トイレは毎日掃除しても、黄ばんだり匂いが気になったりしますよね。
トイレ掃除にはトイレ専用の洗剤を使う事が多いと思います。トイレの洗剤の成分には危険はないのでしょうか。
随分昔からある大手メーカーのトイレ洗剤を見てみましょう
主成分は塩酸
成分 塩酸(9.5%)、界面活性剤(アルキルトリメチルアンモニウム塩)、洗浄助剤
液性 酸性
トイレ用洗浄剤の成分はご覧の通りとなっており、原材料のすぐ下には
目に注意
子供に注意
危険 重篤な皮膚の薬傷・目の損傷(JSDA-GHS)
と注意を促すマークと文字が書かれています。
使用上の注意と応急処置を見ると劇薬らしい
使用上の注意はこうなっています。
原液の飛び出しに注意。
目や皮膚、衣類に原液が付かないように注意。
子供の手が届くところに置かない。
とにかく体に直接付くことを避けるように勧告していますね。応急処置を見ると危険性がよくわかります。
すぐに流水で15分以上洗い流す。
飲み込んだ時はすぐ口をすすぎコップ1~2杯の水を飲ませる。
目に入った時も飲み込んだ時も、どちらも直ちに医師に相談しなければなりません。
「万が一皮膚に付いた時は石鹸と水で充分洗い流す」としていますが、「異常がある場合は商品を持参した上で医師に相談する」となっています。
トイレ洗剤の主成分は塩酸です。塩酸は大変危険な物質です。
科学者か学校の理科の実験でしか使えない危険なものだと思っていたのに、全く普通にスーパーで並んでいる日用品に入っていたのです。これはかなり怖いことだと思います。
警告マークの意味を理解して買う消費者はいるのか?
出典 日本石鹸洗剤工業会
このあまり見慣れないマークは、日本石鹸洗剤工業会により、危険有害性の表示が必要と判断された製品のラベルの表示に使うようにと決められたものです。
洗濯洗剤から台所洗剤、住宅用、漂白剤、柔軟剤、消臭剤など、数多くの製品に付けられているようです。
出典 日本石鹸洗剤工業会 加工して作成
日本石鹸洗剤工業会には、他にもどくろマークや感嘆符など、注意を勧告するマークが決められていました。
下の図は表示の優先順位です。
出典 日本石鹸洗剤工業会
今回調べて私が思った事は、果たしてどこまでこのマークは理解されているのか、このマークの意味を理解した上で買う主婦がどのくらいいるのか、という事です。
どくろマークは確かに危険そうに見えますが、購買を決める一般的な基準は、使いやすさと価格だと思います。
安全性とか危険性は、まだまだ優先順位の高いところには無いように感じます。
メーカー側は製品が危険だとはなかなか言いません。良い部分しか宣伝しないのが普通です。マイナスの部分は私たち消費者には伝わってきません。
これらのことを周知するには、国を挙げての学校教育しかないような気がします。
ヨーロッパにおける日用品から身を守るための学校教育
日用品の安全性については、ヨーロッパが一番先をいってるのではないでしょうか。長年ドイツに住んでいた友達は、安全性や環境、健康に関する意識が日本とは格段に違うと言います。
EU諸国、特にドイツでは日用品も食品も安全であるのが当たり前、危険性のある物質が使われていない事が大前提だと言います。
ヨーロッパではその危険成分を学校教育の中で教えるそうです。子供から大人まで何が危険な成分なのかという知識があり、日用品の購入に役立たせているのです。
もちろん日本でも「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)や、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)など、食品の分野でも食品衛生法をはじめ、安全に関する法律が存在します。
しかし法律はあっても、日本人は危険な成分をどれ程知っているでしょうか。
危険な物質の名前はと訊かれた時に、どれぐらいの名前が出てくるでしょうか。
サリン、塩酸、硫酸、砒素、鉛、水銀、カドミウム…おそらく10個も出てこないように思います。そもそも日用品や化粧品に危険な成分が入っていることさえ、知らない人も多いかもしれません。
日本の経済ももちろん発展してもらわなければなりませんが、経済よりまずは安全を優先すべきではないかと私は思います。
おすすめはこちらの洗剤です。スプレー式になっており、トイレだけでなくお風呂場や台所にも使える安全な製品です。洗剤独特の鼻をつくようなにおいもなく、こういったものがたくさん出てきてくれたらなぁ、と思います。