近年抗菌・防カビの製品は大流行しています。衣料品から始まったであろうこれらの抗菌・防カビ製品はありとあらゆるものに使われている状況です。
毎日調理で使うまな板も抗菌加工されているものが目につきます。

抗菌 まな板

抗菌・防カビは一見すると衛生的で良い物のように思われがちですが、危険性が伴うものも少なくありません。

抗菌加工されたポリエチレン製まな板

ホームセンターでも百貨店でもポリエチレン製のまな板は、抗菌されていないものを探す方が難しいほど抗菌加工が施されています。
調理器具は衛生的であってほしいものです。抗菌したくなる気持ちもよく分かります。

抗菌と書かれているまな板を見てみました。

抗菌まな板 

どんな抗菌剤が使われているのか品質表示も確認してみます。

抗菌まな板 品質表示 1

原料の樹脂や耐熱温度が書かれていますが、使っている薬剤の表示はありません。



抗菌の薬剤を電話で問い合わせ

どんな薬剤が使われているか、電話で問い合わせてみることにしました。
電話の先は一般的なお客様相談室です。

結論から言うと、「この商品は下請けの会社に作らせているものでこちらでは分かりませんが、危険なものではありません。」という回答でした。

なんともお粗末な回答でしたので、最近よく見かけるAg+と書かれた別の抗菌まな板のメーカーにも訊いてみることにしました。
Ag+ですから何らかの形でが使われているのでしょうか。表にはAg+と書かれていましたが、やはり品質表示には薬剤としての銀の表示はありません。

抗菌まな板 品質表示 2

お客様相談窓口は男性社員の声でした。

私の質問は
「抗菌まな板についてお尋ねします。
Ag+と書かれているので銀イオンに間違いないと思うのですが、どのようにして抗菌しているのか、またこの銀がどのぐらいのレベルで表面に出てくることがあるのか、またはないのか教えて下さい。」
という2点です。

「こちらのまな板は製品自体に抗菌成分を練りこんだ製品でございます。
実はこの製品は私共で製造しているのではありません。下請けに依頼して作らせているものですから、そちらの担当者に訊いて折り返しお返事させて貰って構わないでしょうか。」

という事で、後程電話がありました。

「担当者が席を外しておりまして、詳しい濃度的なことは分からないのですが、SIAAの基準を満たしており、安全性に問題はありません。
ただしご家族様が銀アレルギーをお持ちだという事で(姑が銀アレルギーなのでそのようにお伝えしました)銀アレルギーをお持ちの方には製品のご使用はお控えいただく方が良いと、製造メーカーからの回答でした。」

という事でした。

銀アレルギーの人は避けるほうが無難

抗菌まな板に使われている抗菌剤としての亜鉛は、表面に出てくる濃度はPPbレベルなので危険性はないというのが製造メーカーの回答です。

製造メーカー側も何か問題になってもいけないというのが一番なのでしょうが、銀アレルギーの方は使用を控えるようにとのことですのでアレルギーの人は注意すべきでしょう。

不器用なのか私はポリエチレン製のまな板は滑りやすく、包丁で手を切りそうなので木製のまな板を使っています。
ポリエチレン製でも木製でも、ばい菌が気になるなら熱湯をかけるか、日光消毒すれば殺菌できます。

アレルギーはいつどのきっかけで発症するか全く予想はつきませんし、アレルゲンにならない木製まな板を選択するのもひとつなのかも知れません。