先日ちょうど帰りが昼時になるからと、主人がお弁当を買って来てくれました。できたてのまだ温かい和風のお弁当です。

和風弁当

赤いウインナーを久しぶりに見ました。
あまりに久々に見たので、少しおかずを食べてしまっていましたが思わず写真を撮りました。

真っ赤のウインナー

せっかくできたてを買ってきてくれたので温かいうちに頂きました。美味しく完食しました、ご馳走様です。
ですがこういうお弁当には、添加物が付きものです。食べ折ってから確認してみました。(食べる前に見て食欲が落ちるといけませんので…笑)



おかずが増えると添加物も増える

食事が済んでからお弁当の成分表示を見てみる事にしました。

鶏のあんかけ弁当 原材料

原材料名
ご飯(国産米)、鳥のあんかけ(鶏肉、ピーマン、玉ねぎ、人参、その他)
煮物(里芋、高野豆腐、平天、筍、蕗、蒟蒻、南瓜、花形蒟蒻、その他)、キャベツ、ポテトサラダ、厚焼き玉子、赤ウインナー、蒲鉾、いんげん胡麻和え、梅干し

この種類の多さ…お昼のお弁当にこんなにたくさんの食材は、なかなか用意できませんね。
さすが百貨店のお弁当。彩りも食材の多さも味もすばらしいです。
そして次からが、添加物になります。

加工でんぷん、ゲル化剤(増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、くん液、豆腐用凝固剤、ポリリン酸Na、重曹、水酸化Ca、グリセリンエステル、保存料(ソルビン酸K)、着色料(パプリカ色素、コチニール、ウコン、カラメル、赤102、赤104、カロチノイド)、リン酸塩(N3,K)、増粘剤(加工でんぷん、増粘多糖類)、酸味料、pH調整剤、香辛料抽出物、膨張剤、酒精

添加物はおかずの数が多くなるほど数は比例して増えていきます。

添加物の全てが表示されているわけではない

一括表示が調味料(アミノ酸等)、酸味料、pH調整剤、膨張剤の4つ見受けられます。
一括表示とは、同じ目的で入れる食品添加物はひとつの表示にまとめて表示して良いという事です。

一括表示 例

つまりこの4つの添加物は見たところ4つの物質の様に見えますが、ひとつにつき最低でも2つ以上の物質が入っている事になります。つまり調味料(アミノ酸等)、酸味料、pH調整剤、膨張剤は、合わせて最低でも8つ以上の物質が入っている計算になります。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

中でも調味料(アミノ酸等)は、現在56種類もある物質の中から組み合わせてできているので、食品の専門家でさえもなかなか区別が出来ない程になっていると聞きます。

発癌性などの危険性のある色素

赤102赤104は発癌性が心配される表示指定成分のタール系色素です。
表示指定成分とは国が危険だと認めている成分の事を言います。おそらく今回は赤ウインナーの色がそうではないかと思います。

天然色素である赤色のコチニール(サボテンに付くエンジ虫から取る色素)はかまぼこのピンクによく使われます。白だけでは彩りが悪いから使われるのでしょうね。

自然から採れる虫をすりつぶして作られるので天然色素と言うことになっていますが、天然だからと言って安全であるとは限りません。消費者庁はその危険性により、消費者に対して注意喚起を行っています。

コチニール (1)
出典 消費者庁 加工して作成

(コチニールについての関連記事はこちら
色素は天然か合成か?添加物だけでも作れるジュース

添加物だけで味付け

表示を見て不思議だなと思ったのは、鶏肉の甘酢あんかけがメインなのにお酢が使われていない事です。しかし酸味料が使われていますから、これを使えばお酢が無くても酸味は出ますね。

家庭で作る場合には甘酢に醤油などが使われるところですが、酸味料と他の調味料(アミノ酸等)等を組み合わせて味付けし、加工でんぷん増粘多糖類でとろみをつければあんかけになります。

醤油も入っていませんがカラメル色素で醤油の色は出るし、後は調味料(アミノ酸等)が醤油の旨味を出してくれるので、味としては完璧です。

鶏のあんかけを添加物で作った場合

このメニューを家庭で作るなら鶏肉は最初に揚げますが、油で揚げていないかも知れません。
と言うのもくん液という添加物を使えば燻製しなくてもそんな香ばしさが出せるんですね。唐揚げのような香ばしさを味わえるのです。

こんな感じの唐揚げはどこのスーパーでも売られていますが、こうやってくん液で作っているものも多いのだなと実感しました。

保存料ソルビンサンカリウムの毒性

そしてこの出来たてお弁当で一番気になったのが、保存料として入れられているソルビン酸K(ソルビンサンカリウム)でした。かまぼこ、ちくわ、ハム、ソーセージ、漬物、イカの燻製などによく使われている保存料です。

保存料(ソルビンK)もよく目にする添加物です。主に保存の目的で入れられています。
ソルビン酸にはソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウムの3つが食品添加物として認められており、多くの食品に用いられ、その各々に使用する量が決められています。

ソルビン酸
出典 公益財団法人 日本食品化学研究振興財団

ソルビン酸カルシウムとソルビン酸カリウムの添加物評価書によれば、正確な評価は困難だとしています。しかし過敏な人ではソルビン酸に陽性を示した人がいたともしています。

ソルビン酸カルシム ソルビン酸K ソルビン酸カリウム
出典  厚生労働省  加工して作成

このpdf書類には動物実験による毒性実験の事も載っていました。ラットの半数が死亡する分量も示されています。

またソルビン酸は一部の試験で陽性と出てはいますが、危険性は低くほとんどの試験では陰性なのでたぶん大丈夫だろうという結論になっています。

しかし大丈夫だという見解もあくまで予測の範囲にとどまっており、一部の専門家の中には危険性を指摘する声もあります。意見がひとつにまとまらないということなら、注意しておくのが賢明かなと私は思います。
今回のお弁当では、ウインナーとかまぼこに使われていたのだと思われます。



食品添加物の不明な安全性

食品添加物の怖さは、そのひとつひとつの毒性がそんなに高くないとしても、幾つかを一緒に摂って混ざり合った時の安全性を、まだ誰も実証していない事にあります。

添加物 危険性
出典 食品・化粧品危険度チェックブック 加工して作成

安全なのか危険なのかはいまだ人体実験中だとも言われています。

添加物 毒性試験
出典 食品・化粧品危険度チェックブック 加工して作成

食品添加物は危険という意見はあっても、たくさんの添加物が混ざり合った時も安全だと立証する証拠はどこにも見つかりません。このような状態では、添加物はなるべく控える方が無難だと思います。

本来食品は食品原料のみから作られるべき

できあいのお弁当、お惣菜、お寿司などは忙しい時には便利で助かりますし、私ももちろん有りがたく頂いています。

しかし本来食品は、食品原料のみから作られるべきものだと私は思っています。本来はそうあるべきではないかと思いますし、添加物が多く加えられている食品は、将来の病気のリスクなど考えたらなるべく避けた方が良いものかもしれません。

自分でお弁当を作る時には食中毒にならないようにしっかりと火を通したり、殺菌のために自家製の梅干しを入れたりするでしょう。

夏の暑い日には腐りやすい南瓜の煮物を避けるとか、しっかり冷ましてからお弁当箱の蓋をするとか、今ならクーラーバックに入れて持っていく方法もありますね。

出来立てのお弁当なら、防腐剤の必要はありません。
そんなお弁当を作って下さるお弁当屋さんがあったら嬉しいなと思います。