我が家では塩昆布は自家製のものを食べています。
でもたまに乾いたと言うのか、塩ふきと呼ばれるタイプの刻んだ細長い塩昆布が食べたくなることがあります。
スーパーで表に化学調味料無添加と書かれているものを見つけ、これはひょっとして良いのでは?と思い手に取りました。使用している昆布は北海道産100%とあり、減塩とも書かれています。
何と言っても赤で目立つように書かれている化学調味料無添加の文字が目を引きました。
そして原材料を見ると次のように書かれています。
原材料名 昆布(北海道産)、乳糖、醤油(大豆・小麦を含む)、砂糖、たんぱく加水分解物(大豆を含む)、還元水あめ、食塩、でんぷん、酵母エキス、かつおエキス
となっています。
たん白加水分解物は化学調味料の進化系
パッケージの表に書かれているように確かに化学調味料の文字は見当たりません。
ですがひとつ気になる原材料がありました。たんぱく加水分解物です。
たん白加水分解物は食品扱いになっています。そのため限りなく食品添加物に近いのですが、その製法の中には危険性が生じる場合があります。
たんぱく加水分解物は原料の動植物から酵素か塩酸を使って強制的にうまみ成分のアミノ酸を取り出したものです。そして抽出したアミノ酸を中和させれることでたんぱく加水分解物は完成します。
気になる点は塩酸を使ったたん白加水分解物の製造方法の場合、副産物としてクロロプロパノール類(3-モノクロロプロパン-1,2-ジオール(3-MCPD)、1,3-ジクロロプロパノール(1,3-DCP)など)を生成してしまうことです。
農林水産省の情報によれば、副産物としてクロロプロパノール類のうち3-MCPDはラットを使った試験によって健康に悪影響が出る可能性があるとしています。
もうひとつの1,3-DCPはラットの実験により発ガン性が認められています。
しかもごくわずかな量であっても遺伝子を傷つける可能性があり、それが引き金となってがんを生じる事を否定できないと結論付けています。
一日これ以下なら健康に影響が出ないであろうという摂取量も設定されておらず、その点でも不安は残ります 。
出典 農林水産省 加工して作成
たんぱく加水分解物は酵素を用いた方法で作ることも可能です。
しかし酵素を使う酵素分解法だと時間がかかるため、時間とコストを考えた場合に塩酸を使ってたん白加水分解物を製造するのが現実的ではないでしょうか。
化学調味料が入っていないから良さそうだと思いましたが、たん白加水分解物には気を付けた方が良さそうです。
「化学調味料不使用」「無添加」でも油断できないだしの素
昆布に限らず「化学調味料不使用」や「無添加」 と書かれた出汁の素の原材料を見れば、たん白加水分解物が入っているものもスーパーの棚に多く並んでいます。
確かに表示に偽りはありません。
しかし中身を知ればかつての化学調味料となんら変わりがない、むしろ危険性が増した感があります。素直に表示を鵜呑みにすると危険に晒される可能性は否定できません。
今回見つけた塩ふき昆布は化学調味料無添加と書かれていたのにちょっと残念でした。
同じような昆布で、以前食べたマルシマの茶漬昆布なら安心できる原材料で優しいお味でした。しばらくはこちらの昆布をいただこうと思います。