行楽シーズンには各地でお弁当を広げたり、バーベキューをされたりしています。
ご馳走と共にビールや缶酎ハイが人気なようです。
ビールには発泡酒や第三のビールと呼ばれるものがありますね。実はこれらはビールに似たアルコール飲料というだけで、ビールとは中身が違います。
ビールに似せるために添加物が多く使われ、二日酔いもさることながら、将来の病気のリスクも怖いです。何がどう違うのか調べてみました。
原材料で変わるビールの種類
ビールの原材料は麦芽とホップのみです。このふたつが100%のものをビールと呼んで良いのですね。
まず分かりやすいところから、原材料にどんな違いがあるか、日本の大手ビールのメーカーで見てみます。
ビールの原材料 | 麦芽・ホップ |
発泡酒の原材料 | 麦芽・ホップ・大麦・米・コーンスターチ・糖類 |
第3のビールの原材料 | ホップ・糖類・大豆たんぱく・酵母エキス |
第4のビールの原材料 | 発泡酒(麦芽エキス・ホップ・糖類・食物繊維・大豆たんぱく・赤ワインエキス・香料・乳化剤・甘味料(アセスルファムK))・大麦スピリッツ) |
確かに原材料はこの4つでは異なっていることが分かりますね。
発泡酒や第3のビールについて
発泡酒と呼ばれるものは、ビールの原材料の他に4つの原材料を使うことができます。また副原料に関しても、ビールの副原料として認められている米・とうもろこし・でんぷん類以外のものも用いることができます。更に麦芽の比率によって酒税も違ってきます。
第3のビールにはビールに欠かせない麦芽は全く入っておらず、その他の原材料が使われます。
もうひとつ、新ジャンルの第4のビールでは使われる原材料はさらに増えます。
こちらは発泡酒を原料にし、アルコールや炭酸ガスを加えてビールに似せたものです。酒税法ではビールの部類にはなくリキュール(発泡性)1の部類にあたります。つまりビールではないということです。
どうしてこんなに種類があるのか、それは小売価格を決めるのに酒税も関係しているからと考えられます。
下のビールの価格に含まれる税額の表をご覧ください。平均的な小売価格のもので、その中に含まれる税額の比較です。
よく売れていると思われる350mlの缶ビールで比べてみます。
標準小売価格 | 税額 | |
ビール | 218円 | 77円 |
発泡酒 | 145円 | 46.99円 |
第3のビール | 125円 | 28円 |
ビール→発泡酒→第3のビールと、原材料がビールから離れていくにつれて税額が減っていき、その分小売価格も安くなっていくのがよく分かります。
表にはありませんが新ジャンルビールはビールではなくリキュールの扱いになるので、税額も低く抑えられて小売価格も低く設定できます。
本場ドイツと同じく副原料なしの銘柄
一番税率の高いビールの場合は副原料が使われているのか、気になったので訊ねてみることにしました。
2時間もしないうちに返事があり、副原料は使っていないと言う回答でした。
これにはちょっと感動ですね。本場のドイツと同じです^^
ビールは絶対にここのメーカーが好きだとか、発泡酒は嫌いだとか、第3のビールでも十分だとか、それぞれ意見はあると思います。
しかし厳密に言えばビール以外はフェイク(もどき)商品であり、ビールに似せたアルコール飲料です。
余談ですが、本場ドイツではビールに副原料は認められていません。
しかし日本ではビールにすら副原料を認められているので、ドイツ人から見れば日本のビールは「ビールもどき」と言われるでしょう。
もどきでも構いませんが、糖類や香料・乳化剤・甘味料はできたら入れてほしくない添加物です。
よく見る香料は、一括表示と言って複数の成分をいくつも合わせ、まとめて1つの成分名で表示することが許されています。つまりパッと見ただけでは1つの添加物に見えますが、その中には何種類も添加物が入っているのです。
たとえば10種類も20種類も組み合わせて製品に添加していたとしても、表示は「香料」だけで済んでしまうのですね。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと)
香料の怖さはアレルギー性だけではなく環境汚染にまで及んでいます。
出典 熊本大学学大学院自然科学研究科 加工して作成
乳化剤も香料同様に一括表示が許されており、何がどれだけ入れられているかは不明です。安全性ははっきりしていません。
フェイク商品であるビールに似た飲み物は、添加物も一緒に飲んでいると理解した方が良いかも知れません。いずれにしても、花見を心から楽しむためにはアルコールの摂りすぎには気をつけなければいけませんね。
手作りマイビール
健康的な野菜などを販売してくれる安全農産には「地ビールクラブ」という集まりがあり、自分の家で自分の好みの味のビールを作る活動もやっています。一度味見させて貰いましたが、すっきりとした美味しいビールでした。
最初道具を揃えるのに2万円ぐらいかかるそうですが、その後のビール瓶1本(小びん)当たりのコストは100円もかからないそうです。ビール好きの方なら、自分でお好みのビールを手作りするのも良いかも知れませんね。
一応キットのセット販売を見つけたので興味のある方はご参考にどうぞ。