多くの母親と同じように、子供が小さい時から食事には気を遣ってきたつもりです。それでも子供は風邪をひき、熱も出ますし、膝を擦りむいたり小さな傷も絶えません。
細心の注意を払ってきたつもりですが、たった二人しかいない子供がそれぞれ「虫垂炎」と診断された時はかなりのショックでした。

中学生の息子が虫垂炎に

息子は中学2~3年の頃にお腹が痛いと言い出し、内科で受診したところ
「間違いなく虫垂炎ですね」
「一応念の為に血液検査をしますから、その結果で外科を紹介しますので手術を受けて下さい」
と典型的な流れになってしまいました。

何が原因なんだろうと考えました。
息子は小さい時から野菜が苦手でお肉ばかり食べたがりました。特に生の野菜は大の苦手でした。好きなものは味の濃いものや肉類、チーズが使われるような洋食系も好物でした。そして大食漢でもありました。
恐らくは好き嫌いが多く、偏った食事が良くなかったのだと思います。かなりの大食いもいけなかったと思います。

おかわり

しかし、偏った食事であっても皆が虫垂炎になるとは限りません。人それぞれ体質も違いますし、持って生まれたキャパがあるからです。そして息子の偏食と大食いは、中学生の頃にキャパをオーバーしたのでしょう。

虫垂炎と言われた詳しい年月日は忘れましたが、診断された曜日は覚えています。月曜日でした。

当時受診した病院で、「ヨーロッパでは虫垂炎は月曜日になる病気と言われている」と面白いことを教えて貰ったからです。ヨーロッパでは週末の土日にたらふく御馳走を食べ、それが腸に負担となり虫垂に炎症が起きて、月曜日に病院に行くことになるからだと言われるからだと教えて貰いました。まさしく息子はそのまんまでしたね。



虫垂炎の時に実行した事

血液検査の結果が出るのは最低でも2~3日はかかります。その間に家でしたのは、炎症を抑える食事です。

かねてより「食養」も勉強していたので、中学生の息子に
「虫垂炎で手術をするほうが良いか、手術をしなくて治す方が良いか」と問うと、もちろん手術はしたくないと言います。

「それなら、治してあげるからお父さんお母さんの言う事を聞く?」と問うと、「言う事を聞く」と答えました。

御馳走を食べ過ぎて炎症が起きるのであれば、その逆をすれば回復する可能性があります。
盲腸炎のようにもっと広い範囲での炎症なら、家庭療法での回復はまず難しいでしょう。しかし虫垂炎と診断されたばかりなら、自分の知っている事をやってみる価値は十分にあります。次回の血液検査の結果を聞くまでは自宅療養ですから、その間に試してみることにしました。

体の排毒

まずひとつは息子のその時の状態に合わせ、体に負担がかかり排出できなかったものを外に出すという方法です。
それは体質に合わせて皮膚から排毒するという、中部ホリスティック医学協会会員の「長谷部式健康会」で行っている方法です。2回は行ったと記憶しています。

詳しくは長谷部式健康会のホームページをご覧ください。
長谷部式健康会

あとは徹底して「食養」を実践しました。

徹底した食養、食べ方・食材について

やったことは実に単純です。
虫垂炎という「炎症」が起きているので、熱くなった体を冷やす食材を選んで食べさせること。それも何度もよく噛んで、消化の良いようにします。
また、食事の量を腹八分目どころか腹六分目ぐらいにしました。

食養として行ったことはこの2つだけです。
食材は血液を汚しにくいものを選びました。

具体的には下記の表にある、真ん中から左側の食材です。(画像クリックで大きくなります)
味付けは薄くし、腹六分目ぐらいにゆっくりよく噛んで食べさせます。

陰陽表写真
出典 排毒健康法のすすめ-長谷部式健康会-

表の左に行くほど体を冷やすもので、右に行くほど温めるものです。

よく使ったものと言えば、土の上に出来る野菜類全般ですね。
根菜の中では、ジャガイモ
果物、キノコ類、わかめなどの海藻類、豆腐。

反対に食べてはいけないものは、

肉類、魚介類、卵、油の多い食品。
味付けの濃いもの塩辛いもの。

主食のご飯もほんの少しにしました。
少しぐらいなら食べても構わないタンパク質と言えば、白身の魚ぐらいでしょうか。
豆腐はどんどん食べさせました。

メニューについて

メニューとしては、

菜っ葉のお浸し
冷ややっこ
酢の物
サラダ(ドレッシングはかけすぎない)
フルーツ(冷えすぎるかも知れないので食べすぎに注意)

等を徹底しました。

※お腹が痛くてたまらないようなら、痛む部分に豆腐をすりつぶして水気を切った「豆腐パスター」をガーゼなどに包んで湿布のようにすると更に効果的です。外からも虫垂の炎症を取り除いてくれます。(息子の場合は必要なかったですけど…)

少ない食事で、かつ息子が嫌いだった野菜ばかりの食事でしたけど、よほど手術が怖かったのかきちんと言いつけを守り、血液検査の結果を聞くころには殆どお腹も痛くなくなって「確かに虫垂炎なんだが、少し様子をみましょう」と言われました。

その後その食事をしばらく続け、やがて完治しました。

必要のない臓器なんてない

可笑しかったのは当時息子はバレー部に所属しており、2週間後ぐらいにバレーの試合があったのです。
虫垂炎だと顧問の先生に伝えていましたが、クラブに迷惑が掛かってはいけないと、「試合に出ます!」と言ったら「大丈夫なのか?」と心配されたそうです。結果試合には出ましたけどね。勝ったか負けたかは忘れてしまいましたけど^^;

この病気のおかげで「野菜食べないとまた虫垂炎になるよ」と言われ続けた息子は、今ではたくさん野菜も食べるようになったので、結果良かったなと思います。
これまで食事に関してなかなか聞く耳を持ってくれなかった息子ですが、良い薬になったようです。

 

この頃はまだ研究も進んでおらず、虫垂炎になると「虫垂は必要のない臓器だから」と簡単に手術で切除することが一般的だったと思います。
でも人の体に必要のないものなんてあるはずがないのではと思っていました。

最近は虫垂は腸内のバランスや免疫に関わる重要な臓器であることが分かってきています。手術を選択せずに済んだことを、今ではほっとしています。

食養や家庭療法は、あくまでも自分の判断で試してみるものです。
虫垂炎かなと思ったら、先ずは医療機関を受診しましょう。

娘の虫垂炎の話は次回に続きます。



手術をしないで虫垂炎を治した自宅療養方法ー娘の闘病記録ー