母乳は牛の牛乳からできた粉ミルクとは違い、人として成長するためのパーフェクトな赤ちゃん食です。
今回は、その母乳がいかに赤ちゃんの脳の発達に深く関わっているのか、前回の引き続き見ていきます。
(前回の記事はこちらへどうぞ)
母乳にある大事な3つの成分
生きるために必ず必要な活性酵素と赤ちゃんを守る免疫体
母乳には、人が生きていくために必須の酵素が含まれています。これはとても重要なことです。
(酵素について詳しくはこちらの記事へ↓
栄養があっても酵素がなければ死ぬ。病気知らずの長寿の秘訣…酵素の力で免疫力アップ1)
母乳に存在する活性酵素は母乳自体の消化を促し、赤ちゃんに負担をかけないように出来ています。赤ちゃんが病気にならないよう、感染から身を守る免疫体も母乳にはたっぷりあります。
残念ながら粉ミルクには、活性酵素と免疫体、どちらも存在しないのです。
母乳だけがなせる脳の神経・構造形成 脂肪酸
前半記事で少し述べましたが、母乳は体の成長はもちろん、脳を成長させる事を優先したものになっています。
赤ちゃんの脳や脳の神経システムを作る材料となるのは、脂肪酸の中のオメガ3とオメガ6長鎖脂肪酸です。
もうお分かりかと思いますが、母乳にはオメガ3とオメガ6長鎖脂肪酸がありますが、粉ミルクには全くないか、もしあってもごく僅かという報告があります。
色や味で粉ミルクの方が栄養が多いように見えますが、そうではないんですね。
出典 クレージー・メーカー 脳を壊す食品をなぜつくるのか /キャロルサイモンタッチ(著者) 加工して作成
母乳に含まれる各種の脂肪酸も赤ちゃんに必要なホルモンが作られたり、脳の構造が形成されるのに使われています。
強くなる!神経細胞に大きく関わるコレステロール
コレステロールと聞けば悪玉コレステロールをイメージされるかも知れませんが、母乳の中に含まれるコレステロールは、神経細胞を構造的に強くするとても重要なものです。
脳は実に60%が脂肪で出来ています。水分を飛ばすと80%が脂肪です。多くの脂肪と脂肪酸で脳は出来ているのです。
赤ちゃんの時期に脂肪の多い母乳を飲むことはとても重要なことです。
そして授乳中のお母さんの食生活が多少不規則であったとしても、よっぽどでない限り母乳の栄養素は保たれるようなっています。自然の素晴らしい仕組みと言えるでしょう。
地球上に生命が誕生してから500万年。
猿人と呼ばれるアウストラロピテクスが誕生したのが、400万年から300万年前。
旧人類ネアンデルタール人が登場したのが50万年~30万年前と言われています。
こんな長い歴史の中で、人類はずっと母乳で赤ちゃんを育ててきました。
母乳が赤ちゃんの成長に一番良いのは当たり前のことなのですね。
お母さんの愛情たっぷりのおっぱいで、元気な赤ちゃんを育てて下さいね。
次回は良い母乳にするためにできる方法をお伝えします。
次回記事はこちら
母乳を作る・増やすための栄養・食事内容、できることまとめ