一般的にマヨネーズはカロリーが高いと言われています。
その理由はマヨネーズの65%以上が油でなければならないと法律で決められているからです。油が多いとカロリーは必然的に高くなります。

マヨネーズ パン

そこでカロリーを抑えたマヨネーズに似たドレッシングがマヨネーズの売り場に色々と並んでいます。一見すると容器も色もマヨネーズとそっくりです。
実はそれらは添加物が多く入っている場合が多く、注意が必要なようです。

カロリーオフでもマヨネーズよりも多い危険

下の表はドレッシングの日本農林規格です。国の定義によるとマヨネーズにそっくりなカロリーオフのドレッシングは、マヨネーズとは異なるサラダクリーミードレッシングに分類されます。

サラダクリーミードレッシング ドレッシングの定義 農水省
出典 農林水産省 加工して作成

サラダクリーミードレッシングも使える原材料が法律で決まっています。
ここで注目すべきは、使用できる添加物の数がマヨネーズよりもはるかに多いことです。

乳化剤、糊料、調味料(アミノ酸等)、酸味料、着色料及び香辛料抽出物…と、一括表示できる添加物もたくさん使えることになっています。
(一括表示とは複数の添加物をひとまとめに表示することで、表示だけではどんな成分がどれだけ含まれているかわかりません。詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと
マヨネーズの半分以上カロリーオフと謳うサラダクリーミードレッシングの実際の原材料はこちらです。

サラダクリーミードレッシング

安全性を疑われる種類もある増粘多糖類や摂りすぎると味覚が狂うとされるL-グルタミン酸Na、頭痛や顔面紅潮などの症状が出る調味料(アミノ酸等)、限りなく添加物に近く製造過程で塩酸使用の不安のあるたん白加水分解物が入っていたりと、正直なところあまり買う気が起こらない内容です。

しかしサラダクリーミードレッシングの定義として使用する油は10%~50%と決められているので、表のパッケージには「カロリー50%オフ」や「カロリー75%カット」などと堂々と表示することができます。
確かに低カロリーなのはメリットだと思いますが、その他の添加物のデメリットについても表示してくれている親切なサラダクリーミードレッシングは見たことがありません。

さらに半固体状ドレッシングと分類されるものも見た目と形状はマヨネーズのようで、油分は10%以上であれば良く、添加物はサラダクリーミードレッシングよりさらに多くが認められています。

半固形ドレッシング
出典 農林水産省

添加物は国が認めているからといって全て安全だとは言い切れないのが現実です。添加物は化学物質であり、その組み合わせによって胃の中、腸の中でどのように化学反応を起こし変化するのか解明されている訳ではないのです。

これらマヨネーズにそっくりなドレッシングは、ただカロリーが低いマヨネーズだと消費者は思い込んでしまうでしょう。
合法なので悪くはないのですが、デメリットについて消費者にわからないように上手く売り出しているように見えなくもありません。



森林破壊を引き起こすパーム油

油を含むことを法律で決められていますが、どのような油を使っているのでしょうか。

食用植物油脂と書かれているものにはパーム油が使われていることもよくあります。
パーム油の輸入量は年々増加傾向にあり、2012年には大豆の国内生産を超えました。

パーム油
出典 一般社団法人 日本植物油協会

パーム油は大豆油のおよそ60~70%の価格です。
メーカーが輸入のパーム油を使うメリットは、その価格の安さにあると思われます。

しかしパーム油にはトランス脂肪酸が含まれていることや、酸化防止剤に発ガン性物質であるBHAが使われていることがあるため問題視されています。
しかしパーム油ではなく植物油脂とだけ書かれていたら、消費者は知らないうちにパーム油を摂取してしまう可能性があります。

もうひとつの問題として、パーム油を使う事で森林破壊にも繋がり野生動物の住処の消滅にも繋がるというものがあります。地球全体のバランスを壊すことにもなるのです。

パーム油
出典 「WWF」会報誌 2015年 winter号

マヨネーズに似ているサラダクリーミードレッシングは、法律上油分は製品の10%~50%までと決められています。使用される油の量はマヨネーズより確かに低いです。
しかし健康面、環境面においても内容的には決して安心できるとは言い切れませんね。

カロリーを気にするなら、添加物の入っていないマヨネーズを選んで使いすぎないようにする方が賢明だと思います。

また少量のマヨネーズに酢と塩を加えるだけでマヨネーズの風味が引き立ちますので、入れすぎ防止に酢と塩を加えてみてはいかがでしょうか。酢を摂ることによってカロリー消費が高まるという利点もあるのでおすすめです。