日本古来の食の伝統として、毎日の食事の中で酵素が摂れるのは素晴らしいと思います。酵素は私たちが生きていく上で欠かせないものです。いくら食べ物から栄養を摂ったとしても、酵素がなければ栄養を体に摂り入れて活用することは出来ません。
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栄養があっても酵素がなければ死ぬ。病気知らずの長寿の秘訣…酵素の力で免疫力アップ1

私たち日本人が毎日の食事で摂る酵素の入った食品と言えば、味噌、醤油、酢、みりん、日本酒、漬物、納豆、のような発酵食品が多いです。

さて先日、その味噌が切れていたので買いに行きました。

みそ売場

たくさん種類があったので迷ってしまい、お店の人に訊ねる事にしました。
私にとって味噌の一番大事な条件は、酵母が生きている事です。

お店の人も直ぐには分からない様子で、電話で問い合わせをしてくださり、20分ほど待ってやっとどの商品を選べば良いのか分かりました。
が、「酵母が生きているのはこちらの商品です」と言われた味噌はたった一つ。
思わず「えっ!?」っと言ってしまいました。これだけ並んでいるのに、たったのひとつとは驚きでした。

多くの味噌のパッケージに「無添加」と書いてあります。どれも良さそうに見えますが、酵母が生きている商品がたった一つしかなかったのです。

酵素と酵母の違い

発酵食品の素晴らしさのひとつは、生きた酵素や酵母が体にとても有用に働くことです。
ところで酵素と酵母は名前がよく似ているので、具体的にどう違うのかが分かりにくいですね。簡単に違いを見ていきましょう。

酵素

酵素は体に絶対に必要な蛋白質です。
この酵素がなければ、私たちは食べ物を消化したり吸収したり、体を動かしたり、代謝したりすることが出来ません。それら全ての活動の原動力となるものなのです。

私たちは生まれた時に体の中に一定量の酵素を持って生まれて来ますが、一日に使える量は決まっていて、年を追うごとに体内の酵素は減ってきます。なので外から酵素を補う事はとても重要になります。

次に酵素の特徴についてです。体の中ですぐに活躍できる一方で高い温度や酸に弱い性質があり、調理の際に煮たり焼いたりするような条件の中では、完璧に活躍することは難しいことが挙げられるかも知れません。

酵母

酵母とは酵素を作ることが出来る小さな生き物です。酵母があれば、どんどん酵素が作られるというイメージです。
酵素と違って酵母は回りを固い殻に包まれているため、かなりの高温にも耐えることができ、酸にも強いのが特徴です。

酵素と酵母とどっちを摂れば良いの?と思われるかも知れません。
どちらがどうというより、日本食にそのヒントがあると思います。



日本人の知恵。酵母を生かす味噌の調理法

味噌汁でよく言われる調理法ですが、味噌は火を止めた後に入れますよね。

味噌を入れてから沸騰させてしまうと風味がなくなるのは勿論ですが、実はこの調理法は、生きた酵母を守るためのものとも言えます。沸騰していないお鍋は、熱に強い酵母を生きた状態で食べることの出来るギリギリの温度なんですね。

味噌汁

体に有効なせっかくの酵母は、沸騰させて死滅させては勿体ないです。ましてやスーパーの売り場にあったほとんどの味噌の様に、酵母が死んでいては意味がありません。

そもそもなぜ酵母が死んでいる味噌が多く出回っているのかですが、味噌の場合は酵母が生きていると発酵が進み、味がどんどん変わっていきます。そのため一定の味になるよう、大手メーカーでは加熱処理をするのです。
こうすることで発酵が止まり、味が安定して長時間の保存が効くため、廃棄処分などが減るのです。
しかしこの製法を取っているほとんどのメーカーの味噌は、酵母が死滅してしまっているため酵母の良さは期待できません。

昔は味噌は各家庭で手作りし、冬に仕込んだ味噌は夏を過ぎた頃から食べ始め、だいたい一年で良い味になります。その後の2年物、3年物が味が良いと言う人もいたようです。
しかし忙しい現代人に、なかなか味噌を手作りする時間はありません。なので手作りは大変という人は、是非酵母の生きている味噌を選んで欲しいですね。

味噌は万病から体を守る食材

以前栄養学の講習会に行った時に栄養士の先生に「具だくさんの味噌汁を毎日摂る人は癌にはなりません」と言われました。

その時は「へえー、そうなのか」と聞いていました。「癌にならない」はちょっと言い過ぎとも思いますが、そうまで言い切る理由は酵母の力だったのではないかと今では思っています。
ちゃんとその理由を聞いておけばよかったですね。

いずれにせよ酵母が生きている味噌を使い、火を止めてから味噌を入れたお味噌汁が体に良いのは確かです。毎日でも食べたいですね。

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