野菜を育てるのに、多くの農家、工場では何らかの形で肥料を使っていると思います。主に窒素、リン酸、カリウムの3つが肥料としての柱になります。

家庭菜園であっても、どこの園芸店やホームセンターに行っても、この3つは肥料として入っているのをよく見かけます。
有機栽培であろうが化学肥料を使おうが、この3つは変わりません。

 

畑で働く人

 

しかし中には有機栽培であっても化学肥料を使う農法であっても、どちらも自然に反しており、肥料を使うこと自体が良くないという無肥料農法の考え方もあるようです。

肥料を使うことで何かデメリットがあるのでしょうか?
実は、野菜の健康…すなわちそれを食べる私たちの健康に、肥料は大きく関わっているのです。日本ではまだ知る人の少ない情報のようですが、知って損はないと思います。



肥料過多による野菜の弊害

 

肥料を与える、すなわちそれで野菜が大きく育ち、実を結ぶものは立派に実を付けてくれます。その育った野菜の葉っぱや実には、与えた肥料が蓄えられています。

しかしその中で、肥料の中の窒素が根から吸収されてから野菜に蓄積される硝酸態窒素 硝酸塩も内容としては同じとされています) は、多すぎると人間に弊害が起きる物質だと言われています。
EU諸国では早くから規制を設けている物質です。

この物質を摂り過ぎると、発ガン性物質であるニトロソアミンが発生すると言われています。

 

硝酸態窒素 ニトロソアミン
出典 食品安全委員会 加工して作成

 

EUでの基準は以下の通りとなっています。

 

硝酸態窒素 EUの基準
出典 TIFA 環境プロジェクト 加工して作成

 

また、スペインでは場合によっては乳幼児にはほうれん草を与えないように勧めているようです。

では実際に日本で売られている野菜には、どれぐらいの硝酸態窒素が含まれているかというと、こうなっているようです。

 

国産野菜中の硝酸態窒素含有濃度
出典 農林水産省

 

かなりの高い数値が出ていますね。

硝酸態窒素の名前は、1956年のアメリカで起きた「ブルーベビー事件」で一躍有名になりました。

早くから離乳食を与えるアメリカでは、ほうれん草の裏ごしを与えた生後3ヶ月過ぎの乳児が硝酸態窒素による中毒を起こし、多数の死者が出てしまいました。

日本ではどうかと言うと、「ブルーベビー症候群」のような事故は起きていないとしています。
しかし生後6か月未満の乳児の突然死の中には、硝酸態窒素が原因だったとするものがあると言う専門家もいるようです。

 

過剰な肥料の与えすぎは健康を損ねる結果となるかもしれません。また、環境汚染にもどう影響が出るかわかりません。
しかしそれでも野菜に含まれるビタミンCや、ポリフェノールをはじめとする抗酸化物質が多い野菜は、ニトロソ化合物への変換が妨げられるため、やはり健康のために野菜は良いという意見もたくさんあります。

硝酸態窒素についてはまだまだ奥が深く、野菜の種類も多いですから、研究もこれからといったところでしょうか。

 

色とりどりの野菜

 

それにしても野菜でも家畜でも、過剰な肥料や飼料の与えすぎは良くないように個人的には思います。化学肥料だけが悪いのではなく、有機肥料を使ったものも全て含め、肥料の与えすぎで危険性が伴う可能性は否定できないのです。

生産者の皆さんには見た目ばかり大きくキレイな野菜ではなく、健康的な野菜を作って貰いたいですね。

またそれには私たち消費者が、そういう野菜を選択するという形で応援することも非常に大切です。

 

健康的な野菜の選び方、健康かどうかの見分け方

 

私たち消費者が健康的な野菜を選ぶポイントがまとめられていたのでご紹介します。

 

避けたい野菜 健康的な野菜の選び方 選ぶ基準
出典 TIFA 環境プロジェクト

 

*季節の旬の野菜を選ぶこと

*色の濃い野菜より色の薄い野菜の方が良い。
(例えば、ほうれん草で肥料の多すぎるほうれん草はゆでた時に、ゆで汁が緑色になる。しかし、適量な肥料のほうれん草はゆでる前は薄い色なのに茹でたら濃い色となるなど)

*健康的な野菜には農薬を使わなくても虫がつかない。虫食いだからいい野菜とは言えない。

*健康的ではない野菜は、冷蔵庫に入れても時間が経てば腐っていく。健康な野菜は時間が経てば枯れていく。

 

安全な食材を扱う安全農産でも同じように以前教えて頂いたことがあります。
野菜を購入する時のひとつの参考になるかと思います。