お家でお味噌汁を作る時のお出汁はどうされてますか?お出汁の素を使っているという方も多いのではないでしょうか。

簡単だから出汁の素を使うけど、「うちは化学調味料は使いません。天然だしです」とこだわっている方。
成分表示は確かめているでしょうか?

お出汁

今回はスーパーに並んでいる各種お出汁の素を見てみましょう。

添加物もあるのに「100%〇〇産」

きちんとかつお節の製造場所が記され昆布の産地もしっかり書かれ、100%そちらの昆布を使用していると記載があるお出汁がありました。
かつおと昆布の合わせ出汁と大きく書かれています。
本当にこのふたつをミックスさせたお出汁なら、相当美味しいお味噌汁ができますね。

成分表示はこうなっていました。

風味調味料(かつおと昆布の合わせ出汁) 原材料

調味料(アミノ酸等)、食塩、砂糖類(砂糖、乳糖)、風味原料(かつおぶし粉末、こんぶエキス)、酵母エキス


となっています。どうやらかつお節と昆布だけではないようですね。

食品の表示についてはJAS法で表示方法が決められています。
先に原材料、次に添加物という表示の順になっており、さらにそれぞれが量の多い順に並んでいます。このようなイメージです。

成分表 表示

まずは原材料で量の多い順から先に並べて表示し、次に添加物の表示が来て、これも量の多い順に並んでいるのですね。

今見ているものの場合、添加物である調味料(アミノ酸等)が一番前に来ていますよね。
そして後ろの方に風味原料(かつおぶし粉末、こんぶエキス)となっていますが、こんなに後ろにあるということは…

表示の前後

これは一体どういうことなのか、とにかくメーカーさんに問い合わせの電話をしてみました。

【問い合わせ】「100%〇〇産」のお出汁に一番多く入っていたのは?

一番最初に書かれている調味料(アミノ酸等)の中身は、グルタミン酸Na、イノシン酸Na、グアニール酸Naの3種類ということでした。
(調味料(アミノ酸等)は、複数の添加物をひとまとめにして1つの名前で表示できる一括表示です。詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

風味原料とされているかつおぶし粉末は、記載してある土地の工場で生産。
こんぶエキスは、簡単に言えば、こんぶをお湯で煮出したエキスの粉末だそうです。
最後に書かれている酵母エキスは、ビール酵母パン酵母ということでした。

本来なら食材が先に書かれ、次に添加物が書かれるのが基本ですが、製品によっては必ずしもそうでなくても良いという法律になっているので、入っている量の多い順に記載しているのだそうです。
という事は一番多く入っているものは添加物の調味料(アミノ酸等)になるということですね。

パッケージを見たら、一番多く入っているのはかつお節と真昆布だと普通なら思うでしょう。誰も化学調味料が一番多いとは気が付かないはずです。
確認してみると、このようにキャッチコピー通りではないことがわかります。



なんだかおかしい粉末タイプのお出汁の中身

他の粉末のお出汁はどうでしょう。表には大きく

かつお節にこだわり鰹〇〇節100%使用
      +
うまみを凝縮 濃縮鰹エキス

とあります。
昆布は入っていないものの、かつお節で勝負という感じですね。中身はかつお節だけでしょうか?成分表示を見てみましょう。

粉末出汁 原材料

ぶどう糖、調味料(アミノ酸等)、食塩、風味原料(かつおぶし粉末、かつおエキス)、酵母エキス

こちらもかつお節だけではないようです。 原材料のかつおらしいものは後ろの方に記載されています。
くどいようですが、JAS法ではまず原材料になるものの量の多い順から先に並べて表示し、次に添加物の多い順に並べて表示すると決まっています。
この表示にも、なんだか色んな疑問が浮かんできませんか?

ネーミングを信じ切ってはいけない

こちらのメーカーさんにも問い合わせたところ、調味料(アミノ酸等)の中身はグルタミン酸Na核酸の2種類でした。最後に書かれている酵母エキスは、トルラ酵母で味に風味や深みを増すために入れているそうです。
確認のために「表示してある順番は入っている量の多いもの順ですか?」と聞くと、「そうです」とのお答えでした。

やはり原材料の次に食品添加物という順ではなく、入っている順に記載しているそうです。という事はぶどう糖が一番多いということになりますよね。
出汁に初めからぶどう糖ってどうなんでしょう?肝心のかつお節はどうなったのでしょうか。

またしても、ネーミングへの期待感が外れてしまったようです。

味は添加物が作る?真実と異なる商品ネーミング

ここで私が疑問に思うのは、パッケージにはかつおと昆布のあわせだしと書かれていたり、かつお節にこだわり鰹荒本節100%使用と書かれていて、いかにもかつお節や昆布だけで作られているようなネーミングなのに食品添加物が入っている事。
そして一番多い原材料がその食品添加物の調味料(アミノ酸等)だったり、ぶどう糖だったりするという事です。

肝心のかつお節、昆布は後ろの方に記載されていますから、少ない量しか入っていない事になります。
味の決め手になるのは、たくさん入っている添加物だという事です。

お出汁の味の決め手

また食品の扱いになっている酵母エキスは名前が「酵母」で良さそうな感じはしますが、実際には簡単な化学合成で無理に作られた酵母です。
ビール酵母の場合ビールを作った時の搾りかすである部分の蛋白質を、酸や酵素などを加えて人工的にアミノ酸を作り出したものです。自然に発酵したアミノ酸ではないということですね。

食品の位置づけにあるので添加物ではありませんが、強制的に作られた化学物質が今後どのように体に作用するかは、まだ誰にも分からないと言えるでしょう。
はっきりと安全だと分かってから食品に使ってほしいなと思います。

 

こうやって見ていくと、便利な即席のお出汁には色々なものが入っていますね。
煮物や味噌汁の出汁は結構簡単に取れますし、添加物のリスクを考えたら自分でお出汁を取る方が良いと私は思います。
いりこや昆布は前日の晩から水の入った鍋に入れておくと、翌朝とても良いお出汁が出るのでぜひ一度お試しください。

また、安全な食材を扱う団体やショップで、オリジナルのだしパックが扱われています。そういうところでパックを探すのも良いと思います。
例えばこちらもそうです。安心できる原材料で作られたお出汁ですね。

【食塩未使用】和風だし 無添加・国産天然だしパック

ひとり分の味噌汁簡単レシピ

安全な出汁パックを開け、半分だけ中のお出汁の粉末をお椀に入れます。
味噌を一人前お椀に入れて、豆腐や麩、刻んだねぎを入れて熱湯を注ぎます。
これでお鍋要らずの一人味噌汁の出来上がりです。

たった一人のお昼ごはんの時に時々作ります。簡単ですよね。
おいしいお出汁で、健康的な温かいお味噌汁を作ってくださいね。