買い置きしていた高野豆腐。
安全な食材を多く扱う生活協同組合の物なので、成分表示も確認せずに今まで安心して使ってきた高野豆腐です。

高野豆腐

他のメーカーの高野豆腐はどうしても口に合わず、長い間この高野豆腐を使っています。
今回しっかり中身を見てみようと成分表示を確認してみました。

高野豆腐 原材料

大豆(遺伝子組み換えでない)
凝固剤(塩化Ca等)
膨軟剤(炭酸水素Na)

膨軟剤とは何でしょうか。
まさか添加物は入っていないと思いましたが調べてみたら昔の作り方の高野豆腐ではなかったので、これには少なからずショックを受けてしてしまいました。
高野豆腐に添加物というのも考えられませんでしたし調べてみようと思います。



高野豆腐にまさかの添加物

一般のスーパーで売られている有名メーカーの物も見てみました。
大手一社目です。

高野豆腐 原材料2

大豆(遺伝子組み換えでない)
炭酸カリウム
豆腐用凝固剤

もう一社見てみます。

高野豆腐 原材料3

大豆(遺伝子組み換えでない)
凝固剤(塩化Ca等)
膨軟剤(炭酸水素Na)

ヘルシーなイメージの高野豆腐はその名の通り高野山の僧侶たちが作ったとされる説と、凍み豆腐が後に高野豆腐という保存食になったというふたつの説があります。
どちらにしても高野豆腐は主婦にとって気軽に使える保存食であり、植物性の蛋白質が摂れるものであり、重宝する食材です。それなのに添加物が入っているなら困りものです。

手間のかかる本来の製法

本来の高野豆腐の原材料は、凝固剤のにがり大豆のふたつだけです。たったふたつのシンプルな材料で出来るものなのですね。

しかし材料はふたつだけですが、出来上がるまでに手間がかかります。
まず作った豆腐をカットしたら、豆腐をいったん凍らせます。凍った豆腐を熟成させて、乾燥すると保存食である高野豆腐が出来上がります。

高野豆腐 保存食

工程を書くと簡単に見えますが、一日で出来るような代物ではないのです。一週間も二週間もかかるのですね。
こうして出来上がった高野豆腐はしっかりとした作りなので、料理として使うには前日から一晩水に漬けておかなければなりません。製法も時間がかかるのですが、戻すだけでも時間が掛かるのです。

しかし近年は機械で乾燥することがほとんどなので、もっと時間は短縮されているようです。

便利を求めると添加物が入る

今一般に出回っている高野豆腐は、湯戻しで直ぐに使えるようにするために、始めから膨軟剤という添加物を入れています。

膨張剤
出典 Wikipedia 加工して作成

膨軟剤の中身は炭酸水素Na、炭酸カリウムです。これは昔から食品に使われている、いわゆる重曹と言われる危険性の殆どない添加物や、蕨のあく抜きなどに使うわら灰の成分である炭酸カリウムですから、心配はないものと思われます。

長年使っていた高野豆腐が危険でなかったと分かり、今とてもほっとしています。

高野豆腐の2つの大きな問題点

しかし問題がふたつほど発覚しました。
どちらの問題にも共通することは、「表示義務がない」という点です。

「遺伝子組換えでない」大豆にも遺伝子組換えが混入している可能性

ひとつは、材料となる大豆が遺伝子組み換えでないと書かれているにも拘らず、100%遺伝子組換えでないとは限らないという事です。
遺伝子組換えでない大豆を95%使い、残り5%を遺伝子組換えの大豆にしても、法律では「遺伝子組換えでない」と表示しても良いことになっています。

価格を抑えよう、メーカーの利益を上げようと考えると、少しでも原料は安い方が良いですね。すると、遺伝子組み換えされた輸入大豆を使う事は十分に考えられます。
輸入大豆はポストハーベストと言われる農薬も多く使われるので、その心配もあります。

そもそも法律で5%は遺伝子組換えのものを入れることが許されているのですから、メーカーも堂々と入れることができます。

遺伝子組換え 混入
出典 消費者庁 加工して作成

表示義務のない消泡剤

もうひとつの問題は、高野豆腐のモトとなる豆腐を作る時にそのほとんどが消泡剤を使っているという事です。
豆腐を作る時に豆を炊く訳ですが、泡が出てきます。泡があればなめらかな豆腐は出来ません。そして泡をなくすのに柄杓で掬うような手間がかかる事はせず、消泡剤を使います。この方が安くて簡単なのです。

消泡剤には油脂系消泡剤、グリセリン脂肪酸エステル、シリコーン樹脂の種類があります。

消泡剤

出典 一般財団法人 全国豆腐連合会 全豆連 加工して作成

消泡剤はそれほど危険性はないと言う意見もありますし、危険だと言う意見もあります。賛否両論ということは安全が確定されている訳ではありません。

消泡剤は加工助剤扱いになっています。それはつまり表示の義務はなく、消泡剤自体を使っているかどうかは商品を見ただけでは判断できないということです。
ですが、それを使っていないメーカーさんは、「消泡剤は使っていません」とちゃんと商品パッケージやサイトで明示しています。逆にこういう明示がないという事は「使っている」と判断しても良いのかもしれません。

表示義務がないですから、どのメーカーも決して法に触れている訳ではありません。しかし消費者の立場としては、表示してもらいたいと思いますね。



安心安全なヘルシー高野豆腐ならこれ

やはりヘルシー食材の高野豆腐ですから、本当に安全な作り方をしたもので美味しく調理したいですね。
そこで昔ながらの製法をしている高野豆腐をご紹介します。手間暇かけた逸品を味わってみて下さい。

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