最近では添加物を気にして食品の成分表示を確認してから買うという方も増えているようです。しかし慣れないカタカナの物質名に、何が何で、どれが体に悪いか分からないというのが多くの現状のようです。

そんな中、加工でんぷんは「加工」と付いていても、「でんぷん」だから体に良さそう、と思う方も多いかもしれません。
でんぷんの一般的なイメージとしては、ジャガイモやトウモロコシなど親しみやすい食材が思い浮かぶのではないでしょうか。しかしでんぷんと名が付いていながら、添加物であるれっきとした化学物質の「でんぷん」があちこちで使われています。

今回はそんな加工でんぷんの問題点について見ていきます。

 

加工でんぷんの本当の物質名

 

天然のでんぷんは食品扱いで小麦粉、片栗粉、コーンスターチなど台所にもあるものです。

一方添加物である加工でんぷんは、酸や酵素を使ってでんぷんを化学的に処理して作られたものです。平成20年には11個の加工でんぷんが添加物扱いとなっています。

 


出典 消費者庁 加工して作成

 

表示についても記されています。
カタカナのややこしい物質名があるのですが、簡略名の「加工でんぷん」とだけ表示すれば良いようになっています。

 

出典 厚生労働省

 

例えば増粘剤としてリン酸化デンプンを使用した場合、用途名として増粘剤(リン酸化デンプン)と表記するか、増粘剤(加工でんぷん)のどちらかの表示になります。

 


出典 厚生労働省

 

元がでんぷんであったとしても、加工でんぷんは化学的に作られたでんぷんです。
でんぷんと名がつく化学物質であるわけですが、これがもしヒドロキシプロピルデンプンと書かれていたらあまり手に取りたくない添加物でしょう。

もし私が販売する側ならカタカナの多い物質名は避け、好感を持ってもらえそうな加工でんぷんと表示したいところだと思います。



乳化剤の陰に隠れる加工でんぷん

 

また、もう一つ気になることがあります。
加工でんぷんを乳化剤として使用した場合、乳化剤とだけ表示すれば良いという点です。加工でんぷんのかけらも消費者に見えることはありません。

これの何が問題なのかと言うと、違う目的で加工でんぷんを使っても乳化の為に使ったことにすれば、それで法的には通ってしまうということです。

 


出典 厚生労働省

 

私たちほとんどの消費者は単に加工でんぷんと書かれていても、まず化学合成されたでんぷんだとは思わないでしょう。天然のでんぷんとの区別もつきにくいと思います。
その上一括表示の乳化剤に入れられてしまえば、加工されたものであれ天然の物であれ、でんぷんのかけらも想像することは難しいと思います。これが正しい表示方法なのかと疑問視する声も上がっています。

 

EUではベビーフードに対して規制されている

 

まだ消化器官が十分ではない乳児は、加工でんぷんによってアレルギーを誘発するかもしれないなどと心配する声も上がっています。

規制の厳しいEUでは加工でんぷんはベビーフードには5%以下しか使えません。
日本ベビーフード協議会に確認してみましたら、日本においても加入しているメーカーは全てEUと同じように加工でんぷんの使用を5%以下にしているそうです。
これは規制の厳しいヨーロッパの国でそのようにしているところがあるからだとおっしゃっていました。

厚生労働省のホームページに食品添加物とはどんなものを指すのかが載っています。
保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものと書いてあります。明らかに食品添加物は食品とは区別されていますね。

 


出典 厚生労働省

 

食品添加物は食品ではありません。
幼い乳児に安易に食べさせるには、確かに不安が残ります。

ましてやヒドロキシプロピルデンプン等の物質名を簡略化したり、乳化剤と表現したり、私たち消費者にはなかなか理解できないような表現に変えられてしまっています。
加工でんぷんには注意した方が良いかもしれません。