先日、日本の伝統食・お餅を調べたことがありました。
国内産のお米だけを使い、保存料も何もなくても長期間保存が可能。その製法に感動しました。
(詳しくはこちらの記事へ↓
圧巻の工夫に感動!保存料なしのお餅の作り方

年末になるにつれ、他にも色々な種類のお餅が登場します。

切餅

どれも同じように保存料も使っていないと思っていましたが、何やら違うものもあるようです。

餅に添加物の数々の表示

大袋に入った四角い切り餅です。
原材料名をみると、水稲もち米(国内産)までは良いのですが、pH調整剤としてクエン酸が使われています。

餅 原材料 1

もう一つありましたので見てみると、このような内容でした。
原材料名がもち米粉調整品(もち米粉)、加工でんぷん、クエン酸となっています。

餅 原材料 2

水稲もち米は見当たりません。もち米粉調整品(もち米粉)とは初耳です。
国産の文字もないところを見ると輸入されたものでしょうか。輸入ものだと日本と農薬の基準が違ってきますから、どのような農薬が使われているかは私たち消費者には分かりません。



加工でんぷんの本当の成分名

カサ増しの為に使われているであろう加工でんぷんが入っています。
加工でんぷんとは名前だけを見ると単にでんぷんを加工したものであるかのようです。しかしその内容を知れば、でんぷんとは程遠い化学処理されたものだと分かります。

添加物の加工でんぷんは酸や酵素を使い、でんぷんを化学的に処理して作られたものです。
平成20年に11の加工でんぷんが添加物扱いとなっています。そこには化学的なカタカナの長い名前が連なっています。

加工でんぷんの種類
出典 消費者庁 加工して作成

これらの名前が原材料に書かれていたとしたら「ちょっと気持ち悪いな」と感じるところですが、法律ではカタカナのこの長い物質名ではなく、簡略名の加工でん粉、加工でんぷん、加工デンプン、加工澱粉などと表示することが適当だとされています。

加工でんぷん
出典 消費者庁

ちょっと健康を気遣う主婦なら「アセチル化酸化デンプン」などの文字を見たら、買うのを躊躇するかと思います。でも「加工デンプン」と書かれただけじゃ、警戒心も薄れてしまいますよね。
これを見ていると、私たち消費者に本当に優しい法律なのか疑問です。

pH調整剤(クエン酸)について問い合わせてみた

最後に残ったクエン酸です。一体何のためにこの添加物を入れているのでしょう。
pH調整剤(クエン酸)と書いてある方のメーカーに問い合わせてみました。メールでの問い合わせがなかったので、電話での問い合わせです。電話に出てくれたオペレーターは感じの良い女性の声でした。

「pH調整剤(クエン酸)は何ですか?」と単純に訊いてみると、全く動揺することなく
「腐敗を防ぐ為の添加物です」と言われました。

「腐敗ですか?pH調整剤と書かれていますが、pHというのは、いわゆる酸性やアルカリ性のことですか?それを調整してるのでしょうか?」と訊くと、
「中性だと腐敗しやすいので、弱酸性に調整しております」

と言われました。

テレオペ

ここまではっきり添加物だと言われ、pHを調整していると言われたのは初めてでした。もしかしたらこのオペレーターの方は、pH調整剤の中には危険性があるものも存在するということを知らない方だったのかもしれません。

一般的にpH調整剤は様々な食品に使われており、pHの調整や味や食感に影響を与えたり、この餅のように防腐効果の為に入れられたりします。

こちらで使われているpH調整剤のクエン酸は危険性はあまりありませんが、一括表示であるpH調整剤の中には、カルシウムの吸収を阻害するものも使われている場合があるため注意が必要です。
(複数の添加物をひとまとめに表示することを一括表示と言います。詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

また、pH調整剤の多くは使用基準が定められていません。ということは保存性を持たせるためにたくさんの量を入れることも可能ということです。
危険性があまりないと言われても、量が過ぎるのは好ましいとは言えません。
お餅は腐敗を防ぐ添加物を入れなくても、製法によれば添加物を使わなくても腐敗しないように出来ます。実際にそんな企業努力をされているところもあるのです。

この電話で質問した水稲もち米(国内産)とpH調整剤(クエン酸)の餅のメーカーは、ホームページも立派です。会社も東北の米どころです。

危険性はほんの少しであったとしても、そのような添加物はできるだけ使って欲しくないなと思います。東北なら美味しいお米が手に入るでしょうから、より安全な製品作りをしてくれたらな、と思ってしまいました。

添加物だらけの餅もどき

ふたつめのお餅、もち米粉調整品(もち米粉)、加工でんぷん、クエン酸が原材料の生切り餅。このもち米粉の原料はタイのようです。

餅 原材料 2

ネットで見ると皆さん口を揃えて口当たりがなめらかで安いと評価されています。
中には何だか団子のような味がするという意見もありました。加工でんぷんの味がそのように感じるのかもしれません。

こちらの餅は食べたことはないのですが、なんと価格は一般のものの半額以下に設定されていました。全く添加物に興味のない人ならこの安さで購入するに違いありません。
しかし中身を知らないと、添加物だらけの『餅に似たもの』を食べることになりかねません。やはり何かを買う時は原材料はしっかり見て選んだ方が良いでしょう。

安心安全なおすすめ餅

ちなみに前回(圧巻の工夫に感動!保存料なしのお餅の作り方)調べて、安心できると確信したお餅はこちらです。

きむら食品 うさぎ一切れパック丸もち

添加物の全く入っていない丸餅も切り餅も売られていますから、この冬に餅を買うときは裏をしっかり見て購入したいですね。