台所用の漂白剤は久しく使っていません。以前は茶渋を取ったり布巾の漂白に使っていましたが、いつの間にか使わなくなった日用品のひとつです。

漂白剤

素手で触った時にいくら流水で洗ってもヌルヌルする感じと、塩素の匂いで頭が痛くなっていたことを思い出します。詳しく調べて使わないようになったのではなく、匂いで気分が悪くなるので使えなくなったものです。

実際の中身は何で出来ているのでしょうか。
どこがどのように体に良くないのか、あるいは悪くはないのか調べてみました。

どこにでも売られている有名メーカーの台所用の漂白剤です。成分表示に書いてある成分を見てみます。

台所用漂白剤原材料

品名 台所用漂白剤
成分 次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)、界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)、水酸化ナトリウム
液性 アルカリ性

取り扱いに要注意の成分

次亜塩素酸ナトリウムは一般的によく使われる物質です。次亜塩素酸ソーダと呼ばれたりさらし粉と呼ばれたりします。

さらし粉と言えば分かりやすいかと思いますが、いわゆるプールに使われるように殺菌、消毒を目的として多く使用されます。
殺菌、消毒には使いやすい物質なのでしょうが、取扱いには手袋や保護マスク、ゴーグルを使うなどの十分な対策が必要です。ということはそれだけ危険という事ではないでしょうか。しかし台所で使う時にゴーグルなどを使用する人は居ないと思います。

また漂白剤は塩素系なのでトリハロメタンなどの有害な有機塩素化合物類が発生したり、酸と反応すると有毒な塩素ガスが発生することもあります。

次亜塩素酸ナトリウム
出典 国際化学物質安全性カード 加工して作成

家庭で扱う分にはなかなかないと思いますが、しかし実際に爆発事故まで起こっています。

次亜塩素酸Na(次亜塩素酸ナトリウム) 爆発事故
参考:Wikipedia 加工して作成



皮膚を通して体に吸収される成分

アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムは陰イオン系の界面活性剤です。「高級アルコール系」という系列になりますが、「良い」というイメージの「高級」ではありません。
単に学術的に化学式で炭素の数が多いものを高級、少ないものを低級と言うだけで、安全だとか品質が良いという事ではありません。

合成の界面活性剤は、使用するとその成分が皮膚を通して体に侵入することが明らかとなっています。
(詳しくはこちらの記事へ↓
ひび割れは健康障害!?細胞破壊の合成界面活性剤ー台所洗剤編

これを経皮吸収と言います。
何らかの成分が皮膚を通して体内に浸透するこの性質は、湿布や塗り薬やニコチンパッチなど医療でも多く活用されています。多くの化学物質は分子量が非常に小さい為、簡単に皮膚から体の中に入ってくるのです。

経皮吸収する有害成分

アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムが経皮吸収された時、体の中でどのように作用するのか心配する声も上がっています。
(経皮吸収について詳しくはこちらの記事へ↓
経皮吸収ってなに?日用品や化粧品が肌から浸透してるの!?

環境に絶対流してはいけない成分

水酸化ナトリウムは危険性の高い物質です。国際化学物質安全性カードによると、

水酸化ナトリウム (1)
出典 国際化学物質安全性カード 加工して作成

爆発の危険性がある。
腹痛、口や喉の熱傷、咽喉や胸の灼熱感、吐き気、嘔吐、ショック/虚脱。

水酸化ナトリウム (3)
出典 国際化学物質安全性カード 加工して作成

医療機関にただちに連絡する、とあります。
さらによくよく見てみると、

水酸化ナトリウム (2)
出典 国際化学物質安全性カード 加工して作成

「この物質を環境中に放出してはならない」とあります。

太字でしっかり書かれていますが、台所用の漂白剤は使ったら排水口に流します。
「残留分を注意深く集め、安全な場所に移す」と言っても、一体どこに移したら良いと言うのでしょうか。

確かにパッケージには必ず「混ぜるな危険」など危険を促す文言が書かれていますが、それほどまでに危険だと誰が認識しているでしょう。

混ぜるな危険

酸素系の物と一緒に使うと非常に危険だと、もっと強く書かれていてもおかしくないと思います。

まな板、スポンジの消毒は太陽の恵みで

布巾やまな板の消毒は、熱湯消毒か日光消毒で十分ではないでしょうか?

青い空と太陽

私は台所のスポンジもいつもふたつ用意し、毎日のように交互に日光消毒しています。
太陽の恩恵で消毒できると完全なエコですし、怖い化学物質を川や海に流さないので、魚や微生物を守る事にもなります。

ちょっと匂いを嗅いだだけでも嫌な感じのする漂白剤は、その内容は想像以上に怖いものです。地球環境をこれ以上悪化させないためにも、危険な漂白剤は避けるようにしたいですね。