お婆ちゃんの知恵袋、いわゆる昔ながらの民間療法で、これは確かに効き目があったと言うものを今回はご紹介したいと思います。
家庭医学、自然療法の第一人者とも言うべき東城百合子さんの本『家庭で出来る 自然療法』にも紹介されています。
芋パスター(里芋湿布)
打ち身、捻挫、関節炎などの時に知っておきたい方法です。
局所に熱があってそのせいで痛みがある場合、芋パスターが劇的に痛みを取ります(私は何度も経験しています)。
本来は里芋の皮を剝いてすりおろしたものを使うのが一番良いようです。
しかし里芋は年中あるわけではありませんし、かぶれる人もいますので、私はいつもじゃが芋を使います。
芋パスターの作り方
材料
じゃが芋
薄力粉
酢
薄手の布かガーゼ
洗ったじゃが芋は皮ごと擦り下ろします。水気の多いものは擦り下ろすと水分が出るので捨てます。
じゃが芋に少しお酢を垂らしたら、小麦粉を入れながらしゃもじで混ぜていきます。このじゃが芋のペーストが耳たぶぐらいのやわらかさになったらひとまず完成です。
芋パスターの使い方
例えば足首を捻挫したとします。作ったペーストを布かガーゼに1㎝程度の厚みに塗り、捻挫した足首に貼り付けます。
ここで実際にされた方はびっくりするでしょう。貼った瞬間から痛みが引いていきます!
捻挫でしたら始めは患部の熱も高いため、30分もすれば芋パスターは水分が蒸発してカチカチになってしまいます。するとまた痛みが出てきますので、新しいものと交換します。
おおよそじゃが芋ひとつで2枚分の芋パスターが作れるので、交換用も最初から作っておき、冷蔵庫に入れておくと便利でしょう。
患部の熱が取れてくると痛みも治まりますが、しばらくすると貼っている芋パスターは変な匂いがしてきます。(腐ってきます)自然の食材ですから当たり前のことですね。
はじめは患部が熱いので腐る前に乾燥しますが、熱が取れてくると(患部が治ってくると)芋パスターは腐ってくるのです。
東城百合子さんの本では生姜も使ってますが、私は生姜抜きで作ります。(生姜の刺激が結構あるからです)
出典 家庭で出来る自然療法 誰でも出来る食事と手当法【改訂版】/東城百合子 加工して作成
更に強力な豆腐パスター
熱を取るという事なら、もっと強力なものは「豆腐パスター」です。
打ち身、捻挫、関節炎などにももちろんですが、風邪をひいて熱が出ているときにおでこを冷やすとか、急性の肺炎(子供は掛かりやすいですよね)の時に胸に貼るのに最適です。
豆腐パスターの作り方
絹ごし豆腐ではなく水分の少ない木綿豆腐を使います。
水気を切った木綿豆腐をしゃもじで潰し、小麦粉で豆腐の水分が垂れない程度に練ります。
それを先ほどの「芋パスター」同様、布に暑さ1~2㎝に伸ばして熱のある所に貼ります。
こちらも生の豆腐がベースですから30分もすれば豆腐は温かくなり、腐ってきて効果がなくなってしまいます。そうなると新しいものと交換すれば良いでしょう。
東城百合子さんの本ではこちらにも生姜を使っていますが、私は入れたことはありません。肌が弱いため、生姜を入れるとピリピリしたりするからです。
出典 家庭で出来る自然療法 誰でも出来る食事と手当法【改訂版】/東城百合子 加工して作成
近年はおでこに貼る熱取りのシートも売られていますが、お婆ちゃんの知恵袋のパスターはそれを上回る強力さがあると思います。
家庭にある材料ばかりで、添加剤などの不要な成分の心配もありません。
家庭療法の注意点
ここでひとつ注意点があります。
それは使うジャガイモや豆腐が、スーパーの特売の品物では効果が期待できないかも知れないという事です。
東城百合子さんの本には様々な家庭療法が載っていますが、本の表紙を見ても分かるように昔からの療法で、当時のジャガイモや豆腐が使われています。
家庭で出来る自然療法 誰でも出来る食事と手当法【改訂版】/東城百合子
じゃがいもや豆腐を使うこの方法は、食材の持つ力で体の中の炎症を取る療法です。
それが、放射線をかけられたジャガイモや消泡剤が含まれ遺伝子組み換え大豆で作られた豆腐では、食材自体の本来持っている力が少なくなっている可能性も否定できないと思います。
実践する際は昔ながらの製法で作られた食材でお試しください。
もちろん、捻挫等けがをしたときは外科の診断を受け、熱が出た時は内科の診療を受けることもお忘れなく。