肌に優しいと謳われているウエットティッシュの成分を、前回メーカーにメールで問い合わせて聞いてみました。(詳しくはこちら→ウエットティッシュの成分は水だけ?なぜずっと湿っているのか 前編)
次のような成分が入っていました。
「全成分とも使用制限量以下の添加量」といかにも少ししか入っていないと言いたげですが、気になる成分としては次のものがあげられます。
プロピレングリコール、安息香酸、EDTA-2Na(エデト酸塩)
等の、国が危険だとしている表示指定成分です。表示指定成分とは、旧厚生省が石油化学成分の中の成分で、皮膚障害や発癌性などの有害性があると認めたものの事です。
(表示指定成分について詳しくはこちらの記事へ↓
表示指定成分って何?医薬部外品に書かれる成分とは?)
その上、殺菌の為に入れられているベンザルコニウムクロリドはアレルギーを引き起こします。
水を除けばたった7つしかない成分の内の4つが危険成分でした。
その中身を詳しく見ていきます。
肌に優しいはずのウエットティッシュに含まれる成分
ずっと湿っている理由
プロピレングリコールは車の不凍液にも使われています。保湿剤などの目的で使用されるものです。ウエットティッシュが乾かない理由は、プロピレングリコールに保湿作用があるからなのですね。プロピレングリコールを販売しているメーカーに、どのような物質なのかを問い合わせてみました。
食品にも使われるほど取り立てて危険性はないとお聞きしました。(自社製品を危険だとは言わないのは当然かもしれませんが)
仮に目に入ったとしても、すぐに十分な水で洗い流せば問題はないそうです。
しかし繰り返し使った場合の反復暴露については、問題が起こりかねないので出来るだけ使用を控えるというところが多いということです。(このあたりは言葉を濁す感じでした)
プロピレングリコールは他の試験機関においては目に対する刺激性が確認されており、発ガン性はないとされていますが、 大量に経口摂取すると代謝性アシドーシスを引き起こすことがある等、様々な情報が飛び交っています。アレルゲンであるとの主張もあります。
そして見逃してはならないのが、プロピレングリコールは医薬品にも利用されるほど経皮吸収を促す物質だということです。
(経皮吸収とは皮膚から体内に何らかの成分が浸透してくることを言います。詳しくはこちら↓
経皮吸収ってなに?日用品や化粧品が肌から浸透してるの!?)
薬に使用する場合は治療が目的ですが、ウェットティッシュのような日用品になると、危険性がある他の成分の経皮吸収を、プロピレングリコールが促してしまう結果となります。
安全か危険かの意見がまちまちのプロピレングリコールは、気になる成分であることに違いありません。そのような成分はウェットティッシュには入れて欲しくないですね。
(プロピレングリコールについて詳しくはこちらの記事へ↓
保湿剤プロピレングリコール(PG)の危険性とは)
遺伝毒性が否定できない安息香酸(塩)
安息香酸(塩)も多くの日用品に使われています。
じんましんやアナフィラキシーショックの症例がありますが、国立医薬品食品衛生研究所によると、健康な人の強い反応はまれとしています。
一方で安息香酸(塩)の遺伝毒性作用は、否定することができないとも結論付けています。
出典 国立医薬品食品衛生研究所 加工して作成
アレルギーを引き起こす物質であることも確認されています。
敏感な人には注意が必要かもしれません。
出典 国立医薬品食品衛生研究所 加工して作成
人・環境への影響が不安
先のプロピレングリコールも安息香酸(塩)もそうなのですが、実はEDTA-2Na(エデト酸塩)は表示指定成分と言い、国が危険と認めている成分です。
過去に肌トラブルなどの報告があり、異常を引き起こす原因になりうるとされています。
EDTA-2Na(エデト酸塩)の問題点は他にもあります。
EDTA類は生活に関するあらゆる産業で使用されていて、相当な量が使われ、排出されています。自然界で分解されるのが困難なEDTA類は、環境への悪影響が懸念されているのです。
人体だけでなく環境にもよくないですね。
アレルギ―誘発性成分
双方のウェットティッシュに共通するベンザルコニウムクロリドは、一般的によく使われる消毒薬です。多く使用した場合は急性毒性があります。
ウエットティッシュに使用するのには100gの製品に対して0.050gまで、と極少量しか入れられない法律になっています。これ以上は危険ということでしょう。
出典 Cosmetic-Info.jp 加工して作成
ウエットティッシュは拭いた後に洗い流すことはないので、皮膚に成分が付いたままになります。
洗い流すものに配合の規制がないのは、洗い流すと(名目的には)皮膚には残らないということで、危険が少ないとされているからでしょう。
しかし厳密には一瞬で皮膚を通過する危険成分も存在するので、危険成分が含まれた日用品などが皮膚に付いた時点で、安全とは言い切れません。
ウエットティッシュに入っているのは0.050gまでという極わずかな量です。
しかし先のような理由で、極わずかと言っても安全と言う意味ではありません。
逆に見るとごく僅かしか使えない理由は危険性があるからと思われます。
ベンザルコニウムクロリドはアレルギー誘発性物質だという意見もあります。
出典 ガンからの警告 [ サミュエル・S.エプスタイン ] 加工して作成
いずれにしても危険性がある事に変わりはありません。
安全なおしぼり
肌に優しいはずのウエットティッシュが指定成分がいっぱいで危険だったり、除菌効果の高いものにもアルコールや安全性に疑いのある成分が入っていたりします。使うなら成分を確認し、納得した上で使いたいものです。
私はこちらを常備するようにしています。安全なおしぼりは色んな場面で活躍してくれ、お気に入りとなっています。
また、濡れたおしぼりやタオルを持っていく方法もあります。しっかりと日光に干したおしぼりなら水で濡らして持って行っても、そんなにすぐには菌は増殖しないでしょう。
除菌や殺菌ばかりしていると体が持つ本来の免疫が低下するという専門家も多いのも事実です。少しぐらいのばい菌なら自分で打ち勝つぐらいの免疫力は常に持っていたいものです。
清潔すぎるのも考え物かも知れません。
お出かけにはぜひ安全なおしぼりか、濡らしただけのおしぼりを持参して下さい。