夏でも冬でも温泉って良いですよね。
家庭で温泉気分を味わえる入浴剤は人気です。種類も多くて選ぶ側も迷うのじゃないでしょうか。

森林浴 入浴剤

そんな中でひとつ、森林浴気分が味わえそうな入浴剤を見つけたので見てみます。

天然を謳った森林浴気分の入浴剤

パッケージの表には、心惹かれる内容が書かれています。

「天然 アロマ香料配合」
「温泉ミネラル成分」
「天然 ホホバオイル」

とありました。内容成分はこちらです。

入浴剤 原材料

有効成分 乾燥硫酸ナトリウム、炭酸水素Na
その他の成分  L-グルタミン酸ナトリウム、ホホバ油、デキストリン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
無水ケイ酸、香料、黄202(1)、青2、青1

有効成分の乾燥硫酸ナトリウム、炭酸水素Naは温泉に含まれている一般的な有効成分です。

これだけでは天然成分から抽出した物かどうかは分かりませんが、天然の有効成分を入れていたら、とても数百円の価格で店頭に並ぶとは考えられません。石油由来の合成の成分と見るのが妥当です。



触れたくない危険な成分入り

またその他の成分でホホバ油は入っていますが、表示指定成分のタール系色素である黄202(1)、青2、青1も入っています。
森林浴風に見せるため緑色になるように入れられているのですね。絵具と一緒で、合成のタール系色素の黄色と青を混ぜれば緑色になります。
この黄202(1)、青2、青1は表示指定成分です。表示指定成分とは有害性がある成分のことです。
(詳しくはこちらの記事へ↓
表示指定成分って何?医薬部外品に書かれる成分とは?

タール系色素の青色1号は発癌性の疑いで、EU諸国では禁止されています。青色2号も動物実験の結果から、ノルウェーでは禁止されています。
アメリカの癌予防連盟会長、サミュエル博士の本には、青1と青2は明らかな発ガン性物質であると書かれています。

明らかな発癌性物質 タール系色素
出典 ガンからの警告 [ サミュエル・S.エプスタイン ] 加工して作成

その上香料も入っています。複数の成分を一括にまとめて一つの名前で表示しているだけなので、「香料」と表示は一つでもその中に何がどれだけ入っているか分かりません。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

香料はタール系色素と同様に、表示指定成分でもあるのです。危険とされている成分なのですね。
匂いですからその成分が鼻から粘膜吸収し、あっという間に脳や体中に回ります。

粘膜吸収 例

この匂いが安全なものなら問題ありませんが、有害成分で作られた香料なら危険です。(安全が確認されている香料もあります)そして香料入りの製品をお風呂や台所で環境に流すと、悪影響を及ぼすことも分かっています。

合成香料 環境汚染
出典 熊本大学大学院自然科学研究科 加工して作成

これらの有害成分が、お風呂に浸かると皮膚から体内へ入ってきます。
この皮膚を通して何らかの成分が体内に入ってくる作用は経皮吸収と言い、ニコチンパッチや湿布として医療にも活用されている性質です。しかしこの場合は意図しない有害成分が勝手に体内へ浸透するということで、健康被害のリスクが高まる危険性があります。
(経皮吸収について詳しくはこちらの記事へ↓↓
経皮吸収ってなに?日用品や化粧品が肌から浸透してるの!?

パッケージの謳い文句はあてにならない

一括表示の香料や表示指定成分のタール系色素は気になるところですが、私は表のパッケージの

「天然 アロマ香料配合」
「天然 ホホバオイル」

がとても目を引き、気になりました。

本当に天然のものがそんなに多く入っているのでしょうか。
気になったのでメールで聞いてみることにしました。問い合わせた内容はこちらです。

入浴剤 質問 問い合わせ

返事は来ましたが転記はダメだという事なので、簡単にまとめると、有効成分は乾燥硫酸ナトリウム(芒硝)、炭酸水素ナトリウム(重曹)、ホホバ油だという事です。
しかしこちらは全て天然由来のものではなく、化学合成成分の配合もあると書いてありました。その割合までは教えては貰えませんでした。

また、「天然 アロマ香料配合」については、ヒバから抽出したエッセンシャルオイルをブレンドした、天然アロマ香料配合の香りという事でした。メールの最後の方には

「しかしながら、天然香料のみではなく、一部合成香料の配合もございます」

と書かれていました。こちらも配合の割合は教えては貰えませんでした。

安全なおすすめ入浴剤

天然アロマのエッセンシャルオイルは100%ピュアなもので市価の相場は、例えばラベンダーなら、10ミリリットルで1500円~5000円程度でしょう。種類によっては桁はひとつ違ってきます。とすると、ヒバから抽出したエッセンシャルオイルをブレンドと書かれていますが、どう考えても合成香料の方が多いと思います。
有効成分にしてもアロマ香料にしても、安心安全な成分だけで作るには価格が折り合わないからです。

パッケージのみを見る限りでは、全てが天然由来で出来ているように見えます。
しっかり調べてみないと消費者は騙されてしまいますね。

自宅で温泉気分を味わうなら天然の湯の花を使うのも良いですが、お風呂によっては使えないこともあるようです。そこで私は温泉のようにリラックスできる泡風呂入浴剤を使っています。

バブルバス

体に有害な塩素も除去するタイプで、毎日お風呂が楽しみです。
このような安全な入浴剤が増えてくれると良いなと思います。