昨今の花粉症やPM2.5のせいなのか、抗菌マスクはどこでも目にするようになりました。
風邪の時だけではなく、花粉の時期になるとマスクをしていない方が珍しいぐらいの勢いですよね。

マスク

このマスクはもちろん良いものなんでしょう。ですが、本当にそうでしょうか?
色々なタイプがあるマスクの中には酸化亜鉛という抗菌剤を使っているものがあり、これがちょっとくせものです。

酸化亜鉛がアレルギー悪化の原因かも…

酸化亜鉛に毒性はありません。
安心して使えるもので止血や鎮痛、防腐などの効果があるため、化粧品や医薬品として様々なものに用いられています。

しかし毒性はないにしても、医薬品として使う場合は「痒み、発疹などのアレルギー症状の出たことがある人、娠中、授乳中の人、他の薬を使っている人は、医師や薬剤師にその旨を伝えてください」と言われている成分です。

なのに毒性がないと言って良いのか不思議ではあるのですが…
とにかく一番問題なのは、酸化亜鉛の大きさなのです。



アレルギーの人は抗菌マスクを控えるべし

抗菌マスクに使われている酸化亜鉛は白い粉状のもので、その粒子は非常に小さいものです。

一般品と言われるものは大体11μm(マイクロメートル)~600μm、
もっと小さいものになれば15nm(ナノメートル)~60μmの大きさです。

この単位を分かりやすく言い換えるとこうなります。

1μm=100万分の1m
1nm=10億分の1m

とてつもなく小さいということですね。

マスクに加工された酸化亜鉛はとても小さな金属の粉ですから、アレルギー体質の人がマスクをして息をするとその小さな粉が体内に侵入し、アレルギー症状が酷くなることがあります。
酸化亜鉛の粉が喉や肺の粘膜にくっついて反応するからです。
花粉症等のアレルギー症状緩和のために使用しているのに、更に症状が悪化するマスクをつけるのは矛盾していますよね。

マスクをした男性

企業が公表しないデメリット

また酸化亜鉛ヒュームと呼ばれる中毒症状が起こることもあります。
酸化亜鉛ヒュームの症状は、咳や胸の痛み、口の渇き、知覚異常や発熱が主な症状です。ひどい場合は呼吸困難も引き起こします。急性毒性であるため、重傷になったケースも報告されています。

酸化亜鉛ヒューム中毒症例1
出典 厚生労働省 加工して作成

酸化亜鉛ヒューム中毒症例2
出典 厚生労働省 加工して作成

一般的には酸化亜鉛ヒュームは金属の粉を扱う仕事の人がかかるもので職業病と言われていますが、年中マスクをしているような今日この頃。
一日中マスクをしていたら、金属の粉を扱う職業についていなくても完全に大丈夫と言えるでしょうか?

メーカーはこのようなデメリットはもちろん知っているでしょう。しかし抗菌という良い面しか宣伝しません。商売なので当然と言えるかもしれませんが、消費者としては知っておきたいところです。

また、酸化亜鉛は光によって活性酸素が発生することも知られています。
活性酸素は万病の元。加齢を進める、肌にしわが出来るなど、老化が進む物質であることは多くの方がご存知かと思います。

何も加工していない普通のマスクより、清潔好きな日本人の心をくすぐる抗菌マスク。
抗菌と謳うためにこの小さな酸化亜鉛をマスクに入れるわけですが、危険を冒してまでこんなマスクをしなくても良いのではないでしょうか。

酸化亜鉛の入っていないマスクなら心配は要りませんね。普通のマスクで十分です。
農薬や化学肥料を使わず栽培したオーガニックのコットンで作られたマスクなら、もっと安心出来ると思います。