フランス料理の高級食材で頭に浮かぶものはなんでしょう?
トリュフ?(これはイタリアでしたね)やっぱりフォアグラでしょうか。
フォアグラはよく高級レストランや結婚式など、おめでたい日の料理にお目見えします。 近頃ではコンビニのお弁当だったか、手軽に食べられる商品も出ているようです。
フォアグラはキャビア、トリュフに並ぶ高級食材。世界3大珍味のひとつです。
ガチョウやアヒルのレバーを使った料理で鴨を使ったものもありますね。
世界3大珍味であり高級食材のフォアグラは、昔から伝わる伝統的な食材だと言う意見とアヒルへの虐待だと言う意見と、見解が2つに分かれる食材でもあります。
知ると食べられない高級食材フォアグラ
フォアグラは人間で言うと「脂肪肝」だと聞いたこともあります。一体どうやってフォアグラは作られるのでしょうか?
一般的にフォアグラは、雛の段階で雄だけを選別します。雄の方が大きな肝臓を持っているのがその理由です。
数か月で大きくなったアヒルやガチョウを、今度は体が動かせないぐらいの檻に閉じ込め、ここからは1日に3回、でん粉の多い高カロリーの餌をパイプで強制的に食べさせます。
これは「強制給仕」と呼ばれています。
運動の出来ない所で高カロリーの餌を強制給仕される訳ですから、アヒルやガチョウの肝臓には脂肪がどんどん付き、通常の10倍ほどに大きくなります。
この状態は、人間で言うと「脂肪肝」の状態です。
もちろんこれは病的ですから、途中で死んでしまうアヒルも続出します。
それも、脂の多いレバーのためです。
生産者は立派なフォアグラを作らなくてはいけないのです。
こちらの動画はおよそ8分。
フォアグラを作るということが、どれほど残酷な行為なのかがカメラに収められています。(残酷なシーンも含まれておりますので、閲覧にはご注意ください)
こちらの動画を見て、伝統だからという一言で済ませる人もいます。ですが、私はそこまで割り切って見ることはできませんでした。
さまざまな意見を巻き起こしながら、このようにフォアグラは作られ続けているのです。
食事は命を頂く事。どこまで犠牲は許されるか
人が美味しいと感じる味は、塩と油(脂)と甘味です。太古の昔からなかなか食べることの出来なかったこの3つを美味しいと感じます。
フォアグラはまさに脂の乗った、人が美味しいと感じる食材なのです。
しかしこのフォアグラ生産の事実を知っては、今後結婚式の披露宴でフォアグラが出されても、それを食べようという気にはなれません。
生産も消費も原産国のフランスが今でも一番ですが、「動物への強制給仕」を禁止、つまり実質フォアグラの生産が禁止された国や地域もあります。
出典 Wikipedia 加工して作成
「動物への強制給仕」を禁止した国と地域
イタリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フォンランド、ポーランド、ルクセンブルク、オーストリアの6つの州
フォアグラの生産を違法としている国
アイルランド、イギリス、スウェーデン、オランダ、スイス
日本でのフォアグラの生産は今のところないようです。全て輸入に頼っています。
食べ物を得るということは、大昔に狩りをしていたように何らかの犠牲はつきものです。
しかし、必要以上の大量生産、犠牲は必要ないのではないでしょうか。
どう考えても、人間の奢りのように見えてしまうのは私だけでしょうか。