世の中が豊かになり便利になってベビー用品も種類が豊富になりました。赤ちゃんのお尻ふきなども、ネーミングもなんだか最近はおしゃれですね。

裸の赤ちゃん

ノンアルコール無香料と書かれたお尻ふきを見つけました。手、口ふきとなっています。
どう中身が違うのでしょう。ベビー用品ですから特に安全性にこだわっていたりするのでしょうか。成分を確かめてみましょう。

おしりふきです。

赤ちゃんのおしりふき 原材料

水、プロピレングリコール、セチルピリジニウムクロリド、エチルパラベン、メチルパラベン、モモ葉エキス

手、口ふきのほうはと見てみると

赤ちゃんの手、口ふき 原材料

水、プロピレングリコール、セチルピリジニウムクロリド、エチルパラベン、メチルパラベン、モモ葉エキス

成分は全く一緒ですね。成分は多いものから順に表示することになっているので、一番多く入っているものは水です。
成分を見て驚いたのは、二番目に多く入っているものがプロピレングリコールだという事です。これは国が危険だと認めている表示指定成分に指定されていた成分です。



確かな安全性のない成分

保湿剤として入れられているプロピレングリコールは、略してPGと書かれていることもありますが、先にも書いた通り表示指定成分に指定されています。
(現在は全ての成分が製品に表示されていますが、昔は国が危険だと認めた成分だけを表示するスタイルでした。その「表示しなければならない危険組」の中に入っていた成分が、表示指定成分です。
表示指定成分についてさらに詳しくはこちらの記事へ↓
表示指定成分って何?医薬部外品に書かれる成分とは?

プロピレングリコールは保湿剤、乳化剤、殺菌剤、溶剤 等の様々な目的で使用され、お尻ふきのような乾いてはいけない製品(ウェットティッシュ等)にも使われています。
他にも多くの日用品、メイク用品、また食品にも入っています。

 

プロピレングリコールを販売しているメーカーにどのようなものなのか問い合わせてみると、うどん等の食品にも使われる物質で取り立てて危険性のある物質ではないと言います。(自社の取り扱い製品を危険だとはなかなか言わないとは思いますが)

仮にプロピレングリコールが目に入った場合はよくない事ではありますが、すぐに十分な水で洗い流せば問題はないそうです。しかし何度も繰り返し使った場合は問題が起こりかねないとし、使用を控えるところも多いそうです。

他の試験機関では目に対する刺激性は確認されており、発ガン性はないとされていますが、 大量に経口摂取すると代謝性アシドーシスを引き起こすことがある等、様々な情報が飛び交っています。アレルゲンであると主張する意見も聞かれます。

またプロピレングリコールは他の化学物質を体に吸収しやくする性質も持ち合わせており、この性質が気になるところです。
もしこのウェットティッシュの成分の中に有害なものが入っていたら恐ろしいことになります。その有害成分を体に吸収しやすくしてしまうからです。

 

危険性は低いとか目に刺激があることは確かだとか、アレルゲンであるとか個々に主張がまちまちで今後の研究を待つ段階ですが、気になる成分であることは間違いありません。
(PGについて、更に詳しくはこちらの記事へ↓
保湿剤プロピレングリコール(PG)の危険性とは



有効成分であると同時に危険成分

次の成分を見てみましょう。
セチルピリジニウムクロリドは 化粧品に使う場合はこの簡略名となり、医薬部外品の製品に使う場合は 塩化セチルピリジニウムという成分名になります。同じ成分なのにややこしいですね。
これがお尻ふきの中で唯一の殺菌成分です。

強い殺菌力と防カビ作用があり、お尻の殺菌と製品自体の防カビの為に使われているのでしょう。

歯磨き、マウスウォッシュ、ウェットティッシュ、のど飴等にも使用されていて、安全性が高いという意見と、皮膚や粘膜や目を刺激するという意見に分かれています。
しかし 塩化セチルピリジニウム は、医薬部外品においては表示指定成分となっています。

医薬部外品において指定成分ということは、有効成分であると同時に危険な成分でもあるということです。

どういうことかというとまず医薬部外品は製品化にあたり、色々と許可を取らなければなりません。厳しい許可を取らなければいけない分、医薬部外品は全成分表示ではありません。
しかしそれでもやはり人体に有害な成分は表示しなければいけないことになっています。

セチルピリジニウムクロリドは殺菌という薬効もあつ反面、危険性もあるのだという事を知っておかなければなりません。

(医薬部外品について更に詳しくはこちらの記事へ↓
表示指定成分って何?医薬部外品に書かれる成分とは?

危険な成分が肌を通して赤ちゃんの体内に侵入

さて、分子量の小さい化学物質は皮膚に触れただけでも体の中に吸収されます。
先ほどのプロピレングリコールはこれに当たります。この性質を生かして湿布など医療にも利用されています。

皮膚を通して成分が体内に侵入するこの性質は経皮吸収と言います。
(経皮吸収について詳しくはこちらの記事へ↓
経皮吸収ってなに?日用品や化粧品が肌から浸透してるの!?

医療などで意図的に何らかの成分を経皮吸収するのは良いのですが、気付かない内に有害成分が体内に入ってくるのは危険なことです。
今回のお尻ふきでお尻を拭けば、プロピレングリコールが吸収促進の働きをし、当然赤ちゃんの柔らかい肌から有害物質が入ってしまいます。

経皮吸収する有害成分

お尻の汚れを取りながら、有害物質が体内に入ってくるのは納得できません。
肌の弱い赤ちゃんがこれが原因でアレルギーを起こしたら、メーカーはどうすると言うのでしょうか。

まだまだ、お尻ふきの成分は続きます。
次の記事では、アレルギーや環境ホルモンになってしまう成分について調べていきます。

お尻ふきに使える安全なおすすめウェットティッシュ

次回記事の前に、赤ちゃんのお尻にも使える安全なウェットティッシュを見つけたのでリンクしておきます。

マルチパーパスワイプス

赤ちゃんには安全なものを選んであげてほしいなと思います。

次回記事はこちら
危険かも。赤ちゃんのおしりふきの成分には要注意 後編