スーパーマーケットの食品売り場でよく見かける「遺伝子組換えではありません」という言葉。
よく目にしますが、遺伝子組換えとは実際どういう事なのでしょうか。そして何のために作られたものなのかご存知でしょうか。

遺伝子組換えの始まり

昔も今も農作物を育てることは、種を蒔いた時点から虫や雑草との戦いだと言っても過言ではないでしょう。

麦とてんとう虫

それゆえ殺虫剤や除草剤といった農薬等の薬も開発され、大昔に比べると農作業も楽になった部分も多いと思います。
しかし人はもっと効率良く、たくさん収穫が出来ないかと考えました。そして農薬だけではなく、もっと凄い発想が生まれました。

農薬をかける事なく病害虫に作物がやられないようにできないか。
雑草は枯らすけれど肝心の作物は枯れないような、そんな便利な農薬は作れないか。

…等といった発想から生まれてきたアグロバイオ(農業関連生命工学)のひとつが遺伝子組換えの技術です。



「害はありません」は信用できるのか

遺伝子組換えで世界一の有名な多国籍企業と言えば、アメリカのモンサント社です。この世界一のアグロバイオ企業、モンサント社の遺伝子組換え技術によって、病害虫に食べられない大豆が開発されました。農家さんは殺虫剤を蒔く手間は要りません。

大豆

しかしまだ雑草が生えるという問題が残っていました。除草剤を使えば肝心の作物が枯れてしまいます。
そこでモンサント社は新しい除草剤を開発します。雑草は枯れますが、この新しい除草剤は遺伝子組換え作物だけは枯らさないのです。

この除草剤(ラウンドアップ)もモンサント社の農薬ですから、種も農薬もすべてモンサント社で賄えることになります。モンサント社の大豆を蒔き、モンサント社のラウンドアップを使えば、もうこれまでほど手間をかけずに大豆を育てることができます。

 

どうでしょう。

 

あなたが農家だったとしたら、こんな夢のような種が手に入れば良いと思いませんか?
いまやアメリカのモンサント社は、世界中の遺伝子組換え作物の90%のシェアを持っています。モンサント社の社長であるロバート・シャピロ氏は

「遺伝子組換えは人体への安全性が確認されており、害はありません。」

と断言しています。
ですが、100%安心しきって大丈夫でしょうか?まだまだ新しい技術であり、10年先20年先の事はその時点になってみないと本当に大丈夫かどうか分からないのではないでしょうか?



生態系が狂う可能性

モンサント社は現在、遺伝子組換えで既に作られている大豆やトウモロコシを含め、20種類の野菜の開発を手掛けています。

遺伝子を操作した作物は見た目は元の作物にそっくりですが、地球上でまだ見たことのない新しい野菜な訳です。この新しい種が風で飛んで在来種の花粉と交配した時に、見たこともないような新種の植物になると言われています。つまり生態系が狂う可能性もあるということです。

2013年現在の全世界の作付面積での割合ですが、

大豆・・・ 79%
トウモロコシ・・・ 32%
綿・・・ 70%

が遺伝子組換えになっています。

遺伝子組換えの割合

いつの間にか世界中の重要な作物が遺伝子組換えになっています。上記の通りこのうちの90%はモンサント社の種ですね。

日本はどうでしょう。
日本にもこの遺伝子組換えの種や作物は入ってきているのでしょうか?

厚生労働省および内閣府食品委員会により、ジャガイモ、大豆、テンサイ、トウモロコシ、菜種、綿、アルファルファ、パパイヤの 8作物290 種類について 平成 26年4 月10日現在安全だとされ販売、流通が認められています。下のリンク先でご確認いただけます。

安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧

日本にも遺伝子組換えの作物があるのですね。
知らない間に、日本でも遺伝子組換えの作物がこんなに作られていたということです。いつの間にこんなにと思いますが、食品を買う時は注意した方が良さそうです。
野菜だけではなく、遺伝子組み換えされた野菜を使った食品にも注意が必要です。

 

最後に、遺伝子組み換え食品について詳しくわかる最新のDVDをご紹介しておきます。

モンサントの不自然な食べもの(DVD)