髪の悩みは老若男女、いくつになってもあると思います。
シャンプーを変えたりして悩みを解決しようとする人も多いようです。しかしそのシャンプーには、実は危険な成分が多く含まれていたりします。

シャンプーする女性

今回はそんなシャンプーのお話です。

毎日髪を洗うようになったのは最近の話?

余談になるかもしれませんが、まず洗髪の歴史を見ていきましょう。
今では毎日の洗髪が当前ですが、昔はこれほど頻繁に髪を洗う習慣はありませんでした。

平安時代の洗髪は年に一回程度。
髪の匂いを消すために箱型枕の中に香炉を置き、白檀などの香りを髪に染み込ませていました。衣服にも香を炊き込めていたようです。
江戸時代には、月に一度から二度ほどの洗髪でした。

今の時代からすると回数が少なくて驚きですね。

近年明治時代になると石鹸の製造が始まりました。明治6年のことです。値段が高いという事もあり、普及には少し時間がかかりました。

せっけん

昭和に入ってもたいていは週に一度程度の洗髪でしたが、昭和30年に入ると石油系の安価な洗剤が使われるようになり、40年代には、その安さと手軽さから石油系のシャンプーが主流となったのです。

毎日のようにシャンプーが手軽に行えるようになったのはここ数十年の間であり、習慣的になったのは最近のことだと言えます。

なかなか行えなかった洗髪がこんなに気軽に行えるようになったのは、シャンプーが石油系の洗剤であるがゆえに、安価に普及することができたからなのです。

でもそれは実は安全な製品ではありませんでした。安価にスピーディーに世間に普及した栄光の影に、健康を害する落とし穴があったんです。



シャンプーに含まれる危険成分

今の主流となったシャンプーの中身はどうなっているでしょうか。
多くの流通しているシャンプーの中に気になる成分名がいくつかあります。ラウレス硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、香料等です。

ラウレス硫酸ナトリウムですが、正式にはポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムと言い、SLESと書かれることもあります。

ところでこれとは別に、ラウリル硫酸ナトリウムという成分があります。
とても名前が似ていると思いませんか。

ラウリル硫酸ナトリウムは陰イオン性の界面活性剤です。SLSや、トリエタノールアミンと表示されることもあります。乳化剤や洗浄剤、泡立ちのために使用されます。

実はこれは非常に有害な化学物質で、表示指定成分となっています。
表示指定成分とは国が危険だと認めている成分のことです。現在は全ての成分が製品に表示されていますが、昔は国が危険だと認めた成分だけを表示するスタイルでした。
その「表示する組」の中に入っていた成分なのです。
(ラウリル硫酸ナトリウムについて参考記事はこちら
【注】歯磨き粉を飲みこんだら毒物コントロールセンターへ

 

さて、今話題に上げているラウレス硫酸ナトリウムも、ラウリル硫酸ナトリウムと同様に陰イオン性の界面活性剤です。
ラウリル硫酸ナトリウムよりも刺激が少なく残留性が低いとされていますが、洗浄力は優れており、大事な頭皮の油分をとりすぎてしまうほどです。

シャンプー

ガン予防連合会長のサミュエル博士の著書では、先ほどのラウリル硫酸ナトリウムは明らかな発ガン性物質とされ、そしてこのラウレス硫酸ナトリウムは「隠れた発ガン性物質」だと書かれています。
隠れた発ガン性物質とは、それ自体に発がん性はほとんどなくても、体の中に入ってきた時に発ガン性物質に変わる物質の事を言います。

ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムには要注意です。

プロピレングリコール(PG)

プロピレングリコールは略してPGと書かれている事もあります。
保湿剤、乳化剤、殺菌剤、溶剤等の目的で使用され、シャンプーには主に保湿剤として入れられています。様々な日用品に入っており、なんと食品にも使われています。

プロピレングリコールは、アレルギーを引き起こすアレルゲンだと主張する専門家もいます。

プロピレングリコール アレルゲン
出典 ガンからの警告 [ サミュエル・S.エプスタイン ] 加工して作成

まだ解明されてはいないものの、発ガン性が疑われている成分でもあります。

プロピレングリコール 発がん性の疑い
出典 ガンからの警告 [ サミュエル・S.エプスタイン ] 加工して作成

そしてプロピレングリコール(PG)は日本においては表示指定成分となっていました。先のラウリル硫酸ナトリウムと同じように国が危険だと認めた成分なのですね。

発ガン性物質があるかないか、アレルゲンになるかどうかも気になりますが、諸外国と比較して規制の緩いこの日本においても危険とされていることにPGに対する危機を感じます。今のところ、安全とは言い難いものだと思います。
(プロピレングリコールについて詳しくはこちらの記事へ↓
保湿剤プロピレングリコール(PG)の危険性とは

香料

合成の香料はアレルギーを引き起こすものも多く、毒性が不明なものも多くあります。こちらも表示指定成分で、危険だと言われている成分です。シャンプーや香水、シェービング剤、化粧品等、多くの製品に含まれます。
環境への影響や、母乳を通して乳児に移行するなどさまざまな意見が出ています。

香料 母乳
出典 熊本大学 加工して作成

ここまで見ただけでも、危険な成分や発ガン性物質、アレルゲン等々、どうやら一般的なシャンプーは安心して使うのはかなり難しいようです。

このような成分を使わずに、安全なシャンプーを製造するメーカーさんは結構あります。まずはパッケージの成分表示を見て、表示指定成分であるラウレス硫酸ナトリウムやプロピレングリコール、香料の入っていないものを選ぶ方が良いかもしれません。

香りが欲しいなら、天然のハーブはいかがでしょうか?
私は4種類のハーブが入った地肌をスッキリ洗えるシャンプーを使っています。少し値はお高く感じますが、濃縮タイプなので結果的にお買い得なのも気に入っています。

シャンプー

ラウリル硫酸ナトリウムが入っていなくても泡立ちも良いです。このような安全なシャンプーが増えてくれることを願っています。