食品に入っている添加物や日用品に入っている化学物質は、 物によると全成分は表示されていない場合があります。
全成分表示でない理由は様々ですが、今回はその中の一つ「一括表示」を取り上げたいと思います。

 

添加物をひとまとめにする一括表示

 

いくつかの添加物をひとまとめに表示ができることを一括表示と言い、一括表示された複数の添加物は表示されません。
食品で一括表示が出来るものは14種類あります。

 

イーストフード
ガムベース
かんすい
苦味料
酵素
光沢剤
香料(または人口香料)
酸味料
軟化剤
調味料(アミノ酸等)等
豆腐用凝固剤(または凝固剤)
乳化剤
水素イオン濃度調整剤(またはpH調整剤)
膨脹剤(または膨張剤、ベーキングパウダー、ふくらし粉)

 

この14種類です。

例えばイーストフードの場合、イーストフードとして使っても良いと決められた添加物を2種類以上入れた時、「イーストフード」という一つの表示だけで表示ができます。
イーストフードとして仮に5つの添加物を使っても、表示は「イーストフード」とたったひとつで良いのです。

 

 

これは企業にとっては大変嬉しい法律でもあります。

この事をを知らなければ、パッケージにはイーストフードという添加物ひとつしか使われていないように見えます。添加物が少ない商品であるようなイメージを与えて消費者に好まれるため、企業側には有利な表示と言えるでしょう。

 

4~5種類の添加物からなるpH調整剤

 

繰り返しになりますが、一括表示はいくつかの添加物を纏めて表示できる法律です。

同じ目的のために入れるのであれば一括で表示した方が分かりやすいというのが理由のようですが、健康的な食生活を送りたい私たち消費者からすれば、これほど厄介な法律はありません。

 

ここでもうひとつ例を挙げてみます。

例えば「pH調整剤」(水素イオン濃度調整剤)です。
詳しい作用は分からなくても、pHを調整するのだろう事は名前を見たらわかりますね。実際のところこれは食品の変質や変色を防ぐ役割をするものです。

ひとまとめにできる添加物は次のように決められています。

 


出典 消費者庁 加工して作成

 

一括表示は複数の添加物を表示するものですから、中身が1種類ということはありません。必ずこの中の2つ以上が入れられ、その複数の添加物をまとめてpH調整剤と表示しているのです。
たとえばこのような感じです。

 

 

中には4~5種類も含まれている場合があると聞きます。それぐらい入れないとpH調整剤として変質や変色を防ぐことが出来ないというのがその理由です。

pH調整剤として4つも5つもよくわからない名前の添加物が書かれていると、消費者から見れば添加物がたくさん入っていると思われて敬遠されがちです。それが一括表示でたったひとつの表示、「pH調整剤」だけで済めば、添加物少ないように見えて売り上げに繋がります。

 

ここで気になるのは、一括表示には使用基準がないということです。
私たち消費者には何がどれだけ入れられているか全くわからない上に、どれだけ入れても構わないと言うのです。



嘘でもまかり通る一括表示の現状

 

一括表示について疑問に思うことがあります。

添加物にはそれぞれ役割(作用)があります。いくつもの役割を持つ添加物も存在しますが、そのような添加物を一括表示にする場合、その添加物の持つどの作用を目的として使用するかで、どの添加物と一括表示にできるかが変わってきます。

しかしその添加物を使用する理由を本来の目的とは異なる目的で入れていると製造側が言えば、それがまかり通ってしまうのです。

 

 

ややこしくて分かりにくいかも知れません。表を元に例を上げてみましょう。一括表示をうまく利用すればこんな事が出来てしまいます。

例えば添加物の中に「クエン酸ナトリウム」という添加物があります。
このクエン酸ナトリウムには様々な効果があり、pH調整剤のように食品を保存したり味を良くする効果も持ち合わせています。

なので本当は保存性の為に使っていたとしても、調味料として使ったと言えば調味料(アミノ酸等)になりますし、乳化の為に使ったと言えば乳化剤になります。メーカー側の主張がそのまま通ってしまうと言うのです。
一括表示のこのような手法は加工食品によく使われるそうです。

 

 

食品添加物の専門の方からお聞きした話です。
保存料に関してですが、いくつかの効果があり、その中に保存性も持ち合わせた添加物を5つほど入れると立派な保存料となるそうです。(もちろんそれらの添加物を使用する目的は「保存性」ではなく別の効果を目的にしていることにします)
そうして製品のパッケージには「保存料無添加」と書き、イメージを良くして販売するのだそうです。

 

全ての食品が本当に間違いなく表示されているかどうかを調べるには、調査する職員の数が少ない事と、調べる食品の数が膨大だという問題があります。
保健所に電話で確認をとったところ、表示に関してはほぼ全てと言って良いほど、メーカー側が法律を守っていると信じる、祈るというのが今の現状だそうです。

一括表示は私たち消費者かメーカーか、どちらのための法律なのか疑問ですね。
なるべく添加物の少ない自然な食事を楽しみたい方は、しっかり一括表示のことを知って身を守っていく必要がありそうです。