みりんとみりん風調味料はどこがどう違うのか分かりにくいですね。
以前は恐らくみりんが本物で、みりんに似たようなものがみりん風調味料なのかと単純にそう思っていました。

本みりんとみりん風調味料の違い

みりん(本みりん)とみりん風調味料ではまず原材料が違います。
みりんは酒税法で決められた原料のみを使っています。そして一番大きな違いは、アルコール度数です。

みりん、みりん風調味料比較
出典 全国味淋協会

みりんはアルコール分が約14%ほどあり混成酒類というお酒に分類されます。その分酒税が価格に反映されます。
もち米や米麹などの原材料から40日から60日の熟成期間を経て、醸造調味料である本みりんと、甘味調味料であるみりん風調味料が出来上がります。

本みりんとみりん風調味料 それぞれの特徴

本みりんが良くてみりん風調味料はいけないのかと言うと、必ずしもそうではなく双方ともそれぞれに良い点があります。

本みりんだとアルコール分が14%も含まれる分、魚などの臭みをとったりすることに長けています。煮崩れもしにくく、味が浸み込みやすくなる特徴があります。
甘味にもぶどう糖オリゴ糖などいくつかの糖類があるため、深くコクのある甘みとテリやツヤが出てきます。

一方みりん風調味料のアルコール分は1%以下なので、本みりんのように調理の時に煮切ると言う工程は必要ありません。
煮切る必要がないので小さなお子さんに食べさせる料理や、合わせ調味料(ごまだれ、甘酢、三杯酢、酢味噌など)を作る際にそのまま使えます。

また糖分が本みりんより多いみりん風調味料の場合、テリやツヤはもっとよく出ます。
そして含まれるアルコールが1%以下ということで酒税がかからず、手頃な価格で購入できるのも魅力でしょう。



添加物入りのみりん風調味料は避ける

みりんもみりん風調味料も個性があり使いたくなりますが、みりん風調味料は添加物が入っていることが多いため、できれば添加物の入っていないみりんを選んだ方が良いかもしれません。
(本みりんでも醸造アルコールが入っているものもありますが、醸造アルコールはさほど危険性はありません。)

実際にリーズナブルなみりん風調味料の一例を見てみると

みりん風調味料 原材料

原材料名 水あめ、米、米こうじの醸造調味料、醸造酢、酸味料

と書かれています。
酸味料は一括表示できる添加物です。一括表示とは複数の添加物をひとまとめに表示することですが、「酸味料」と書かれた中に何がどれだけ入っているかは私たち消費者には分かりません。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

米こうじの醸造調味料にも何が入っているのか、これを見ただけでは判断できません。
入っているものが分からないのは少し不安材料ではありますね。

我が家の愛用発酵調味料と本みりん

うちで気軽に使っているみりんは、味の一醸造の「味の母」です。
アルコール度数が10%なので、みりん風調味料でもなく本みりんでもない発酵調味料という分類になります。

味の母 (1)

創業昭和27年7月から当初の作り方をそのまま受け継ぎ、もう66年目だそうです。私が生まれる前から作られていたのですね。

「味の母」の原材料は米、米麹、塩のみです。
添加物の保存料、着色料、香料は一切入っていません。

味の母 (2)

原料の米をふんだんに使った発酵調味料の「味の母」の製造にかかる日数は、熟成期間も入れると一年以上になります。
流通しているみりん風調味料の製造期間が2~3ヶ月ですから、どれだけ昔ながらの製法に拘っているかが分かります。

日数が掛かっているお陰なのか、風味も味もとても良いです。
発酵調味料なのでアルコール分10%、糖分45%なのも本みりんに近く、味が良い理由のひとつでしょう。開封後に常温で保存できるところも気に入ってます。
本みりんよりもリーズナブルでお味も良いので、色々な料理にふんだんに使えます。

味の母(みりん風調味料)[発酵調味料]

そしてお正月のお料理や、お客様がいらっしゃる時の料理に活躍するのが、こちらの本みりんです。

本みりん 福来純 (1)

白扇酒造の3年熟成「本みりん」。
昔のままの製法で作られています。
原材料はちょっと見にくいですがこんな感じです。

本みりん 福来純 (2)

国産の餅米と国産米の米麹。それに米焼酎だけです。

れっきとした本みりんですのでアルコールは13.5度~14.5度あり、そのまま飲むことも可能です。(飲んだことはありませんが…)

白扇酒造さんのすごいところは、ラベルには3年熟成とだけ書かれていますが、3年経っても熟成が足りないと判断した場合、さらに熟成期間を長くされているということです。4年程かかることもざらだと聞いています。

熟成期間を決めるポイントは「味」です。人の舌で舐めてみて、熟成できているかを判断します。
機械的には処理できない、この「味わってみて」出来上がっているかどうかを判断するあたりが本当に希少価値だと思います。

福来純(ふくらいじゅん) 三年熟成 本みりん

ここぞという時の料理やおせちには欠かせません。
ちょっとしたプレゼントにもセレクトできるお品かと思います。