前回はカロリー0が厳密にはカロリーが全くの0というわけではないという話と、カロリーカットの甘味料は魅力と危険性が表裏一体だというお話でした。
(詳しくは前回記事へ
カロリー0・オフは本当にカロリーがないのか?健康への影響はどうなる

甘味料

今回は危険のある甘味料アスパルテーム、スクラロースに続く、様々な製品に入っているアセスルファムKを見てみようかと思います。

合成甘味料のアセスルファムK

気がつけば結構色々な食品にアセスルファムKは使われています。ジュースやお菓子、ジャム類等の100品目以上の食品に使用されているものです。
代表的なものとしては、カロリーオフを謳った飲料水に使われることが多いようです。

アセスルファムK

砂糖代わりに使用する甘味料にも使われます。

アセスルファムK 2

アセスルファムKの影響

アセスルファムKの甘みは、砂糖の200倍に相当します。

 

アセスルファムカリウム 甘み
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 加工して作成

 

この物質の急性毒性試験によると、10000mg/㎏体重での強制投与では全例が死亡したとの結果が出ています。また運動の低下や、病変がはっきりと限定できない小腸壁の赤みが観察されました。

 

アセスルファムカリウム 安全性
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 加工して作成

 

結論としては「問題ない」とされていますが、リンパ球の減少や、好中球の増加なども見られています。

 

アセスルファムカリウム リンパ球の減少など
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 加工して作成

 

「本試験における無毒性量は・・・・・と考えられる」とあるように、決して「安全だ」とは言い切っていません。「無毒性量」という書き方からもわかりますが、アセスルファムKには毒性があるのですね。

動物実験は安全性を確かめるためのものではなく毒性があることを前提としたものであり、その毒が人間に対しどの程度の量なら害を与えないかを推測するためのものに過ぎません。

これらの合成甘味料は自然にあるものではありません。
体内で分解されずエネルギーにはならないために、カロリー0という表現が可能になるわけです。人では服用後7日間のうちにほぼ全量が排泄されると確認されています。

 

アセスルファムカリウム 排泄
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 加工して作成

 

動物を犠牲にしてまで人間に害のない量を計算しているわけですし、普通に生きている限り、急性毒となるほどの量をいきなり摂取するとは考えにくいです。

しかし添加物に対する体の反応には個人差があり、おそらく添加物が1種類ずつ体内に入ってくるということもありません。ひとつの食品に対し、複数の添加物が使われているのが一般的だからです。その複数の添加物が体内で合わさった時、どのような症状が起きてくるかは誰にもわからないのです。

ましてや(少量しか摂らないとしても)元々毒性があるとわかっている添加物なら、避けた方が無難かもしれません。



肝臓や脳へのストレス

砂糖などの甘いものが悪いのでは決してありません。
甘いものは脳にとっての大事な栄養素です。脳を動かすエネルギー源は糖なのです。糖がなければ、脳は活動できません。
甘い糖が悪いのではなく、度を超えて摂り過ぎることがいけないのです。

ダイエットがブームとなって久しいですが、先進国での肥満の原因は、運動不足にも拘らず過剰にエネルギーを摂取しているところにあります。
たいして体を動かしていないのに甘いものを食べたりお酒を飲んだり、油(脂)の多い食事を摂り過ぎています。

肥満男性 ドーナツ

だからと言ってカロリーの少ない生活をするのは現代人にとっては難しい事です。
そこで帳尻を合わそうとカロリーオフの製品に手が伸びることになるんですね。

人工甘味料のアセスルファムKは、体に吸収はされますが代謝されることはなくエネルギーに変えることはできません。
それだけでなく吸収されれば必ず一度は肝臓を通って解毒することとなり、肝臓に負担がかかります。その後に腎臓が働いて合成甘味料を体外に排出しなければなりません。

習慣的に人工甘味料を摂っていると、想像以上に体に負担がかかってしまうのです。

甘味料は昔からある安全なものを選ぼう

飲料水やお菓子、コーヒー紅茶に、こういった健康的とは言えないカロリーオフの人工甘味料を入れ、習慣的に摂り続けるのは不安が伴うかもしれません。

安全が分かっている甘味料を選択する方が賢明かもしれません。甘みが欲しい時は昔から使われている砂糖やはちみつ、メイプルシロップを使うのはいかがでしょうか。

またカロリーを気にするなら、食べ過ぎない事と運動が一番ですね。
忙しい現代人はなかなかダイエットも難しいですが、健康を損ねるとダイエットどころではありません。健康を優先することも大切かと思います。