久しぶりに見たなぁと最近驚いた物があります。一般的にトイレボールと呼ばれるトイレの芳香剤です。

トイレボール

2種類ありました。並んでいるという事は需要があるという事ですね。私個人的には匂いがきつくて、目が痛くなるタイプの芳香剤です。
実は手に触れるだけでも皮膚炎を起こす可能性があるような、危険な成分で作られている場合があります。

トイレボールの主成分が危険

2種類とも見てみると、どちらもパラジクロルベンゼン製剤となっています。

トイレボール 原材料 パラジクロルベンゼン

公益財団法人日本中毒情報センターによると、パラジクロルベンゼンは一般の家庭用防虫剤や、トイレボールに使用されていると書かれていました。
毒性については人が飲み込んだ場合その致死量は857㎎/㎏、中毒になるのは300㎎/㎏となっています。

飲み込んだ場合の症状は悪心、嘔吐、下痢、腹痛、軽度の肝障害、腎障害があるとされ、皮膚に触れたら紅斑性皮膚炎になり、蒸気に長期暴露すれば、眼、鼻粘膜の刺激痛となっています。

長期暴露じゃなくてもあの独特な匂いで目も痛くなり、鼻もムズムズするし、頭痛が起こる人もいるでしょう。(私がそうです)
まさかトイレの芳香剤を飲み込む人はいないでしょうが、パラジクロルベンゼン性の衣類防虫剤による小さな子供の誤飲事故は実際に起きています。

また直接手などで触れる事も危険です。皮膚炎を起こしてしまいます。
小さな子供の柔らかい皮膚ならもっと症状は重くなるでしょう。

国は毒性試験をしているからと許可しているわけですが、このような危険な物質をトイレの芳香剤や衣類の防虫剤に許可していることに疑問を感じます。
本当に日用品に使っていても害は全くないと言うのでしょうか?



危険を知りながら行われた動物を使った毒性試験

下記は環境省によるパラジクロルベンゼンについての資料です。

パラジクロルベンゼン 動物実験
出典 環境省 加工して作成

「ビーグル犬に強制経口投与による」…とあります。毒性があると知りながら無理やり飲ませ、どうなるかの毒性試験をしたのですね。

このデータの前には長々と、ラットとマウスを使って2年間の毒性試験をしたことが書かれています。その後に、ビーグル犬を使った毒性試験を行った事が載っています。
そしてこの毒性試験の結果で、下の様に使ってもよい濃度が決められました。

パラジクロルベンゼン 動物実験による濃度の決定
出典 環境省

ビーグル犬が対象の時はこの濃度でこの程度の毒性だから、人が対象だとこの程度の濃度なら毒性はあまり考えなくても良いだろうということなのです。

動物実験は安全性を確かめるものではありません。危険だからするものです。
このようにして「人ならば影響の出ない成分の濃度」が決められていくのです。

毒性があるから動物実験が必要。なら安全なものを使えば良いのでは?

犬を毒性試験に使うならビーグルが一番良いと聞いたことがあります。
それはビーグルの体の大きさがちょうど良く、動物実験に使いやすいからだそうです。

ビーグル犬

でも体の大きさなんて実際関係ないですよね。毒がなければそもそも毒性を調べる必要すらないわけです。
人にも犬にも危険な毒性がある有害成分だと分かっているから、毒性試験である動物実験をするのでしょう。

どれくらいの濃度、つまりは薄さなら人の体に急な異常が起きないのか。
人が急性毒性にならないのか。

人が急性毒性になって問題が起きたりしない濃度を決めるために動物実験が必要なのです。

単純なことですが、毒性がすでに分かっている動物実験の必要があるような成分で、日用品を作らなくても良いのではないでしょうか。なぜわざわざ毒性の分かっている化学物質を認可するのでしょう。

それはその化学物質が扱いやすく、安価で企業に利益をもたらすからではないのでしょうか。
利益が絡まなければ、誰もこんな危険物質を好き好んで製品にはしないでしょうから…

「そんなに単純にはいかない。」もちろん今述べたものは非常に単純な意見ですし、様々な意見があると思います。ですが私は、純粋にこう思ってしまうのです。

芳香剤を選ぶときは安全性の確認をしてから

私たち消費者は、家族に危険性はないか環境に影響しないかを考えながら、製品を選ぶべきではないかと思います。
トイレの匂いが気になるのならまずはトイレ掃除をまめにするのが一番です。しかしそれでも芳香剤を使いたい時は安全なものに拘りたいですね。個人的にはこちらをおすすめします。

フレッシュスペース

優しい香りも気に入っていますが、香りでごまかすものではなく匂いの元をくるんで除去するタイプの消臭剤です。
芳香剤を選ぶ時は大事な家族が危険に曝されないように、製品をよく見て購入したいですね。