たまたま入ったスーパーで、驚きの商品を目にしました。
なんと1リットルの醤油が100円以下です。そんなお値段は考えられません。一体どうなっているのでしょう。

醤油

パッケージにはうまみ本醸造とか、風味を活かすとか香りを活かすなどと書かれています。パッケージ通りなら立派な醤油ですね。その本醸造の原材料はどんなものなのでしょう。

大豆の搾りかすが主原料の醤油

醤油 原材料

名称 こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料名 脱脂加工大豆(遺伝子組み換えでない)、小麦、食塩、大豆(遺伝子組み換えでない)、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、甘味料(カンゾウ)、ビタミンB1

となっています。
たくさんの添加物が並んでいます。表示の上の4つは食材で、下の4つが添加物という事になります。

調味料(アミノ酸等)…いくつ添加物が入っているか分からない

添加物から見ていきましょう。

調味料(アミノ酸等)は一括表示です。一括表示とは、複数の添加物をひとまとめに表示しているものを言います。表示はひとつですが、その中にいくつの添加物が入っているかは、私たち消費者には分かりません。「調味料(アミノ酸等)」とひとまとめに表示しているだけだからです。
調味料として認可されている添加物の数は実に56種類にも及びます。

一括表示 調味料(アミノ酸等)
出典 消費者庁 加工して作成

そしてその中のどれを組み合わせるかは各メーカーによってまちまちです。
極端な話、この全ての添加物を混ぜ合わせていたとしても、「調味料(アミノ酸等)」と表示すれば法律的には何も問題はないのです。

カラメル色素も種類によっては安全性に不安なものがあるなど、添加物の問題は避けて通れません。醤油は頻繁に使う調味料なだけに、健康への配慮は忘れたくないものです。



塩酸を使い化学を駆使して作られた醤油

しかしこの醤油が抱えている問題は添加物だけではありません。原材料の食材と製造過程を調べると、とても醤油と呼べる代物ではありません。

本来醤油は2年程かけて麹の持つ酵素の力を借り、じっくり大豆のたんぱく質はアミノ酸に変え、でん粉は糖に変えて、ようやく旨味成分のある醤油になるのです。

ところがこのような安価な醤油は化学を駆使して添加物の力を借りなければ作れません。
本来なら2年も3年もかかって作られるべき醤油の旨味成分のアミノ酸を、塩酸を使って短時間で大量に作ります。塩酸自体はもちろん劇薬ですが、添加物として認められているのです。

塩酸は、化学反応の後に苛性ソーダを入れて中和させます。中和したので塩酸の毒性は残っていないはずという事になり、塩酸を使ったと表示する義務はありません。
(塩酸の表示義務がないことについて詳しくはこちらの記事へ↓
加工助剤とは?なかったことにされる添加物たち

そしてこのアミノ酸の液体に、本来の醤油の味に劣る部分を数々の添加物で調整したものが安価な醤油になるのです。

こうして伝統ある手間暇かかった健康的な醤油が少なくなっていくのかと思うと、本当にがっかりしてしまいます。
しかもこれでも「本醸造」と謳っているのです。

本物の醤油は2年以上年月を費やした発酵食品

本来醤油は大豆、小麦、塩だけで作られるものです。

醤油の原材料 大豆 小麦 塩

醤油は2年~3年の年月をかけて作られ、美味しいだけでなくアミノ酸酵母菌など、体に有用な栄養素が含まれている素晴らしい調味料です。醤油は美味しいだけでなく、日本人にとってなくてはならない発酵食品でもあるのです。

調味料は毎日使います。

毎日使うのに、化学実験で作られたような調味料は大事な家族には食べさせたくありません。
確かに100円で買える醤油もどきは大変安いです。しかし1リットルの醤油を一度買えば、なくなるのもしばらくかかります。なくなるまでずっと添加物だらけのもどき醤油を使い続けるのは、とても健康的とは言えませんね。
調味料を口にするのは毎日のことですから…

家族の食卓

醤油は味と栄養と添加物のあるなしを考えても、本物の醤油を選ぶ方が賢明だと思います。
2年も3年もかかって作られている醤油でありながら、その年月の割には大変お安い価格だと私は思っています。

ちなみに私がここ数年使っているのはこちらの醤油です。
主人も味が気に入っているようです。

職人醤油

職人醤油

醤油の発祥地の湯浅の醤油ならこちらの蔵元さんが私のお気に入りです。
このお店の前を通ったら必ず購入します。

【昔造りしょうゆ【久保田醤油醸】

どちらも健康的で美味しくて、料理が楽しくなるお醤油です。