2月下旬、ネットを見ていて気になる文面が目につきました。
「毎日飲むだけで血圧が下がる」という内容で特定保健用食品(トクホ)に認定されており、効果があると言うのです。

特定保健用食品(トクホ)

年をとると血圧は自然に上がってきますね。とはいっても高すぎるのもちょっと怖い気がするので、薬ではなく食品で下げることが出来るのならありがたい事です。
ということでちょっと調べてみる事にしました。

特定保健用食品にまさかの豊富な添加物

トクホに認定されているものはトマトのお酢です。
トクホとは、「体に良い成分の入っている国が認可した食品」だと言えます。

特定保健用食品(トクホ)とは

テレビでも「特定保健用食品、トクホ」と宣伝しているのを見かけます。清涼飲料水が多いような気がしますが、ただのソフトドリンクよりこちらを選びたくなりますね。
そこで今回目にしたトマトのお酢の清涼飲料水の成分に注目してみました。すると、このように書かれていました。

トマトのお酢 原材料

品名 清涼飲料水

許可表示(保健の用途)

本品は食酢の主成分である酢酸を含んでおり、血圧が高めの方に適した食品です。
原材料名 醸造酢(トマト酢)/果糖ぶどう糖液糖/エリスリトール/香料/酸化防止剤(ビタミンC)/甘味料(アセスルファムK、スクラロース)/トマト色素

これには驚きです。
特定保健用食品に認可されている理由は、メインである醸造酢のトマト酢に血圧を下げる作用があるようなので、その点が認められたようです。

確かに酢は健康に良いとされる食材ではあります。ですがこの内容を見るとでんぷんから強制的に糖に変えたものから始まり、添加物のオンパレードです。
合成の香料、酸化防止剤。トマト色素は単純にトマトを絞ったものではなく化学を駆使して抽出したものかもしれません。



人工甘味料の恐ろしさ

この中でも特に怖いと思うものは甘味料のアセスルファムK、スクラロースです。
アセスルファムKは数々の動物実験を行い、マウスによる実験で雄にアセスルファムKを10.000㎎/㎏与えた場合、全て死亡しています。

アセスルファムK (1)
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団  加工して作成

そして最終的に一日の摂取量が決められ、人の場合15mg/㎏とされました。

安全性を確かめるための毒性実験ですが、たくさん使うと死亡するらしいから少ない量にしておこう、という判断のように見えなくもありません。
はっきりと安全性の断定はされず、これぐらいが適量だろうとしているわけです。

またアセスルファムKはカロリーがないため体内では代謝が行われず、そのまま体外に排出されることになります。
下水処理されにくい物質なので、 そのまま川や湖や海に流れて行きます。つまり人工甘味料をとることは水質汚染の原因となり、長きにわたって汚染され続ける可能性が高いということです。

スクラロースを強制経口投与した実験では、胃腸障害や妊娠したウサギの一部で流産や死産が起きています。ウサギはデリケートな動物なので、これだけでスクラロースが危険とは断定できませんが、ごく一部でそのような結果となったのは事実です。

スクラロース
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団  加工して作成

アセスルファムKと同様、スクラロースは下水処理されにくくカロリーも殆どないため、代謝されずに体外へ排出されると予想されています。
代謝されずに河川へ流れ込んだ人工甘味料は、それ自体が半分の量になる半減期が数年もかかることも報告されています。

つまり人工甘味料をとることは水質汚染の原因となり、長きにわたって汚染が続く危険性があるのです。安易に甘味料を摂るのは考え物ですね。

トクホだからと安心できない体制

消費者庁によれば、特定保健用食品の許可を得るまでには下の図のような手続きが必要となっています。

トクホ許可の流れ
出典 消費者庁

メーカーの申請から、消費者委員会→食品安全委員会→消費者委員会→厚生労働省→(独)国立健康・栄養研究所または登録試験期間を経て、やっと消費者庁長官の許可が貰えるようになっています。

特定保健用食品(トクホ)の表示ができるということは、たくさんの専門機関で審査し全てに合格していることになります。どこの機関もダメだとは言わなかったことになりますね。

しかし今回見たトマトのお酢のように、添加物の多い食品もこの審査に通っていたりします。これだけ多くの審査機関があるのに、どこも「これはいけない」とは言わなかったのです。

健康のためのトクホです。
健康的とは言い切れない添加物入り食品を合格させてしまうなんて、本当に審査の意味はあるのか、なんとも不思議な気がします。

メーカーは「国の認可を頂いております」といつもそれを盾に持って来ます。
ですが世界各国安全性の基準はまちまちです。
特に日本は安全性に関しての基準は低いお国柄なので、これを見ても国の認可は甘いとしか言いようがありません。

特定保健用食品(トクホ)だからと、100%安心して摂るわけにもいかないようです。
特定保健用食品も内容を十分検討して選ぶほうが良いですね。

※今回取り上げたトマト酢のメーカーは、2016年3月1日に消費者庁から健康増進法で誇大広告と勧告を受けました。ニュースで見られた方も多いと思います。
記事をアップしようと思った矢先のニュースでしたので、アップをずるずる先延ばしにしてしまいました。