子供のころプリンが好きでした。プリンの素と言われる粉でよく作りました。さすがに今ではプリンの素は使いませんが、懐かしくてスーパーで手に取りました。
牛乳は粉になりそうですが、卵はどう粉にしているのでしょうか。

手作りプリン

成分表示を見てみます。
何度もお世話になったプリンの素です。

プリンの素 原材料

品名 プリンの素
原材料名 粉末プリン[砂糖、クリーミングパウダー、粉乳、ゼラチン、食塩、ゲル化剤(増粘多糖類)、 pH調整剤、乳化剤、 香料、着色料(マリーゴールド、アナトー、カロテン)]
粉末カラメルシロップ[砂糖、でんぷん、カラメル色素、増粘剤(カラギーナン)、香料

となっています。食塩までが食材で、ゲル化剤から下は食品添加物です。卵はどこにも見当たりません。
卵の代わりにゼラチンゲル化剤でかさ増ししたり、固まらせたりしています。



中身が不明な添加物

pH調整剤、乳化剤、香料は、複数の添加物を1つの名前にまとめて表示ができる一括表示です。
たとえば「pH調整剤」と表示はひとつでも、その中に何種類の成分が入っているのか私たち消費者には分かりません。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

特に香料は体に有害なだけではなく、環境にも悪影響を及ぼす危険性があります。

合成香料 環境汚染
出典 熊本大学大学院自然科学研究科  加工して作成

着色料の危険性

着色料も使われています。プリンの黄色い色を出すために3つもの色素が入れられていました。
着色料(マリーゴールド、アナトー、カロテン)はいずれも元は植物由来ですが、どの様な抽出方法かはこれを見ただけではよく分かりません。

ヘキサン等の揮発性の有害物質で抽出したなら、その物質自体が製品に残っていないかなどの不安が残ります。
またヘキサン等で化学的な処理をした場合は、植物由来であっても危険性が出てくるものがあります。そのあたりも注意が必要です。

原点に立ち戻って考えると色素を入れなくても卵を使えば危険性はなく、自然に色がつくはずです。しかし無理なコストダウンには添加物が使われ、危険性が出てきます。安全性より利益を追求するとリスクを伴うことになるのですね。

添加物いっぱいの粉末シロップ

別添えの粉末シロップにも添加物は入っています。カラメル色素、増粘剤(カラギーナン)、香料です。順番に見てみます。

カラメル色素

カラメル色素には4種類あり、そのうちの1つは糖類を加熱して作る昔ながらの安全なものです。
しかし残りの3種類に関しては1日の摂取量の上限が決められていたり(上限があるということは危険性があると見るのが自然です)免疫への影響が心配されていたります。

ほとんどの食品ではどのタイプのカラメル色素かは表示されません。
「カラメル」あるいは「カラメル色素」と表示されているだけで、危険性のあるカラメル色素なのかそうでないのか、それだけで判別することはできません。

しかし判断材料のひとつに値段があります。
1つだけ昔ながらの製法で作られた安全なカラメル色素があると書きましたが、それを使うにはコストと時間がかかります。たくさん流通させるためにはコストを押さえなければいけません。
もしもその製品の値段が安ければ、必然的に安価な合成のカラメル色素だという見方になります。
(カラメル色素について、関連詳細記事はこちら↓
プリンには何が入っているの?健康的に美味しく食べたいおやつ

増粘剤(カラギーナン)

増粘剤(カラギーナン)は天然の藻から化学的処理で抽出した物です。たれやドレッシング、スープ、飲料、ソース、ゼリーなどの粘り気を出すために使われます。

カラギーナンは長年使われてきた安全性の高い食品添加物と言われており、使用基準も設けられていません。
しかし化学的に抽出されたカラギーナンを使ってラットに発がん物質を投与し、さらにカラギーナンを15%含むえさを与えたところ、結腸腫瘍の発生頻度が高くなることが観察されたと主張する専門家もいます。
もしこのラットの実験が人間にも当てはまれば大変なことになります。

カラギーナンは安全ということで使用基準もありませんから、あらゆる食品に含まれています。しかし安全を疑う専門家もいるのであるなら、できれば避けたい添加物ですね。

 

もともとカラメルソースは砂糖と水だけでできるものです。
なのに他にカラメル色素、カラギーナンの他に、一括表示の香料まで粉末シロップに使われていたりと、わざわざこんなに添加物を入れる必要があるのでしょうか?

結局プリンそのものにも別添えのシロップにもかなりの添加物が入っていたことが分かりました。

手作りVS市販 値段を徹底比較

実際に家で手作りしたらどうなるのかと思い、近所のスーパーの3個入りのプリンと、家にある材料で手作りしたプリンの原料費の比較をしてみました。(一般的なスーパーの平均的な卵と牛乳の価格に設定しました)
出来合いのプリンの中には卵が入っていないものもありますから、手作りの方は結構良いプリンになったのではと思います。

手作りプリン (1)

カラメル色素がなくてもカラメルになるんだと主人が関心していました。
プリンはどちらも3つずつ。ひとつの重さは70g程になりました。両者を比較してみるとこんな感じです。

プリン比較

 

いろいろ添加物を入れて作ったプリンの方がコストは高く、手作りプリンの方が安くついています。
添加物を使ってプリン自体のコストダウンを図っても、宣伝費やパッケージ、容器代も別にかかってくるのでトータルで結局値段が上がってしまうのですね。なのにプリンそのものは卵も使われないような内容なのです。

手作りの圧倒的勝利ですね。
市販のプリンがいくら添加物で安くしようとしても、手作りの愛には敵いません。

手作りプリン (2)

プリン作りには特別な材料は要りません。家にいつもあるような材料で作る事ができるおやつです。クックパッドなどに簡単な作り方はいくらでも紹介されています。
休日にでも楽しみながらクッキングも良いのではないでしょうか。