日本人の食卓の主食といえばご飯ですよね。
ご飯は水を入れて炊くだけですから、農薬の可能性はあるにしてもまさか薬品は使われていないと思いますよね。薬品が入るなんて考えたこともないという人も多いでしょう。

米 稲穂

今回は主食であるご飯、基本中の基本のお米について考えます。

お米を劣化させにくい精米改良剤

お米を買う時、何を基準に選びますか?
値段?品種?新米?古米?

確かに品種によってご飯の味は違ってきます。粒の大きさだったり、粘りだったり甘みだったり…それぞれの好みやお財布の中身を考えて選んでいると思います。
それで問題などないはずなのですが、出回っているお米の中には精米改良剤を使用した米が流通していることがあります。

米

お米はたとえ日持ちのよい玄米で保管していても、やはり少しずつ劣化していきます。
玄米は時間の経過と共に水分量は減り、割れやすくなり、味も落ちてきてしまいます。これは玄米が生きている証拠ですから、仕方のないことです。
しかし味も落ちてパサパサになり割れやすくもなると玄米の価値も値段も下がり、売れなくなる可能性が出てくるのです。

販売側から見るとなんとか防ぎたいところですよね。そこで使われるのが精米改良剤という薬品です。



お米に自動車の不凍液と同じ成分?精米改良剤とは

精米改良剤は食品添加物扱いではなく、表示義務のない加工助剤という扱いになります。

この精米改良剤は、古米を新米のようにピカピカに見せる事ができる、販売者からすれば夢のような薬品です。使われる薬品は主に次の3種類ほどです。

D-ソルビット(合成甘味料)・・・甘みをまし保湿効果がある
リン酸塩(品質改良剤)・・・古米を割れにくくする
プロピレングリコール・・・白く光沢のある米になる

これらを使うことで、ピカピカ新米が出来上がります。

D-ソルビトール

D-ソルビトールは食品衛生法で認められている添加物のひとつです。

甘味料としてガムやキャンディ、パン、ケーキ、かまぼこ、ハムなど、多くの食品にも入っています。通常の摂取量ならさほど毒性はないので、心配することはないでしょう。
しかし過剰摂取すると、下痢などを引き起こすこともあるようです。

リン酸塩

リン酸塩は中華そば、春巻き、シューマイ、チーズ、魚肉練り製品、ドーナツ、日本酒など…こちらも多くの食品に使われていて、過剰摂取が問題視されている成分です。

リンの摂り過ぎはカルシウムを体から奪うため、副甲状腺機能亢進症、腎臓の石灰化、骨の中のカルシウムの減少などに繋がります。
また、鉄の吸収を妨げるので貧血などの原因となります。

プロピレングリコール

3つめはプロピレングリコール(PG)です。

プロピレングリコールは、薬事法においては表示指定成分です。表示指定成分とは、アレルギー等の肌トラブルを引き起こす恐れのある成分のことです。

プロピレングリコールについて販売するメーカーに問い合わせたところ、食品にも使われる物質で取り立てて危険性はないそうです。(自社の製品を危険だと言うはずはないのですが)
たとえばもし仮にプロピレングリコールが目に入った場合は、すぐに十分な水で洗い流せば問題はないと言います。

しかし何度も繰り返し使った場合の反復暴露については、問題が起こりかねないので出来るだけ使用を控えるというところも多いということでした。

 

見逃してはならないのはプロピレングリコールがそれ自身もそれ以外の成分も、体に吸収されやすくする物質だということです。

この性質が気になるところです。
品質改良剤の中の他の成分の吸収を、プロピレングリコールが促してしまう結果となるからです。

危険性は低いとか、目に刺激があることは確かだとか、アレルゲンであるとか意見がまちまちで今後の研究を待つ段階ですが、気になる成分のひとつです。
(プロピレングリコールについて詳しくはこちらをご覧ください↓
保湿剤プロピレングリコール(PG)の危険性とは

表示されない成分たち

D-ソルビット、リン酸塩、プロピレングリコール、その他にもグリセリン脂肪酸エステル、グルタミン酸ナトリウムがありますが、これらは全て加工助剤扱いです。
加工助剤とは、さまざまな理屈により表示する義務のない成分のことです。

品質改良剤もその加工助剤のひとつで、加工の途中で入れるということで加工後の食品には入っていないということになり、表示の義務がありません。

しかし表示の義務がないだけで、使われた現実が消えたわけではありません。
(加工助剤について詳しくはこちらの記事へ↓
加工助剤とは?なかったことにされる添加物たち

外食産業、コンビニのお米…把握しづらい品質改良剤

一応私たちが普通に購入するものには、このような品質改良剤が使われているものは、そんなに多くはないと言われています。仕入れる側も品質改良剤が使われていると聞かなければ、何も知らないまま販売することになるそうです。

表示がないので確かめようがないのが現状なんですね。

しかし、このようなお米の多くが外食産業、コンビニ弁当などに流れている可能性は否定できません(以前コンビニ弁当の製造過程を見学した知人がご飯を炊くところだけは取材拒否されたと言っていました。これは一体何を意味するのでしょう)。

ご飯
外食産業では利益を出すために、出来るだけ安く美味しく見えるお米を求めています。品質改良剤で美味しそうに見せた古米を安く仕入れるのはうってつけですね。
私たちがお米を買う場合は農家さんから直接とか、安全な食材を扱う団体からの購入が安心かもしれませんね。

たまの外食は楽しいものですが、常日頃はお母さんの作るあたたかいご飯を家族で頂くというのが、一番のご馳走じゃないでしょうか。