おろししょうがとおろしにんにく、すごく便利そうですよね。でも私は実は使ったことがありません。
おろし金ですりおろしてしばらくすれば変色して味も変わるものが、冷蔵庫に入れるにしてもあんなに長く保存が出来るなんて信じられないからでした。

しょうが にんにく

成分表の確認すらしていません。でも娘がたまに使っていると知り、慌てて確認することにしました。
今回はまずおろししょうがを見てみましょう。杞憂に終われば良いのですが…

しょうが以外の物と添加物が豊富

どこのスーパーにも置いてある一流メーカーのおろししょうがです。
一本当たり125円とお手頃なお値段で、こちらの商品は「無着色」が売りのようです。

おろししょうが 原材料

品名 おろししょうが
原材料名 しょうが、でんぷん、食塩、デキストリン、ソルビトール、酒精、酸味料、安定剤(キタンサンガム)、酸化防止剤(ビタミンC)、調味料(アミノ酸)、香料、香辛料抽出物

しょうが以外に結構な数の食材と添加物が入っています。
ではどんなものが入っているのか具体的に見ていきましょう。



でんぷん&デキストリン

このおろししょうがの中で、しょうがの次に多いのはでんぷんです。
でんぷんは安くつくので、つなぎやカサ増しに入れられているようですね。

デキストリンはでんぷんを加工した食材で、しっとり感を出す、乾かないようにするために入れられています。でもこれも分量は増えますね。

ソルビトール

色々な食品に使われているソルビトールは動物実験で盲腸の膨満や、弱いながらも変異原性を指摘する専門家もいます。
過剰摂取すると下痢などを引き起こす心配はありますが、通常の摂取量ならそれほど心配することはないかと思います。

酸味料&香料

酸味料、香料は一括表示が許されています。
一括表示とは、複数の添加物をひとまとめに表示ができるという法律です。

香料

なので酸味料、香料は、それぞれ最低でも2つの添加物が入っている事になります。酸味料、香料で合計4つ以上の添加物ですね。中に何が含まれているのか、消費者にはわかりません。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

【問い合わせで確認】ビタミンC

酸化防止剤(ビタミンC)は、天然のレモンなどから抽出したビタミンCだと良いのですが、残念ながらそうではないと思います。そんなことをすれば一本125円程の安価なおろししょうがは作れません。

酸化防止剤(ビタミンC)は、トウモロコシ等の糖から化学的な処理をして作りだしたビタミンCか、石油由来のビタミンCと配列を同じにしたアスコルビン酸のどちらかだと思います。
ビタミンと同じ扱いになるので「ビタミン」と表示できるのです。「アスコルビン酸」や「合成ビタミンC」とは表示しません。

でも最近は、天然の物を入れているとも聞きますね。念のためメーカーにメールで問い合わせて確認してみる事にしました。
問い合わせた内容はこちらです。

ビタミンCについて質問

返事をいただきました。こちらです。

ビタミンCについて回答

天然由来ですかの問いに「天然由来ではありません」というのは確かに回答になっています。
しかしレモンなどからの抽出物ですかの問いには、「添加物として国が認めている原料」と濁しています。つまり本物のレモンのような植物ではないということですね。
ということは答えはひとつしかありません。石油由来のアスコルビン酸です。

今多く使われているトウモロコシなどのでん粉から化学的に合成されたビタミンCなら、原料は一応天然の植物ですから「添加物として国が認めている原料」とは言わないでしょう。
アスコルビン酸とも石油とも言わないで、何とかごまかして返事したようにも見える気がしますが、どう思いますか?

アスコルビン酸

確かに法律で、石油由来のアスコルビン酸は、ビタミンCと表示してもいい事になっています。

食品添加物 表示の簡略化 ビタミンC
出典 厚生労働省 

消費者から見るとアスコルビン酸と書かれているよりも、ビタミンCとある方がイメージが良くなります。
メーカーとしても、アスコルビン酸とはわざわざ正直には書きたくないでしょう。

しかし消費者は本当の情報を求めています。

もしも意図的に何かを濁した返事だったのなら、そこは正直に「石油由来のアスコルビン酸をビタミンと表示している」とお返事をいただきたかったですね。
ですがはっきりしない限り、真実はやはり闇の中です。
(アスコルビン酸について関連記事はこちら
「レモン〇〇個分のビタミンC」は本当?栄養素が働く仕組み

香辛料抽出物

もともと薬味や香辛料として使われるしょうがに、最後の香辛料抽出物を入れなければならないのはどうしてだろう?と思ってしまう私です。

香辛料抽出物の原料は主に植物が多いのですが、その抽出方法が私は気になります。
植物を機械で絞るようなことはしません。大量生産で安くしようとすれば、薬品で抽出する方法が一番手っ取り早いでしょう。

香辛料抽出物の抽出方法にはいくつかあり、その中でも有機溶剤という薬品を用いて抽出する方法では、理論的には溶剤が残らない事になっています。
しかし本当に100%残っていないと言い切れるのかと、心配する声もよく耳にします。都道府県管理局に問い合わせてみましたが、その部分は分かりかねるとのお返事でした。

有機溶剤は危険な薬品です。
製品に残らないよう当然メーカーも厳重チェックしてくれてはいると思いますが、万が一ということがないよう祈るばかりです。

おろししょうがは本来しょうがをすりおろすだけで出来る薬味です。
単純にそれだけで出来るものですから、肝心のしょうがよりも、混ぜ物と添加物の方が多い製品はなるべく避けたいところです。
安全で新鮮で美味しいおろししょうがを食べるなら、手作りの方が断然良いですね。



しょうがの保存方法と使い方、安全なしょうが

しょうがを冷蔵庫に保管しておくと切り口がぬるぬるして腐ってきます。常温での保存の方が良いですね。
もし冷蔵庫に保管するなら、とにかく水分をキッチンペーパーなどでふき取ることが一番です。

長期保存するなら、必要な大きさにスライスしたり、すりおろして使う分に小分けしてラップで包み、冷凍しておきます。

冷凍 しょうが

煮物なら凍ったまま鍋に入れても大丈夫だし、自然解凍でも美味しく頂けます。
ほとんど手間もかかりませんから、お料理には何も添加物のないそのままのしょうがを使いたいですね。

今回の話を娘にすると、「じゃあしょうがは冷凍にする!」と言ってくれたので、一安心しました。
やはり家族には、危険と分かっているものは食べてほしくないですもんね。

私が使っているのは粉の生姜です。生姜だけでできていて、甘みも何も足されていないので、かなり少量でも生姜の風味を味わえます(多く使うと辛いほどです)。
マルシマ 国産生姜粉末


調味料はいつも使うものですから、安全なものを手元に置いてくださいね。

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