スーパーに行くとこれはどのような仕組みになっているのだろうと、不思議に思う食品を目にすることがあります。
例えばビタミンCがレモン50個分というソフトドリンクがあります。ペットボトルたった一本、500mlや1ℓの中に、どのようにしてこんなにたくさんのビタミンCを入れるのでしょうか。

お菓子売り場のキャンディーではビタミンCー5000個分という文字も目に入ります。
こちらもたった一袋の飴の数は限られているのに、ビタミンC3000㎎というのはかなりすごい量ではないでしょうか。

どんな製造方法でそんなにたくさんのビタミンCを入れることができるのか、長年不思議に思っていました。今回はそのカラクリについて見ていきます。

レモン50個分のビタミンCの種明かし

「ビタミンC〇〇個分」という表記はこのように実現しています。

まず中に入れられているビタミンCは天然由来ではなく、合成のアスコルビン酸であることがほとんどです。(以前保健所に問い合わせした時も、今ほとんどの食品に使われているビタミンCは合成のアスコルビン酸ですと言われました。)

ここからは簡単な計算です。

1gは単位を㎎に直すと1g=1000㎎になります。
天然のレモンには平均的に1個あたり20mgのビタミンCが含まれています。

合成のアスコルビン酸を1g(1000㎎ )ソフトドリンクに入れたとしたら、1g(1000㎎ )=20mg×50個という計算式となり、「レモン50個分のビタミンC飲料」が完成するというわけです。

なので1gのアスコルビン酸を商品に入れた場合「ビタミンC1000」という表現となり、3gのアスコルビン酸を入れれば「ビタミンC3000」というネーミングの商品が出来上がると言う仕組みです。

 

確かに一般社団法人 全国清涼飲料工業会のホームページにも、消費者に分かりやすくするためにレモン果実1個分のビタミンCの量を20㎎として基準にしていると書かれています。
大量のビタミンCが入っているというのは合成のアスコルビン酸であることが多いのですね。これで長年の謎が解けました。



毎日摂りたいビタミンC

ビタミンCは毎日摂りたいビタミンのひとつです。ビタミンCは水溶性のビタミンなので体に貯めておくことが出来ません。今日はいっぱいビタミンCを摂ったから明日は摂らなくても構わないと言うような栄養素ではなく、毎日摂る必要があります。

出来れば毎日食べ物から摂るのが理想的です。ビタミンCはご存知のように果物や野菜に多く含まれています。そのような食材を使って食事から摂るようにしたいですね。

ビタミンCの多い食品例
赤ピーマン、黄ピーマン、ゆず(皮)、パセリ、芽キャベツ、レモン(全果)、ケール、ピーマン、ゴーヤ、めんたいこ、柿、キウイ、苺、ししとうがらし、ブロッコリー、カブ(葉)

ここで大切なのは、ビタミンC単体で栄養を摂り入れても無意味だということです。
栄養素の吸収、働きには一定のルールがあります。様々な栄養素と一緒に摂り入れることで体に有益なものになるというルールです。
各栄養素から伸びる線の先の栄養素が必要になる栄養素です。

ビタミンCに関して詳しく言うと、ビタミンCの場合はビタミンB5リノール酸を一緒に摂らなければまず体に吸収することができません。

また同時に、ビタミンB2、ビタミンA、 ビタミンB6、ビタミンB3、鉄を摂らなければ体の中で役立つことが出来ません。

栄養素は栄養素同士の繋がりがなければ吸収することも働くことも出来ないのです。
(詳しくはこちらの記事へ↓
サプリも効果なし!?栄養吸収の条件、46必須栄養素の話

ビタミンCに限らない話ですが、サプリメントで栄養を補うにはそれ単体ではなく、繋がりのある他の栄養素も含まれているものをチョイスするのが賢い選択ですね。
しかし先ずは新鮮な野菜、果物を摂るように心がけるのが先決かと思います。