プリンはお好きでしょうか?私は子供の頃、好きでよく食べていました。
昔は焼プリンや生クリームの乗ったプリンなど、手の込んだプリンは市販されていなかったと思います。
今回は懐かしの素朴でシンプルなプリンを見てみます。
安価なプリンの様々な原材料
3つ入ったお安いプリンのパックです。
食品ではない添加物も入っていますね。
水あめまでが食品で、後のふたつが食品添加物になります。表示の順番ですが、まず食材の多い順、次に食品添加物の多い順と並ぶようになっています。
食材のデキストリンは聞き馴染みがないかも知れません。天然のでん粉を化学的にあるいは酵素を使って作るもので、たくさん摂れば下痢などを起こす事もありますが、さほど危険性はありません。でん粉よりも溶けやすく、多くの食品や医薬品にも使われているものです。
カラメルの問題点
カラメル色素は製造方法によって4種類に分けられます。
カラメルⅠ…昔ながらの糖類を加熱
カラメルⅡ…糖類に亜硫酸を加えて加熱
カラメルⅢ…糖類にアンモニウム化合物を加えて加熱
カラメルⅣ…糖類に亜硫酸とアンモニウム化合物を加えて加熱
食品安全委員会の2011年のカラメル色素の化学的意見書によると、EUの食品科学委員会(SCF)とFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)により、カラメルⅡ、Ⅲ、Ⅳには一日の摂取許容量が定められました。(一日摂取許容量(ADI)は160~200㎎/㎏/日)
上限があるということは、それ以上摂ると危険性が出てくるということです。
ちなみにカラメルⅠには許容量はありません。
ここで気になるのは、食事の徹底管理は難しいということです。
家では管理していても、学校給食を食べる子供たちや、社食に頼るサラリーマン等では、許容量を超える可能性も否定できませんよね。
成分の摂取量に上限を定められても、食品自体の制限がまだまだ緩い今の日本社会では、その通りに食事をするのは難しいと言えるでしょう。
そしてカラメル成分のひとつ、2-アセチル-4-テトラヒドロキシブチルイミダゾール(THI)の免疫への影響が懸念されていることから、その安全性はまだ確立されていないということが分かります。
またカラメル色素の他の成分も、安全とは言えない濃度で存在している可能性があるとし、これらの成分量に上限を持たすべきだとも結論づけています。
出典 食品安全委員会
多くの食品では、表示は「カラメル」または「カラメル色素」としか書かれておらず、危険性のあるカラメルなのかどうかは私たちには分かりません。
ただ、家庭でプリンのカラメルを作るように、昔ながらの製法で、白砂糖を鍋で焦がして水を入れ、煮詰めるという形でのカラメル作りは、添加物としては非効率的ですよね。
昔ながらの糖類を加熱して作られるカラメルⅠは、コストと時間がかかるのです。
日本中で流通させるならカラメルI以外の、安くて早くて安価な合成のカラメル色素になるのではないかと思われます。
色を濃く見せ、食欲を増進させてくれるカラメル色素ですが、自然の色だけで十分ではないかと私は思います。
複数の成分が組み合わされている香料
香料は一括表示と言って、複数の添加物をひとまとめに表示しているものです。その中に何をどれだけ含んでいるかは私たちには想像もできません。
ひとつの香りを作り出すのに、何種類もの香料を混ぜ合わせるのです。
各メーカーによって配合は違っており、ひとつの香りに20種類以上を混ぜているところもあるようです。添加物が少ないように見えても、実はそうではないかもしれないんですね。
香料は国の認める表示指定成分で、危険性があると言われています。
以前協和香料事件で取りざたされた、イソプロパノールやプロピオンアルデヒドのように、禁止されていた香料に使われる添加剤が後に許可されるなど、その数は一向に減る傾向にあるようには見えません。
合成の香料が使われているものは、極力避けた方が無難です。
安心できる安全なプリン
保存料、乳化剤、香料等は使用していませんというプリンが目が留まりました。
原材料は
の4つだけでした。
安く製品化しようとすると、プリンらしい香りや、デキストリンのようなかさ増しや、添加物を入れなくてはならなくなります。
でも、プリンは牛乳、卵、砂糖さえあれば基本的に作る事が出来ますから、生クリームを入れれば上等のプリンになります。この4つで十分です。
このプリン食べてみると、ほんとに素直な優しい味でした。
安全でおいしければ、これ以上言うことはありませんよね。