前回記事(太陽熱を最大限に利用すれば、お湯や料理もエコに作れる)の続きです。

「太陽熱で温水を作る、料理をする」というワークショップに参加してきました。しかしそれがただ単に「そんな事が出来る」と言うだけの単純なものではなく、地球を救える可能性を秘めた素晴らしい内容だったので、続けてお話したいと思います。

前回記事にしましたが、太陽エネルギーだけでお湯を沸かしたり調理したりといった体験をさせて貰いました。それは技術者である福寿氏がどうしても未来の子供たちに残したい、いえ、伝えねばならない技術だったのです。

自分だけではなく周りを想うということ

福寿さんが引退後にこの活動を始めたきっかけは明石高専の恩師の先生の言葉だったそうです。

現役時代に大きなプロジェクトに関わり多くの功績を残してこられました。
しかしこの恩師の「物を作っただけで自己満足せずに、自分の技術を後世に残し、後輩の支援に回らなばならない」と言われた事にハッとして気持ちが突き動かされたそうです。

枯渇するエネルギーと、世界の電力を全て賄える太陽エネルギー

日本でも海外でも多くのエネルギーが石油や石炭、天然ガス、原子力で賄われています。
しかしそのどれもが枯渇するエネルギーであることを意識して使っている人は、どのくらい居るでしょうか。

調べた年度で若干違ってはきますが、石油は42年、石炭は122年、天然ガスが60年、原子力発電の原料ウランは100年で使い切ってしまうと言われています。

今現在でも経済は石油価格に左右されています。石油が少なくなってきたらどんなことが起きるでしょうか。
世界でエネルギーの奪い合いになるかもしれません。物価が上がりはしないでしょうか。暴動は起きないでしょうか。
どんなことが起こるのか、あまり想像したくありませんね。

それがもし仮に太陽エネルギーを活用するのであれば、世界中の電力を全て賄うことができると言うのです。

あとは設置するだけ!温暖化の心配のないエネルギー

下の地図はアフリカの北部、アルジェリアやリビア、エジプトのあたりです。
太陽のエネルギーを利用した新型太陽熱ボイラーをどれ位設置できると、どれだけの電力が賄えるかを赤い四角で表しています。

面積で言うと一番右の小さな四角い部分の面積があればドイツ全土、真ん中の四角の部分あればEU全土、大きな四角の部分あれば、世界中の電力が賄えます。

世界中のエネルギーを賄うためにどこに太陽熱ボイラーを設置すれば良いのかということも、すでに世界の研究者や技術職の意見は一致しているのだそうです。

それでは肝心の太陽の寿命はどれほどあるのでしょうか。石油のようにすぐに無くなったりしないでしょうか。

天文学者の計算によると、たった10億年しか持たないと言います。
しかし天文学者以外の人はきっと「そんなに長い期間あるの?」と思うことでしょう。10億年もあれば、大体の人は十分だと考えるのではないかと思います。

太陽エネルギーの利点は地球温暖化の心配がないことです。
原子力発電のように事故が起きる危険性もありません。
全くクリーンで安全で、10億年も使えるエネルギーなのです。



太陽熱ボイラーは地球を救う

もし世界中の国々が一致団結してクリーンで長く使えるエネルギーに切り替える選択をしたならば、将来長きにわたり地球は素晴らしい環境になるに違いありません。

福寿氏はじめ協力されている方たちは、今スポンサーも特になく自腹で活動されています。

もしクリーンで未来の地球を守るこのプロジェクトに賛同いただける方、協力して下さる方、この太陽熱ボイラーを設置して下さる方が出てきてくれると嬉しく思います。
このボイラーの持つ意味を理解し、福寿氏の技術を生かして下さる方も出てきてくれたらと思います。

最後にこの技術を等身大で提供してこられた福寿氏と協力者の方々による、新型ボイラーを使っての海外でのボランティアの内容をお伝えします。

アフリカ南部のマラウイでは毎日のように乳幼児が亡くなっています。その原因は衛生的ではない飲料水です。飲料水の中に病原菌がいるためです。

そこで線上集光式の機械で飲料水を沸騰消毒し、乳幼児の病気を防ぎました。

またインドの貧困な地域では、調理をする為の燃料を買うお金が工面できない人々がいます。そのお金を得るために小さな子供は、物乞いをし朝から晩まで働きます。

それを解決できるのは、電気もガスも石炭も使わずに太陽のエネルギーでお湯を沸かし調理をする福寿さんの技術でした。インドに装置を一台寄付し、その地方では子供たちは物乞いに行かなくて済むようになりました。

これはほんの一部です。
地球を救う太陽熱ボイラー、どうか良い方向に発展することを心から願っています。