3月に入ると暖かい日も増え、土いじりをしたい気分になります。きれいな花も良いですが、食べられるものの方が植えたくなる私です。

ジャガイモ

大きめの植木鉢が2つ、長い間ほったらかしになっているのを見て、急に思い立ってジャガイモを植えてみたくなりました。

植木鉢の家庭菜園に挑戦

まずは土作りからです。土の殺菌のため、ビニールシートの上に土を広げて日光で消毒します。
おそらく酸性になっているだろう土をアルカリ性にすべく石灰を混ぜました。

次の日に植木鉢に土を戻し、根元には油かすを入れました。
(国産菜種、胡麻油を製造する影山製油所の油かすは、本当に油を搾っただけだと分かります^^)

油かす

間の土には米糠を混ぜ込んでみました。我流ですが、これで一応土の準備は出来ましたね。

種イモ選び

お次は肝心のジャガイモです。ホームセンターの園芸コーナーには各種のジャガイモの種イモが並んでいます。
植木鉢ではなく家庭菜園でもやっていればこれを購入するのですが、大きめとは言えたった2つの植木鉢では、種イモは1つあれば十分です。基本的に種イモは半分か、3分の一に切って使いますもんね。

仕方がないので失敗しても構わないつもりで、スーパーで売っているジャガイモを使う事にしました。買いに行った先のスーパーには、メークインも男爵もきたあかりもあったのですが、どれも産地が北海道となっていました。

そこで思い出したのです。

確か北海道のどこかでは、芽が出ないように放射線を照射しているジャガイモがあると聞いたことがあったのです。もしそれなら、いくら待っても芽が出るはずはありません。



食品に使われる放射線

食品に放射線をかけるのは世界的にも行われています。一定の品目を許可している国や、全面的に禁止している国など様々です。日本ではジャガイモの芽止めに関して放射線を照射することを許可しています。

じゃがいも照射、日本
出典 厚生労働省 加工して作成

じゃがいもすべてに照射されているものではなく、一部の限られたジャガイモに行われているようです。

じゃがいも年間8000t照射
出典 厚生労働省

日本での照射の基準は次のようになっています。

世界保健機構(WHO)が定めた吸収線量は10KGyでこの量までなら食品の安全性に問題はないとされていますが、日本での食品衛生法においては150Gy(=0.15kGy)と定められています。かなり低いレベルに抑えられているのですね。

もう少し詳しく知りたいので、芽止めの放射線をしているという北海道の農協に問い合わせしてみました。送ったメールはこちらです。今見ると漢字の間違いなどありますが…^^;

ジャガイモ質問

一週間ほどでメールではなく電話を頂戴しました。とても話し辛そうな感じでした。
(恐らく放射能を使っているのではないかと、今までにすごい剣幕の電話やメールがあったものと思われます。今回の私のメールも同じような内容と思われていたのかもしれません)

それでもちゃんとお話して下さった内容は、次のようになります。

 

北海道産のジャガイモは、年末ぐらいから芽止めの放射線を当てるものも存在する。
それは芽が出ないようにして安定供給する為のもので、主に芽止めを要求される業者に向けて行うことが多い。(例えばジャガイモを大量に使うコロッケを製造するメーカー等)
一部一般の売り場に並ぶこともあるが、その場合は必ず商品にΓ(ガンマ)線照射していることが分かるように表示されている。
日本のジャガイモの生産量のうち、放射線(Γ線)をかけているものはごくわずかで数%ほど。

 

といったことでした。

答えにくい質問をして申し訳なかったです。でも実際に加工食品には芽止め処置をしたジャガイモが使われることがあるのですね。
これは加工された食品には表示されませんから、私たち消費者には放射線が使われているかどうかは分からないことです。

芽が出たジャガイモをゲット

芽止めをしているジャガイモであったなら、いくら待っても芽が出るはずはありません。今回スーパーで買ったジャガイモにはΓ線が使われているとは書いてありませんでしたが、いつまで待ったら芽が出てくるのでしょうか。
待ちきれず、数人の友達に芽が出ているジャガイモは家にないかと訊ねたら、一人「あるよ」ということで譲って貰う事にしました。

いつもなら芽が出ちゃったとがっかりするところですが、こんなに芽が出たジャガイモが愛しいことは今までなかったですね(笑)

芽が出たじゃがいも

じゃがいもを植えるのにはちょっと時期が遅いですけど、新じゃがが摂れることを夢見て待つことにしてみます^^