最近海外から日本を訪れる旅行者が増えています。
2015年11月の時点で41%増の164万8千人が日本を訪れています。

一番旅行者が多いのは韓国、僅差で中国が続きます。
海外の方が日本に金を落としてくれるのは日本経済にとっては良いことですが、習慣の違いなのか、様々な問題も起こっています。

先日行った奈良の東大寺でも目に余る行動をされる観光客を何人かお見かけしました。
これまで食や日用品の添加物について当ブログでは色々と書かせてもらってきましたが、ちょっと色々と思うことがありましたので、今回はマナーについて私が思ったことを書いてみようと思います。

海外の旅行客の多い奈良の大仏殿

「奈良の大仏さん」と言えば誰でもご存知ですね。東大寺は私にとって、もう何度も訪れた馴染みのあるお寺です。

奈良、東大寺

大きすぎて写真に収まりきりません。この日は天気も良くて絶好の行楽日和でした。
久しぶりに行ってみるとあちらこちらで中国語や韓国語、タイかベトナムの言語のような話し声も聞こえます。半袖姿の白人の方も結構いました。海外からの観光客が目立ちますね。

大仏殿に入ればいつもの大仏様。

奈良、東大寺の大仏

奈良の大仏様は世界最大の木造軸組建築なんだそうです。
その高さは15mもあり重さは約250t。(誰がどうやって量ったんでしょう?)
そして大仏様の鼻の穴と同じ大きさの柱の穴をくぐるとご利益があるなどと言われています。

そんなありがたい場所ですが、この建物のあちらこちらに中国語で「出入口の階段で座ったり飲食は禁止です。」とか、「階段付近で集団での写真撮影はご遠慮ください。」と張り紙が貼ってあります。

が、張り紙を読んでいないのか、まるっきり無視です。
中国語を話せない私には注意することも出来ません。



ここ奈良県だけではなく、去年「爆買い」でも有名になった中国人のマナーの悪さは、日本中のあちらこちらで見受けられます。

国民性の違いでしょうか。
大きな声で話す、トイレではないところで用を足す、ところかまわず飲食をする、どこでもゴミを捨てる、入ってはいけないところに入る、壊す(京都の寺の庭とか、木の上に乗って記念撮影するとか)持ち帰ってはいけないものを持っていく。(これはもう泥棒ですよね)

昨今急に豊かになりお金を持った中国人は、日本に限らず世界中で好き放題の旅行をしているようです。
在日中国人のインタビューでは「まだまだ教育が行き届いていない中国人が日本(や世界各国)に来ては、悪いと分からずに悪行をしている」と言っていました。

もちろん全ての旅行者がそうではありませんが、実際にそんな現場を見てしまうとちょっとうんざりしてしまいますよね。しかしかつて中国に行き来して仕事をしていた経験がある私は、これらの問題行動は、中国人にとって全く普通のことだとも感じています。

中国政府に働きかけてもなかなかすぐには直らない事でしょう。
せめて旅行を企画する会社は訪れる先の国のマナーを徹底して教えたりするなど、観光地への配慮があると良いのにと思います。(そういう旅行会社も出てきているようですが、まだ浸透はしていないのが現状のようです)

鹿に体に悪いものを与えないで!

大仏殿を出た所の奈良公園はニホンジカがたくさんいることで有名です。
国の天然記念物に指定されているこの鹿たちは、約1200頭ほどいるようです。どの鹿も観光客に慣れており、とてもおとなしい鹿たちです。

鹿の餌は主に公園内の芝生などの野生の草ですが、鹿に食べさせても良い米糠と小麦で出来た鹿せんべい(150円)も売られています。
これも奈良公園に行くたびに買い、鹿にあげるのはうちのお決まりです。

奈良、東大寺の鹿

ここの鹿はおとなしいので餌をあげて顔を撫でてもだいたい嫌がったりしません。動物大好きなもので、どの鹿もほっぺたを撫でたくなります。

そうこうしていて鹿せんべいってどんな味なのかと気になり、こっそり齧ってみました。
人のおやつのような余分な甘味は使われていませんし、結局米糠の味しかしませんでしたね。でも鹿にとっては美味しいおやつなんでしょう。

しかしこれ以外の、鹿が本来食べるはずのない物を与えている人がいるようです。



鹿の胃に5㎏もの異物

今回は見かけませんでしたが、海外からの旅行者が鹿に与えてはいけないものをあげている事が問題になっています。テレビで放映していたものはやはり中国人観光客でした。

それは土産物の包み紙だったり、ビニール袋、紐やおやつそのもの。
お土産の包み紙を鹿に食べさせている中国人観光客に注意をしても「鹿が紙を喜んで食べるからあげてるのよ。あなたお腹空いてるのね」と悪気は全くない返事だったとニュースは報道します。

ニュースでは一頭の鹿の胃袋から、消化できない物が5㎏も出てきたと言っていました。

実際に鹿せんべいを売っているお店の店主さんに聞いたところ、ビニールを食べさせるの事が一番いけないと言っていました。
そして驚いたのは、白内障の鹿が増えていると聞いたことでした。鹿の白内障なんて聞いたのは初めてです。人間のおやつを与える加減か、糖分がいけないのか…とにかくおやつのせいであろうということでした。

奈良の鹿

人間と違って鹿は、一旦口の中に入れたものを吐き出す事が上手く出来ません。
基本的に口に入れたものは食べ物として認知するそうです。一旦口に入れてしまうと、飲み込むしかないのです。

鹿は食べ物を反芻する動物です。(牛も一緒ですね)ビニールなどの食べ物でないものを与えると、胃の中に残ってしまい反芻出来ません。途中で引っかかることもあるそうです。

ましてや人間の食べる土産物のお饅頭やケーキなどを与えると、カロリーも多すぎる上、もともと鹿の食べ物ではないですから、病気になって当たり前だと言います。(この辺りは天王寺動物園の飼育係の方に電話で確認しました。お忙しいのに丁寧に教えて戴きました。)

鹿が何でも口にするからと言って、紙を食べるからと言って、鹿の食べ物ではないものは決して与えないでください。

行く先々の国の風習やマナーを調べてから旅行するのも立派なおもいやりです。
それには政府も旅行会社も利益優先だけではなく、本当の意味の豊かさとは何かを考えなければいけません。
どこの観光地でも皆がマナーを守り、観光客も地元の人も、楽しく気持ちよく過ごせるようにしたいですね。