「酒は百薬の長」と言う諺があり、お刺身など日本酒に合う料理に少しお酒を一緒に頂くと、さらに美味しく食べられます。お酒にはすごい力がありそうです。

ですが日本酒のお値段はピンからキリです。業務用と銘打って一般消費者が購入できるスーパーでは、特売等で非常に安い値段で売られていることもあります。

日本酒

もちろん高いものが美味しいのでしょうが、どうしてこんなに値段に幅があるのでしょう。ここに何かしら裏はないのでしょうか。どんな日本酒を選んだらいいのでしょう。

日本酒は大まかに二つ

日本酒を調べてみると、大まかに2種類、細かくは9種類に分類されます。
原料となる米の削る量によって分ける方法と、創り方で分ける方法が考えられますが、今回は製法で分けたもので考えてみたいと思います。

純米

純米酒には、純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒の4つがあります。
純米に属するものは、どれも原材料は米麹のふたつだけです。

純米 種類

原材料の米の削る割合で、吟醸酒や大吟醸酒になるものの(たくさん削ると吟醸酒になる)、元になる材料はどれも米と米麹のみです。

純米と記載されていない酒

純米と記載されていない酒は、普通酒、本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒の5種類あります。

こちらの原材料は、米、米麹、それに醸造アルコールが添加されているのが特徴です。
純米酒とは材料から違っているのですね。

純米意外の酒 種類

「醸造アルコールが添加されているのはどうして?」と思われるかも知れませんが、酒の古くからの製法では焼酎等のアルコールの添加は行われており、酒の味や風味の劣化を防ぐ為に入れられていました。

本醸造酒、吟醸酒などに醸造アルコールを添加できる割合は、10%以下と定められています。法律によって、それ以上は認められていません。

醸造アルコール
出典 国税庁 加工して作成

そして10%以上醸造アルコールを加えたものは、普通酒と呼ばれるものになります。



一本の純米酒で10本の普通酒ができる?

私が懸念するのは、普通酒と呼ばれるお酒です。普通酒には、醸造アルコールの添加量の規制はありません。
という事は、米と米麹だけで創られた純米酒にいくら醸造アルコールを入れても構わないわけで、極端な話、一本の純米酒から10本の普通酒を作る事も可能ということになりますね。

もちろん醸造アルコールをたくさん入れれば味が淡泊になってしまいますから、ここで添加物の登場です。米、米麹、醸造アルコールの他に、糖類酸味料を加えてお酒らしい味付けにするのです。

普通酒 原材料

添加物でごまかすことで安価で大量に普通酒が売られているのですね。
米麹が入っているから「百薬の長」だと思っていましたが、醸造アルコールと添加物が入っているのなら、そう体にいいとは言い難いと思います。

合成酒は添加物の塊

つい忘れがちな日本酒がひとつあります。合成酒です。

合成酒 原材料

こちらは名前の通り、醸造アルコールをベースに添加物を使用してそれらしい酒に仕立てたものです。今回見つけたもの以外にも、着色料や香料が使われているものもあるようです。
もちろん、これが一番安いのはお分かり頂けると思います。

お酒を選んで美味しく食事を頂きましょう

お酒は料理に合わせて選びたいものです。日本酒が合う料理でしたら、添加物の入っていない米麹で作られたものや、和食のおつまみをチョイスするとお料理も生きてくるでしょう。

日本酒 アテ

お酒は「百薬の長」。
くれぐれも飲み過ぎには注意してくださいね。