こんな鶏胸肉のハムっぽいものを店頭でよく見かけるようになりました。食べきりサイズの蒸し鶏です。

国産ムネ肉 鶏ハム

鶏胸肉はカロリー低め、高たんぱくなのでとても良い食材だと思います。有害な添加物が入っていなければですが…ちょっと見てみましょう。

蒸し鶏 原材料

名称   蒸し鶏
原材料名 鶏肉(国産)、しょうゆ、食塩、砂糖、チキンエキス、でんぷん、香辛料、植物油脂、pH調整剤、加工でんぷん、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、グリシン

添加物がいくつか入っているようですね。詳しく見ていきましょう。



複数の添加物をまとめて表示する一括表示

入っている添加物としてはpH調整剤、加工でんぷん、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩、グリシンの5つです。

pH調整剤調味料(アミノ酸等)はどちらも一括表示が許されている添加物です。
一括表示とは、同じ目的で使用するならいくつ成分を入れても1つの名称で表示して良いというものです。「同じ目的」とは「保存のため」「味付けのため」などですね。複数の成分をひとまとめに表示しているのです。

1つの名前で表示されているので見た感じはたった1つの添加物のように見えますが、実際は何種類もの添加物が入っていることになります。
どの成分がどれだけ入れられているかは私たち消費者には全く分かりません。少ないことを願うばかりです。

一括表示の例

調味料(アミノ酸等)には現在56種類の成分がひとまとめに使うことを許されています。
単体のうまみ成分では味が単調だということで、調味料(アミノ酸等)の中には様々な化学物質が入るようになりました。

今では調味料(アミノ酸等)は、20種類近くの化学物質を入れているものもあるようです。が、それでも表示は「調味料(アミノ酸等)」だけで良いのです。これが一括表示と言われるものです。

pH調整剤もいくつの成分が入っているかわかりません。10近くの添加物が入っている可能性も、それ以上の可能性もあります。それでも一括表示が許されているので表示は「pH調整剤」という1つの名称だけで済みます。

pH調整剤としか表示されないので、どれだけ多くの添加物が入っているのかは私たち消費者にはわかりません。
(一括表示について更に詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

リン酸塩

リン酸塩は何にでも使えます。添加物界の便利屋的な存在でしょうか。

リン酸塩は中華そば、春巻き、シューマイ、チーズ、魚肉練り製品、ドーナツ、日本酒など…多くの食品に使われていて、過剰摂取が問題視されている成分です。
種類も数多く、私たち消費者にはどの種類のリン酸塩がどれだけ使われているかは全く分かりません。

リン酸塩は摂りすぎると甲状腺機能亢進症や石灰沈着、血中のカルシウムの減少にも繋がる可能性があるため注意が必要です。

グリシン

グリシンもよく目にする添加物です。アミノ酸の一種で、弁当、おかず、パンなどに入れられている事が多いようです。
急性毒性が強いという見方もあり、動物実験では実際にラットの死亡などが確認されています。

グリシン
出典 食品安全委員会 加工して作成

しかし平均的な摂取量では安全性上の懸念はないとされ、使用許可が下りています。だからと言って丸腰で安全だとは言い切れない成分かなと私は思います。

今回見たコンビニの蒸し鶏には表面上は添加物が5種類、一括表示を考え合わせると、最低でも7種類の成分が入っていました。(一括表示はいくつ入っているかわからないため、もっと多くの添加物が使われている可能性もあります)

しかし一方で、実はスーパーで並ぶ蒸し鶏の方が添加物が多かったりもします。

コンビニでは最近は自社工場で独自に生産する事が多くなってきており、これでも添加物はかなり少なくなっています。
一食分のおかずも豊富で価格も安いので、何かの時はとても便利に活用できると思います。でも、毎回コンビニのみの食事は考えものかもしれません。

添加物のないお肉や魚、野菜、果物から、しっかり栄養を摂るように心掛けたいものです。

簡単おいしい安全の手作り鶏ハムレシピ

私が時々作る簡単な鶏ハムを紹介します。

材料

鶏胸肉 1~2枚(皮は取ってもよい)
調味料 塩少々(多めでもおいしい)、料理酒少々
※お好みで塩麹、ハチミツ、料理酒など加えても美味しいです

作り方

鶏胸肉を調味料につけこみ、半日~2日冷蔵庫で味をなじませます。
今回は塩麹とはちみつにしてみました。

塩麹と蜂蜜に漬けた鶏肉

味がなじんだら沸騰したお湯にこの鶏胸肉を入れ、入れた瞬間から数えて60秒ほどそのまま沸騰させておきます。(時間は鍋と鶏の大きさによりますが、どこのスーパーでも見かける平均的な大きさの鶏と、その鶏が入る大きさの鍋です)

鍋に入れる前に(塩麹など)気になるようであれば表面をさっと洗い流しても良いでしょう。
60秒が経てば火を止め、そのまま鍋ごと冷めるのを待ちます。鶏胸肉を入れたまま放置することで予熱で中まで火が通り、柔らかくしっとりジューシーな鶏ハムになります。
正直コストの面でもお味の面でも、正直市販のハムに引けを取りません。

自家製鶏ハム

調味料にハーブや香辛料を入れてもまた味が変わって美味しいです。
これなら簡単で、入れる必要のない添加物も入っていませんし、下にレタスをひいてプチトマト等で飾れば見た目とても立派なご馳走です。

 

切った自家製鶏ハム

残った鶏スープで野菜など入れて味を調え直すと、スープとしても1品できあがりです。そして今回見たような鶏ハムよりも、ずっと安くてお得ですよ^^
ぜひ一度お試しくださいね。