宵越しのお茶は飲むなとよく言われますが、これには実はきちんとした理由があります。
まずは普段何気なく飲んでいる緑茶の、嬉しい効果から見てみましょう。

緑茶にはビタミンCビタミンA、ビタミンE、抗酸化力の強いとされるエピガロカテキンガレートが含まれています。
エピガロカテキンガレートの抗酸化力はビタミンCの約10倍、ビタミンEの約20倍もあると言われています。とても嬉しい成分ですね。

また、カテキンも注目度が高いです。コレステロールや中性脂肪を減少させるので、血圧や血糖値の上昇を抑え、現代人に気になる肥満や高血圧、動脈硬化、糖尿病、高脂血症に効果的とされています。

緑茶

良いこと尽くしの緑茶ですが、このお茶を一晩置いておくと、味が落ちるだけではありません。

食中毒に要注意!長時間放置した緑茶

時間が経ちすぎた緑茶はうまみ成分が無くなるばかりではなく、カテキンがお茶にたくさん溶け出してしまいます。
カテキンは有用ですが、多すぎると収斂作用が強くなりすぎて胃液の分泌が抑えられ、消化が悪くなってしまいます。胃腸の弱い人なら胃痛を感じたり、吐き気や下痢を起こすでしょう。
また、緑茶には3%ほどの蛋白質が含まれていますので、急須に入れたまま放置すれば腐敗が早まります。雑菌が増えて腐り、食中毒の心配があります。

急須とお茶

という事で、宵越しとまでいかずとも長時間放置したお茶や急須に残ったものを、時間を置いて再度飲むことは良くないんですね。

でもここでおかしなことに気が付きます。

どこのコンビニ、スーパー、自動販売機にも、ペットボトルに入れられた色々なお茶が売られています。売られているお茶は今入れたばかりのものだとは考えられません。
あれはどうなのでしょうか?なぜ何日も保存できるのでしょうか。



ペットボトルのお茶の保存方法とは

ひと昔前までお茶は、せいぜい列車の旅でお弁当と一緒に売られていたぐらいです。それも最初は陶器に入っていたようで、かなりレトロな感じだったそうです。

お茶がペットボトルに入って登場したのは1990年でした。
大手メーカーのホームページを見ると、ペットボトルの緑茶は、蓋をする時に上の方の酵素を取り除く製法で作られているようです。酵素による劣化が進まない為のものだそうです。
なるほどそうなのかと思い、ラベルを見てみることにしました。製法名は見当たりませんでしたが、成分を見てみると

お茶 原材料

品名 緑茶(清涼飲料水)
原材料名 緑茶(日本)、ビタミンC

お茶にはビタミンCも含まれているのに、わざわざ入れてあるのはどうしてなのでしょうか。

問い合わせて判明 栄養素ビタミンCは合成物質

気になって大手ペットボトル緑茶のメーカー側に問い合わせてみました。
ビタミンCは栄養補給の為に入れているということでしたが、天然由来のものかと訊ねたら、ビタミンCとはアスコルビン酸のことでした。アスコルビン酸とは合成ビタミンのことです。
(アスコルビン酸について詳しくはこちらの記事へ↓
「レモン〇〇個分のビタミンC」は本当?栄養素が働く仕組み)

本来栄養は野菜やお肉から摂るものじゃないでしょうか。
合成のアスコルビン酸を栄養と言われても納得し難いところがあるかと思います。

アスコルビン酸は保存が効く物質なので、保存の為に入れているという見方もできます。いずれにせよ消費者としては、正直に「アスコルビン酸配合」と書いてほしいものです。

アスコルビン酸をビタミンCと表示してあることは合法とは言え少々疑問ですが、これに加えてペットボトルの飲み物には環境ホルモンの問題が付いて回ります。
(ペットボトルの環境ホルモンについて詳しくはこちらの記事へ↓
ペットボトルのお茶は危険!?安全で健康的なおすすめ茶は?

そしてお茶の栽培はとても手のかかる大変なものだと栽培農家さんから聞いています。
多くの野菜や果物同様に農薬を使うこともあり、その農薬がペットボトルのお茶に混入している可能性も否めません。

入れ物に入れて持って行くなら、麦茶などの長時間経っても有害にならないお茶を選ぶ方が良いかもしれません。