メイク用品でも日用品でも、「薬用」と書かれているものはちょっと心が惹かれます。良い成分が入っているに違いない。きっと体に良い作用があるはずだと期待しますよね。
実際のところはどうなのでしょうか?

薬用=殺菌成分=危険成分

薬用と書かれているものは、医薬部外品とも書かれています。
医薬部外品は薬事法の中で、肌に触れるもので薬と普通のものの中間的な立場のものを指します。薬までの効果はないけど、少し体に良い成分があると解釈しても良いでしょう。
デンタルケア用品、メイク用品ヘアカラー、生理用ナプキン等の製品に、この医薬部外品の表示ができます。

しかし、この医薬部外品の中身には疑問を感じるものもあります。
例えば薬用せっけんと書かれているハンドソープ。これも医薬部外品です。

手洗い

単に水だけで手を洗うよりも薬用と書かれている方が良いように感じるでしょう。
これが医薬部外品と表示されることになった薬用の成分はどんなものでしょうか。医薬部外品と表示されているのはなぜでしょうか。
メーカーに電話で問い合わせてみると、

「薬用と謳っているのは殺菌成分が入っているから」

という回答でした。

言われている殺菌成分のトリクロサンは確かに殺菌剤でしたが、表示指定成分でもあります。
表示指定成分とは、皮膚のトラブルや癌になるとの報告があった危険な成分のことです。

昔はこの表示指定成分だけを製品に表示するスタイルでしたが、今は全成分を表示するようになりました。おかげでパッケージにはたくさんの化学物質名がずらりと並び、どれが危険な表示指定成分でどれが危なくない成分なのか分かりにくくなっています。

全成分表示
(表示指定成分について詳しくはこちらの記事へ↓
表示指定成分って何?医薬部外品に書かれる成分とは?

例に挙げているハンドソープは「殺菌成分でもあり、危険な表示指定成分でもあるトリクロサンが入っているから」という理由で薬用と謳い、医薬部外品と表示されているのです。

体に有害でも薬用と謳う。

なんだか矛盾していませんか?
これが許される法律ってどうなのでしょう。



石鹸成分がない石鹸

危険な成分はまだまだあります。調べただけでも、

ラウリル硫酸ナトリウム、エデト酸塩、プロピレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、香料、赤202、黄203…
これらは全て表示指定成分です。体に悪い成分をこれほど入れて薬用とは驚きです。どうぞ病気のリスクを背負って下さいと言っているようなものではないでしょうか。

また表示で気になるのは、「せっけん」と言いながら石鹸の成分が見当たらないことです。メーカーは、薬用であり手を洗う商品だからせっけんで間違いないと言うのです。
屁理屈かもしれませんが、手を洗うということなら、ペンキ屋さんや車の塗装業の方はシンナーで手を洗います。それもせっけんと言うのでしょうか?

石鹸

石鹸は動植物の油脂に苛性ソーダと水で出来るもののはずですが、そういった成分は全く入っていません。これも電話でメーカーさんに確認しました。

「石鹸の成分は入っていますか?」
「薬用せっけんなので石鹸です」

成分が入っているかどうかを聞いたのに、これでは答えになっていませんね。
なので、再度聞いてみました。

「石鹸成分はどれですか?」
「お客様のおっしゃっている事が分かりません」

メーカーさんが成分のことがわからないってどういうことなのでしょうか。
最後にこんな質問もしてみました。

「では、いくつも表示指定成分が入っていますが間違いありませんか?」
「今は全成分表示になっています」
「・・・?」

表示指定成分(国が認めた危険な成分)が入っているということで間違いはないか?という問いには、普通だったら答えはイエスかノーですよね。それが「今は全成分表示(入っている成分を全て表示していること)です」とは、つまりどういうことなんでしょう?

パッケージにずらりと並んだ化学物質の中に表示指定成分があるかどうかは、消費者が自分で調べてくれということでしょうか。

医薬部外品 薬用 全成分表示

答えになっていませんし、会話が噛み合いませんでした。
せめて石鹸の成分ぐらいはこれとこれですと答えられるのではないかと思うのですが…とにかく石鹸が入っていなくてもせっけんと書けるということだけはわかりました。

 

体に悪い成分が入っていながら、体に良いイメージである「薬用」と表示できることや、私の考える石鹸成分が入っていないこと、そしてネーミングにも疑問が残ります。
パッケージに騙されず、きちんと成分を確かめて製品を選ばなければいけないと再度認識した出来事でした。(パッケージに書かれている言葉や写真はあくまでメーカー側がイメージで表現しているものなのです)

安全なおすすめせっけん

頻繁に使うものですからやはり安全なものを選びたいですね。
ちなみに我が家ではこちらの石鹸を使っています。痒みや乾燥のあるお肌にも低刺激で、姑にも好評です。

ボディバー

また、石けんは手作りもできます。
収穫と趣味さんで作り方が詳しく載っていたのでご参考にどうぞ。

石けんの作り方

参考図書
「美しくなりたい全ての女性へ 伝えたい化粧品の真実」 日本消費者連盟