食事で最も気を付けていることは何でしょうか?

お子さんがいるご家庭では栄養バランスという答えが一番多いでしょう。しかし、気を付けていても栄養失調になることはあるということをご存知でしょうか。

診察室

まず、私の体験をお読みください。

気を付けていたのに栄養失調に

母の病気をきっかけに健康について勉強を始めた私ですが(詳しくはこちらをご覧ください  管理人ご挨拶)、その過程で、ある日マクロビオティックに出会いました。
※玄米正食といい、玄米を中心として農薬など使用していない野菜、豆類、海藻を多く採り、お肉をなるべく避ける一汁三菜の食事のことです

それをきっかけに、なるべく素材にこだわったものを料理に使おうと心がけるようになりました。当時の私なりに体のことを考え、栄養に気を付けてのことです。
しかしマクロビオティックを続けていくうちに痩せすぎて体調を崩し、なんと栄養失調であると医師に診断されてしまったのです。

doctor

一つ欠けたら生命維持が不可能 栄養素の本当の話

今になって思えば、玄米正食には塩分量が多い事と、栄養素が不足するという現実がありました。
発芽させない玄米食を続けていると、含硫アミノ酸ビタミンB12が不足してきます。

当時の私は、体に必要な栄養素がたったひとつ欠けただけで命に関わる危険があることも知らず、「食べ物には気を付けているのにどうして栄養失調になっちゃったんだろう?」くらいにしか思っていませんでした。

とにかく崩れてしまった体調を元に戻そうと、栄養素に偏りなく健康的でいられる食事を模索しながら、自分の食事を改めて見直しました。
栄養素について、勉強し直しました。
そしてひとつでも栄養素が足りなくなると、死に直結するということを知ったのです。

分子矯正医学

酵素 生命
出典  内田鍼灸院 加工して作成

このままの食生活ではまさか私も、と考えました。

病気持ちではない人にも、栄養素がたったひとつ欠けただけで突然死は起こります。

骨壺

「気を付けている」と「知っている」は違うのだということを、身をもって経験した出来事でした。栄養失調くらいで済んで幸運だったのです。

無知は時に私たちに牙を剥きます。
私はもしあのままの食生活を続けていたら、無知により死んでいたかもしれないのです。

これらを知った私は慌てて、これまでマクロビオティックの教えを基本として、あまり口にしなくなっていたタンパク質もしっかり食事に採り入れ、食生活を改善しました。
もちろん農薬など使用していない安全性の高いものを選びながら、です。

すると体調が徐々に戻ってきてくれました。
平均的な体重になり、感じていた胃痛もなくなりました。

安全性の高い食材を選ぶことに加え、栄養をバランスよく採ることの大切さを身に染みて実感したのです。



摂れてますか? 病気にならないための46必須栄養素

必須栄養素は読んで字の如く、体に絶対に必要な栄養素の事を言います。

その栄養素は

18種類のビタミン
20種類のミネラル
8種類のアミノ酸

です。その合計が46種類あるので、46必須栄養素と言います。
自分の体内では作れない栄養素です。
常に体内に摂り入れていく必要があります。

 

厚生労働省 栄養指導

 

上図は厚生労働省のⅢ栄養指導(下線は加工して作成)ですが、ここにもこう書いてあるとおり、なるべくたくさんの種類のものを食べるように心がけている方も多いと思います。
特に不足しがちなビタミンやミネラルも、野菜や果物を食べることで、体に摂り入れられると考える主婦の方は多いのではないでしょうか。

しかし最近では農薬や栽培方法の変化などの影響で、本来含まれるビタミンやミネラルの含有率が下がっています。
野菜、果物に含まれる栄養素が劇的に減ってきているのです。

野菜 果物

作物の栄養素が激減!原因は地球温暖化の中に…

科学技術庁の日本食品標準成分表のデータで比較してみましょう。

100gあたりのカルシウム 昭和38年 昭和57年 平成12年
ほうれん草 98mg 55mg 49mg
大根 190mg 30mg 24mg
かぼちゃ 44mg 17mg 20mg

ほうれん草を例にとっても、100g中のカルシウムは98㎎→49㎎に減っています。
ほうれん草は野菜の中でも栄養の塊のように言われていたのに、今やそうも言えません。

ビタミンCも見てみましょう。

100gあたりのビタミンC 昭和38年 昭和57年 平成12年
ほうれん草 100mg 65mg 35mg
大根 90mg 15mg 12mg
かぼちゃ 20mg 15mg 16mg

ほうれん草で言うと100g中のビタミンCは100㎎→35㎎と、約3分の1に減っています。
昔と同じ量の栄養素を摂るためには、2倍、3倍も食べないといけない事になりますね。

鉄分は昭和26年と平成12年を比較してみてください。

鉄分 昭和26年 昭和57年 平成12年
ほうれん草 13.0mg 3.7mg 2.0mg
大根 1mg 0.3mg 0.2mg
りんご 2.0mg 0.1mg 0mg

ほうれん草で言えば100g中に含まれる鉄分は13㎎→2.0㎎となっています。
これでは、貧血の時にほうれん草を食べなさいとは言えませんね。

これは全ての野菜、果物に言える事です。

栄養素の量が少なくなってしまっていて、昔と同じ量の食べ物を摂っているだけでは体に必要な栄養素は不足します。
近年は地球温暖化が進み、植物の栄養は更に減る傾向にあります。

地球温暖化 作物
出典 Gigazine 加工して作成

健康でいるためには、46必須栄養素は必ず摂る必要があります。
その一つでも欠けると、人は生きていくことは出来ないからです。

地球温暖化もかなり深刻ですが、こういう時だからこそ、少ない栄養素を効率的に多く摂り入れていかなくてはいけません。

 

実は栄養素には吸収におけるルールがあります。

たくさん栄養を摂ったつもりでも、全く吸収されずに体外に排出される場合もあります。
気付かないまま栄養を補い損ねたら「突然死」です。

その栄養のルールについては、こちらをご覧ください。
サプリも効果なし!?栄養吸収の条件、46必須栄養素の話