あちこちに回転寿司がありますね。ネタも豊富でお安くて、どこも賑わっています。
その中でも数の子はこれまでは正月しか食べられないイメージでしたが、いつでも食べられるようになりました。数の子が好きな私にとっては嬉しい事です。

数の子

しかし回転寿司で流れてくる数の子をはじめ、売られているものの殆どは漂白されています。皆さん何の抵抗もないらしく、正月前は誰もが綺麗な黄金色の数の子を買って行かれます。

あれはどのような加工をして黄金色にしているのでしょうか。綺麗すぎるのには訳がありそうな気がしませんか?
今回はその謎を見ていきましょう。

見栄えのために数の子を漂白

数の子はニシンの卵です。
自然のままでは薄茶色であまり美味しそうに見えない色をしています。
となるとやはり、消費者が喜ぶような売れる方法を販売する側は考えますね。

そして出した答えが、薄茶色の数の子を漂白して黄金色にするという事でした。

まず漂白には過酸化水素水が使われます。
過酸化水素は消毒薬のオキシフルに使われるように殺菌作用を持っていますし、とても強力な漂白剤でもあります。

過酸化水素は吸入すればのどの痛みや咳、めまいや頭痛、吐き気の症状が出たり、皮膚に触れれば色々な皮膚疾患を起こします。
腐食性ですので眼に入れば、痛みやかすみ眼、重度の熱傷を起こし、間違って飲んでしまった場合は咽頭痛、腹痛、腹部膨満、吐き気や嘔吐の症状が出ます。

過酸化水素水
出典 国際化学物質安全性カード 加工して作成

マウスの実験では過酸化水素に発がん性があることが分かり、旧厚生省は厳しく取り締まりました。

過酸化水素 (1)
出典 厚生労働省 加工して作成

食品業界は食材に残った過酸化水素を取り除く技術の開発を始めました。そしてカタラーゼという酵素で過酸化水素を分解できる事を発見したのです。
このカタラーゼの発見で、食品に使用した過酸化水素は、分解または除去されるという理由から、過酸化水素の使用が再度認められる事となりました。

過酸化水素 (2)
出典 厚生労働省 加工して作成

食品に残っていない(はず)という事なので、過酸化水素やカタラーゼに表示の義務はありません。

以前書いた記事ですが、缶みかんの製造過程で塩酸を使用しているけれど、同じく劇物である水酸化ナトリウムで中和されているから表示の義務はないという話がありました。それと同じですね。
(詳しくはこちらの記事へ↓
衝撃!みかんの缶詰、つぶつぶオレンジに劇薬が使われている

数の子は、過酸化水素に2~3日、およそ72時間漬けられて漂白された後に、酵素であるカタラーゼに漬けて過酸化水素を除去します。その後塩漬けにして製品にするのです。(「数の子 製造工程一覧」などで検索すればいくつかヒットすると思います)

しかし、本当にそれで過酸化水素は完璧に除去されているのでしょうか?危険は全くないのでしょうか?
単に中和されているはずと言うだけで、完全に安全とは言い難い気がします。



無漂白で安全・絶品の数の子

過酸化水素で漂白している数の子はやはり少し柔らかくなっており、歯ごたえが欠けるように思われます。
漂白しているものは見事に黄金色ですが、無漂白の数の子は薄茶色というだけで決して汚い色ではありません。あくまで自然の色合いなのです。

小樽産 数の子

国産小樽前浜産 無添加・無漂白 塩数の子

数の子はかつお節ととても相性が良いので、かつお節のお出汁と醤油の味付けにされる方が多いと思います。
醤油を入れれば色は薄茶色になりますから無漂白の数の子でも全く気になりません。

むしろ無漂白の数の子は漂白していない分味も抜けていませんし、歯ごたえがとても良いですよ。上記の数の子のように添加物も一切ない上等のものだと、味は格別です。

おせちに入れる数の子は子孫繁栄の意味があります。
美味しく歯ごたえ良く、安心な無漂白数の子でお正月を祝ってくださいね。