以前調べたところ、アメリカ産の牛肉は工場のような所で、薬を多用して育てられる場合があると知りました。
この事実を知ってからは、価格が安くてもアメリカ産の牛肉は選びにくくなりました。日本産の方が良いような気がするのです。
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牛肉は高カロリー食・ホルモン剤・抗生物質で思い通りの品質へ。

でも本当に国産が良い、安全だと言い切れるのでしょうか?
美味しい霜降りには、知ると食べたくなくなるような事実が隠れていました。

国産と和牛の違い

まずはお肉の種類について、私自身長年疑問だったことを簡単にまとめてみます。
スーパーの牛肉売り場に行くと、パッケージに「国産」「和牛」と書かれたものがありますね。「どっちも日本国産じゃないの?」という声が聞こえてきそうです。違いは何なのでしょうか。

国産と和牛の違い

国産牛と和牛の定義はこうです。

海外生まれであっても一番長く育った国が日本なら国産
生まれも育ちも日本なら和牛と表示できる

上記は日本の農林水産省のガイドラインです。あやふやなこの表示はこういうことだったのですね。



霜降りは栄養が偏り肥満状態の牛

ブランド牛は和牛となっているものがほとんどでしょう。

ブランド牛の多くは脂がたくさんあり、霜降り肉のものが大半です。サシと呼ばれる霜降りにするためには、脂をまんべんなく筋肉に散らせなければなりません。
それには牛の飼料を調整すると効果的です。カロリーの高い飼料を与えると同時に、ビタミンAを欠乏させた餌を与えます。そうすることで牛は早く霜降り牛に育ちます。

牛肉 霜降り ビタミン不足
出典 環境省 加工して作成

ご想像の通り、霜降り牛は立派に太った牛です。畏怖堂々としていますが、あれは立派に立っているのではなく、極端な栄養の偏りでかなりの肥満状態のため、さっさと歩くのが困難というのが実際のところです。

牛肉 メタボ
出典 環境省 加工して作成

ビタミンAが欠乏してくると牛は目が見えなくなります。太って脂肪が多いと脂肪肝になります。動脈硬化が起きてもおかしくないですね。また、糖尿病をはじめ他の様々な病気を併発するかもしれません。

牛肉 霜降り 視力低下
出典 環境省 加工して作成

ブランド牛は何らかの症状が出てもおかしくないような、ギリギリの状態で飼育されているのです。症状が表に出ていないだけで、体内に潜んでいると考えても不自然ではありません。
また目が見えなくなっていても人間には影響が出ないとされ、出荷されるのが一般的です。霜降り牛でない国産牛でも、飼料の中身が心配です。

なぜこういったことが起こるのかと言うと、脂の乗った消費者の求める美味しい牛肉を作ろうとすると、このような育て方をせざるを得ないからです。牛が高く売れなければ、生産者の方たちが食べていくことはできません。
生産者と消費者の距離が遠いと言われる畜産業ですが、もしも生産の現状を知られたら、肉を買ってくれるかわからないという不安を抱えている生産者は多いようです。

子牛

牛肉は本来、焼けば硬いものです。日本人が好むような

柔らかいお肉=良いお肉

という考え方を変えるべきかもしれません。

畜産動物の飼育方法について、消費者の知識はまだまだ低いのが現状です。
一方で、消費者にもその現状をもっと具体的に知らせて欲しい、真実を知りたいという欲求が強まってきています。食肉になるまでは健康を守り、優しく飼育してほしいなど、動物福祉への関心が高まってきているのも事実です。

しかしなかなか上手くいかないのは消費者のニーズと現実に大きなギャップがあり、そこに不安を抱える生産者が多いためです。
ニーズと現実のギャップをどのように埋めていくか、真実をいかに多くの人が知っていくかは、今後の課題だと思います。それはもちろん生産者だけではなく、私たち消費者の課題でもあるのです。

消費者には「買う」「買わない」ということで意思表示をする力があります。

危険を多く含んだお肉を選ばないこと。
無理な飼育で太らされた脂たっぷりのお肉ではなく、動物福祉に則って大事に育てられた、自然のままのお肉を選ぶこと。

このようにして、動物福祉にも真摯に取り組んでおられる生産者の皆さんを応援することが、第一歩だと思います。

安心安全なお肉なら

普段牛肉を口にするなら、全国であちらこちらに安全な食品を扱う団体があるので、そちらを活用すると良いでしょう。
また、伊賀の里 モクモク手作りファームのように、購入だけでなく体験型の農園も全国で広がってきています。遊びながら安全なお肉を購入するのも楽しいと思います。