このブログでは何度となく取り上げている「一括表示」ですが、これは加工食品において複数の添加物をひとまとめに表示させるというものです。

一見したところ一つの名前で表示されているため、「添加物が少なそう」という印象になります。しかし実際はその中に複数の添加物が含まれているため、思っている以上に多くの添加物を摂取することになります。
私たち消費者には、何がどれだけ入っているのか分からないため厄介です。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

消費者としてはこれだけでも納得しがたいものですが、添加物についての疑問点は一括表示だけではありません。生産過程で使っていても、あるいは製品に入れていても、それらは表示しなくて良いと認められている添加物もあるのです。

表示を免除されてる添加物

本来加工食品は、添加物も含めて原材料をすべて表示することになっています。
なのに添加物を表示しないってどういう事なのでしょう。表示がなければ全く分からないですよね。

実は食品衛生法において、表示免除と認められるケースは5つあるのです。

① 加工助剤
② キャリーオーバー
③栄養補助剤
④ ばら売りおよび店内で製造・販売するもの
⑤ パッケージが小さいもの

聞き慣れない言葉もありますが、この5つの項目に当てはまるものは食品衛生法で表示免除、すなわち添加物を表示しなくて良いことになっています。
これらについて、順を追って調べてみましょう。



加工助剤

加工助剤とは加工食品を作る時に使用した添加物で、完成時に除去されているか中和されていると見なされるものは表示しなくて良いというものです。

加工助剤
出典 厚生労働省 加工して作成

たとえばミカンの缶詰は加工の工程で、皮を剥く際に塩酸苛性ソーダを使います。(塩酸は毒物及び劇物取締法により劇物に指定されているものです)
このふたつは中和されるという理由で表示の義務はありません。しかし中和しているとは言っても薬品自体が残っていないのかが気がかりです。
(詳しくはこちらの記事へ↓
衝撃!みかんの缶詰、つぶつぶオレンジに劇薬が使われている

また食用油はヘキサンという化学物質で油を分離して取る方法が主流になっています。
このヘキサンも揮発性なので、油には残っていないという理由で表示はされません。

こういったものが加工助剤です。

加工助剤についてより詳しくはこちらの記事へ↓
加工助剤とは?なかったことにされる添加物たち

キャリーオーバー

キャリーオーバーとは、材料に元々含まれている添加物は表示しなくて良いというものです。

キャリーオーバー
出典 厚生労働省 加工して作成

例えば焼き肉のたれやポン酢などの原材料として醤油が入っているとします。
この醤油が有害な添加物など入れずに作られた醤油なら何も問題はありません。しかし安く大量に作られた醤油には、醤油自体に多くの添加物が入っています。
(詳しくはこちらの記事へ↓
危険な塩酸を使えば1リットル100円以下の激安醤油が完成

添加物が含まれているこの醤油を材料として焼き肉のたれやポン酢を作ったとしても、原材料表示には「醤油」と書けば良いだけです。
醤油の中身に何が入っているかまでは表示されず消費者には分かりません。

キャリーオーバーは酸味料化学調味料、乳化剤酸化防止剤など、思っているよりも多く存在しています。

キャリーオーバーについてより詳しくはこちらの記事へ↓
キャリーオーバーとは?表示を免除される成分たち

栄養補助剤

栄養強化の目的で入れられているビタミン、ミネラル、アミノ酸も表示をしなくて良いことになっています。

栄養補助剤
出典 厚生労働省 加工して作成

ばら売りおよび店内で製造・販売するもの

バラ売りの食品や加工食品は添加物の表示が不要です。
パン屋さんのパンや持ち帰り弁当、レストランのメニュー、スーパーの総菜や切り売りの魚などもこれに該当します。

パッケージが小さいもの

駄菓子などの小さなお菓子など一口サイズの食品は、商品自体の大きさが小さすぎるため原材料を表示しなくて良い事になっています。

表示するスペースがないので当然かもしれません。
が、主要なものだけ表示すれば良いので、逆に言えば何でも入れることができるということです。

「法に基づいた表示」→万が一でも自己責任

こうやって見ていくと、消費者側には選択の余地がありません。表示されていないのですからどんなに気を付けてもどうしようもありません。
もしも危険な添加物が入っていたらどうするの?と思いますよね。

しかし、メーカー側はきちんと法律や基準に従って製品を作ってくれています。食品衛生法に基づいて作り、基準に従った表示をしているわけです。
つまりメーカーはこれを違反しない限り、何かの責任を負うということはありません。

もしも添加物などの影響で病気になったとしても

「食品衛生法に従って作っています。基準に従って成分を表示しています。何も悪いことはしていません」

と言えますよね。つまり、

「基準に従ってという制限付ではありますが、隠しているわけでもなくきちんと表示をしているので、それをわかって選んだあなたに全責任がありますよ」

ということになるんですね。

購入時に表示を見ていようが見ていまいが、法に基づいた表示をしていることで何か不都合があっても言い逃れができるわけです。(表示を見たところで見慣れないカタカナが多すぎて、消費者にとってはわけがわからないというのが実際のところですが)

消費者にとって、非常に厳しい法律だと感じます。

消費者にはわからない表示免除の添加物

これは食品だけでなく日用品にも言えます。
法に従って添加物を使い、その成分も法に従って表示しているんだから、それをわかって選んだあなたに全責任がある、となります。
私たちは法律に振り回されないよう、自分と家族を守っていくしかありません。

何か製品を購入する時は成分表示を確かめた上で安全なものを買うしかありません。
しかし表示されていないものがあるとなると、どんなに表示を確認しても100%安全とは言い切れない場合が出てきますよね。

そういったリスクを下げるためには、安全な商品を取り扱っているメーカーから商品を選んでいくしかありません。生産者を信頼するしかないのです。

安全な商品を取り扱ったメーカーや団体は全国にたくさんあります。
そんなところから、日々食べるものや使うものを選ばれてはいかがでしょうか。日用品なら個人的にはこちらがおすすめです。

MODERE

食品のおすすめのお店はこちらにまとめました。

安全な製品を扱うお店

他にもたくさんありますので、ぜひ信頼できるメーカーさんを見つけてください。