調味料の中でも特に日本食に欠かせない調味料は、醤油ではないでしょうか。
醤油の持つうまみ成分、アミノ酸グルタミン酸アスパラギン酸は上手くバランスを保ち、その香りと味は日本人の魂を揺すぶる調味料のトップではないかと思うのです。(オーバーでしょうか)

醤油

日本古来の醤油の原料は大豆・小麦・塩とたった3つのシンプルなものですが、麹菌・酵母・乳酸菌の微生物たちの働きによって、素晴らしい味わいの発酵調味料に作り上げられたものなのです。

この素晴らしい調味料は、何を基準に選んだら良いのでしょうか。

添加物がいっぱいの化学醤油に注意

醤油メーカーの中には表のパッケージに本醸造と大きく書いていながら、調味料(アミノ酸等)を始め発ガンの可能性を秘めているかもしれないカラメル色素や、甘味料等の添加物が入れられているものもあるため注意が必要です。

醤油 原材料

カラメル色素は4種類に分類されますが、その中には危険性を含む種類もあります。
どのカラメル色素を使っているかは表示されないので、初めからカラメル色素が入っていない醤油を選ぶ方が賢明です。
(カラメル色素について関連記事へはこちら
プリンには何が入っているの?健康的に美味しく食べたいおやつ

このような醤油は化学的に、早く安く作る「醤油に似たもの」とも言えますが、価格も驚くほど安いです。いくら安くても健康を損ね兼ねないものは困りますね。
(関連記事はこちら↓
危険な塩酸を使えば1リットル100円以下の激安醤油が完成

添加物がアルコールのみの醤油

発酵食品である醤油の原料は大豆、小麦、塩だけですが、スーパーに並ぶある醤油にはそれとは異なった成分名が並んでいます。よくスーパーで見る醤油に入っている原材料は主に次のようになります。

醤油 原材料

原材料名 脱脂加工大豆(遺伝子組み換えでない)、小麦、食塩、大豆(遺伝子組み換えでない)、アルコール

一般的に売られている大手メーカーの醤油の添加物はアルコールぐらいなので、さほど心配する必要はないようです。

脱脂加工大豆は油をとった後の大豆です。国内で流通する醤油に使われる大豆の約80%はこの脱脂加工大豆です。遺伝子組み換えでないと書かれているのでそれは間違いないでしょう。
遺伝子組み換えでないと表記していても原料の5%までは遺伝子組み換えの原料を入れて良いことになっているので、ひょっとしたら100%遺伝子組み換えでない可能性もあります。
詳しくはこちらの記事へ↓
「遺伝子組換えではありません」は本当?疑問の残る表示方法

後は原料の大豆や小麦に農薬が使われていないことを願うのみです。



大豆、小麦、塩だけで出来た「丸大豆しょうゆ」その製法は?

脱脂加工大豆ではなく大豆を丸ごと使った「丸大豆しょうゆ」もよく売られています。
「丸大豆しょうゆ」はその名前の響きも心惹かれるものがあります。入っている中身も昔の醤油そのまま、大豆、小麦、塩だけです。
添加物のアルコールはあまり危険性がないとは言っても、昔ながらの原材料だけで作られている醤油は何といっても嬉しいものです。(原材料を調べたらアメリカ産やカナダ産でした)

材料は安心だなと思ったところで、こちらの醤油の製造方法をメーカーに訪ねてみることにしました。

醤油 質問 問い合わせ

週末に訊いたので月曜日には返事が返ってきました。
一流メーカーの返事は早いなぁといつも思います。

醤油 回答 問い合わせ

製造の詳しい事や、製品になるまでにかかる日数は教えては貰えませんでした。
そこで醤油と言えばもうひとつ、すぐに名前の浮かぶメーカーに今度は電話で問い合わせてみました。

そちらでは醤油は仕込みをしてから熟成させ、製品にするまでに半年ほどかかると言っていました。

こちらのメーカーでは国産の原材料を使っていない醤油は、全てアメリカとカナダからの輸入の大豆と小麦と米を使っているそうです。

輸入大豆の多くはアメリカ産。ブラジルからのものも多いです。
日本国産が一番良いと言うわけでは決してありません。
しかし輸入大豆は特に遺伝子組み換えやポストハーベストの心配が高いので、添加物が入っていないという事だけで手放しで喜べるわけでもありません。
(ポストハーベストについて詳しくはこちらの記事へ↓
妊婦さん必見!危険な農薬ポストハーベスト。「防ばい剤使用」にご注意 前半

それに本来2年は掛かる醤油の製造時間が半年ほどというのは、やはり何らかの処理がされているものと思われます。これでは醤油のうまみのアミノ酸や酵素、酵母がどれほど期待できるのか分かりませんね。

国産100%2年物、3年物の醤油は酵素と栄養素の宝庫

我が家でここ数年使っている醤油は奈良県の井上本店のイゲタ醤油です。

井上本店醤油 原材料

こちらの醤油は全て国産の原材料を使っています。
種麹の関係でお米も入っています。もちろんどれも国産の原材料です。

製造方法は昔からの作り方で、通常の薄口、濃い口醤油で2年の歳月をかけて作られています。たまりのような濃厚醤油は出来上がるまで3年の期間が掛かっているそうです。
醤油作りの最後の工程の火入れは企業秘密ですが、100度以下で低温だという事です。火入れをすることで味に香りがさらに追加されます。

この年月は醤油をじっくり熟成させ、深みのある味、すなわち発酵食品としての酵母の力で生み出されたアミノ酸グルタミン酸アスパラギン酸が豊富にあるという事です。
日本人のソウル調味料に添加物がないという事も大事ですが、天然の酵母とアミノ酸とグルタミン酸とアスパラギン酸が入っている事はもっと大事じゃないかと思います。

我が家のおすすめはこちらの醤油ですが、

職人醤油ストア 黒豆醤油

イゲタの職人醤油は種類も豊富で、お気に入りを探すのもまた楽しいと思います。

【職人醤油】一覧

日本人は発酵食品を毎日摂ることで体に必要な酵素を補ってきました。日本の発酵調味料は美味しさだけではなく、そういった役割もあるのです。

醤油は通常は完成まで2年は掛かるものです。本来の丁寧な作り方をされている醤油でも、時間をかけている割に価格はリーズナブルなものです。
出来るならば添加物がないだけではなく、ぜひ酵素やアミノ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸が摂れる醤油を選びたいですね。