が入っているかわからない酸味料が入っているのも気になります。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと)
無添加の料理酒
添加物の多い料理酒もある中、スーパーでもよく探せば食材のみの原材料から作られた料理酒も売られています。こんなものを見つけると嬉しいですね。
原材料はたったこれだけですね。
ホームページで検索してみても原材料の原産国が出てこなかったので、そのあたりを電話で問い合わせてみました。
すると今のところ米、米こうじ、食塩は全て国産のものを使っているという事でした。国産の表記がないのは、今後ひょっとしたら輸入の原料を使うかもしれないので記載を控えているそうです。
多くのメーカーは少しでもイメージが良いことはオーバーに表現するのが常ですから、なんと控えめなメーカーさんなのだろうと好印象でした。
有機無農薬の原材料かどうかまでは確かめませんでしたが、そこまで拘るとこの価格の実現は難しいでしょうから、恐らくそれはないかもしれません。しかし添加物が入っておらず国産の原材料というのはあっぱれだと思います。
表記がなくても今後も国産の原材料で作っていってほしいですね。
塩も添加物も一切入っていない料理酒
料理酒は本当は塩が入っていないものが私は理想的だと私は思います。(一番贅沢なのはお酒そのものを料理酒として使う事でしょう)塩の入っていない料理酒は探せば結構並んでいます。清酒のメーカーさんも色々と塩の入っていない料理酒を作っています。
そんな中で自分で色々試してみて、今気に入って使っているのがこちらの料理酒です。
白扇酒造の「花美蔵(はなみくら)」、もち米を使った純米酒です。
原材料名 米(国産)、米こうじ(国産米)のみで出来ています。
手作りの麹と伝承もち米四段仕込
長期発酵熟成もろみ
旨味たっぷりの純米酒
と書かれています。
こちらの原材料は今までは慣行栽培の国産でしたが、徐々に国産無農薬に変えていっているところだそうです。
今まで色々な米と米こうじだけの料理酒を試しましたが、今はこちらが一番気に入ってます。料理酒が美味しいと煮魚、煮物が美味しく仕上がるので拘っていきたいところですね。