前回見た生姜の甘酢漬けの隣に生姜漬け、紅生姜が並んでいました。赤紫蘇で漬けたのでしょうか。

紅ショウガ

生姜漬けは梅干しを漬ける時期に梅酢に漬けるだけで簡単にできますが、市販のものはどんな成分が使われているのでしょうか。

思いのほか添加物が豊富

生姜漬け 紅生姜 原材料

名称  生姜酢漬け
原材料名 しょうが、しそ
漬け原材料 [食塩、醸造酢]、酸味料、調味料(アミノ酸等)、保存料(ソルビン酸K)、香料、甘味料(甘草)、着色料(赤106、黄4)

となっています。
思ったよりもずいぶん多くの添加物が入っています。漬け原材料[食塩、醸造酢]以下はすべて添加物です。



一括表示の添加物の酸味料、調味料(アミノ酸等)、香料

一括表示されるものは酸味料、調味料(アミノ酸等)、香料の3つです。

一括表示とは複数の添加物をひとまとめに表示することです。
つまりこの3つは表示は各々ひとつですが、実際にはその中にいくつもの添加物が入っています。その数はメーカーに訊いてみないと分かりません。(ほとんど企業ノウハウだと言って教えてはくれませんが…)

酸味料の場合は24種類の添加物の中からいくつ使ったとしても、表示は「酸味料」とひとつにまとめて構いません。
調味料(アミノ酸等)の場合なら下のように、56種類もの添加物の中から、いくつチョイスしても「調味料(アミノ酸等)」とひとつにまとめての表示になります。

 

一括表示 調味料(アミノ酸等)
出典 消費者庁 加工して作成

すごい数ですね。

香料も非常に多く、いくつ組み合わせても表示は「香料」とただ一つだけで済みます。これが一括表示です。
(一括表示について詳しくはこちらの記事へ↓
一括表示とは!?知らずに健康を損ねる前に知るべきこと

私たち消費者には何がどれだけ入っているかは全く分かりません。
添加物は添加物同士を組み合わせた時に体内でどんな反応を起こすのか、全てが解明されているわけではなく安全と言い切れないのが怖いのです。
こんなにたくさんの種類の添加物が1回の食事で一気に体内に入りこみ、その食事が何年も続いたら…考えると怖いですね。

危険性のあるソルビンサンKと甘味料の甘草

家庭で生姜漬けを作る時には絶対に使わない、保存料のソルビンサンKと甘味料の甘草ですが、これらにも危険性はあります。

ソルビンサンKはかまぼこ、ちくわ等の練り製品やハムやソーセージ、生姜漬けのような漬物類、イカの燻製や、ワインなどの保存料として使われています。人での知見を行った結果、じんましん等の反応が出たそうです。

ソルビン酸K
出典 厚生労働省 加工して作成

甘味料の甘草の主成分はグリチルリチン酸と言い、生薬としても使われています。

グリチルリチン酸を使った薬は胃腸薬や口中清涼剤など、薬局などで手軽に購入できるものもあり、医薬品として一日最大配合量は200mgと決められています。かつ40mgを超えるものに関しては、50mg以下の使用でも副作用が認められたケースもあるため、使用上の注意に記載することになっています。

甘草抽出物の主成分であるグリチルリチン酸は、敏感な人では副作用として生理的な影響が生じたというデータもあります。
甘草抽出物はドレッシングや漬物類、魚介加工品にスナックなどさまざまな食品に使われていますが、一般的な食べ方ならば医薬品としての制限を超えるほどは摂取されないと思います。
しかし、グリチルリチン酸を含む薬を服用している場合は、食品からのグリチルリチン酸との合計がその制限を超えないように注意が必要になってきます。

発がん性物質の着色料「黄4号」

そして最後にタール系色素の着色料が使用されています。この生姜漬けに使われている色素は天然色素とは書かれていません。石油から作られたタール系色素ですね。
タール系色素が全て発がん性がある訳ではありませんが、使われている黄4は発ガン性が確認されている色素です。

発がん性のある成分 明らかな発がん物質 黄色4号
出典 ガンからの警告 [ サミュエル・S.エプスタイン ] 加工して作成

タール系色素の黄4はとても使う範囲が広いので多くの食品に入っています。お菓子類全般、たくあんをはじめとする漬物各種、かずのこ、練ウニ、飲料水にも使われています。

 

何でもそうですが、問題が起きない(と言われている)量しか含まれていないかもしれません。ごくたまに、ごく少量の摂取ならば、問題はないかもしれません。

しかし1日に何種類、何十種類と、意図せずに添加物を摂取している可能性もあります。それを何年、何十年と続けた時、体にどのような変化が起きるのかはわかりません。
添加物の怖さはここにあるのだということを忘れてはいけない気がします。

簡単&安全!手作り新生姜漬け(紅生姜)レシピ

子供の頃お婆ちゃんは、いとも簡単に新生姜をつけていたように思います。
新生姜はたこ焼き、お好み焼きには欠かせません。漬けて新しいものはスライスして食べても美味しいです。卵焼きに入れる人もいますよね。
色々使えて便利な食品です。作り置きにはもってこいですね。

新生姜の時期に、適当な大きさにカットした新生姜を一昼夜塩漬けして、水分を捨てます。
少しの新生姜なら、自家用梅干しの中の方に入れるだけでいいですし(お婆ちゃんはこうしていました)、前年度の梅干を漬けた後の梅酢を保存瓶に移し、そこに浸かるほどの新生姜を入れても構いません。

この時塩でよく揉んだ赤紫蘇を加えると、とても綺麗な色の生姜漬けになります。

紅ショウガ

今年の新生姜を漬けたものを刻んでみました。
これだけでご飯が進んでしまいます。香りもとっても良く、手作りだと添加物もなく安心ですね。